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スケジュール日程表プログラム

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日程表(PDF)

第1日目
9月11日(水)

第2日目
9月12日(木)

第3日目
9月13日(金)

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プログラム一覧

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特別講演

1PL1
細胞内シグナル伝達:寿命制御と組織ホメオスタシス維持機構

西田 栄介(京都大学)
日時:9月11日(水) 12:45〜13:45
会場:第1会場(メインホール)
司会:武田 弘資(長崎大学)

2PL1
Control of transforming growth factor-beta and bone morphogenetic factor signaling.

Rik Derynck(Univ. of California, USA)
日時:9月12日(木) 12:45〜13:45
会場:第1会場(メインホール)
司会:宮園 浩平(東京大学)

3PL1
プロテアソーム 〜その発見から四半世紀の軌跡〜

田中 啓二(東京都医学総合研究所)
日時:9月13日(金) 11:15〜12:15
会場:第1会場(メインホール)
司会:宮澤 恵二(山梨大学)

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Cold Spring Harbor Asia (CSHA)-sponsored symposium

アジアにおける国際学会の新しい拠点として最近注目を集めているCSH Asiaが初めて日本国内においてシンポジウムを開催します。
この記念すべきシンポジウムにおいてはMichael G. Rosenfeld博士が特別講演を行うほか、RNA biologyのセッションが開催され、国内外の第一線の研究者が講演します。CSH Asiaの代表であるMaoyen Chi博士もご挨拶されますので、多くの皆様の御来聴をお待ちしております。

日時:9月12日(木)18:40〜20:40
会場:第17会場(503)
司会:Maoyen Chi (Cold Spring Harbor Asia)、Mutsuhito Ohno (Kyoto Univ.)

講演者:
Michael G. Rosenfeld (Univ. of California, USA)
Mutsuhito Ohno (Kyoto Univ., Japan)
Yijun Qi (Tsinghua Univ., China)
Narry Kim (Seoul National Univ., Korea)
Ng Huck Hui (Genomics Institute of Singapore, Singapore)

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インターナショナルセッション

国際色豊かな大会を目指し、インターナショナルセッションではすべての講演を英語で行います。

インターナショナルセッション一覧

No. 日時 会場 タイトル
1IS03a 9月11日(水) 第3会場 トランスグルタミナーゼ関連疾患の分子病態解明の新戦略
1IS09a 9月11日(水) 第9会場 亜鉛イオンの生命科学:シグナル受容・恒常性・疾患における新しい展開
1IS15a 9月11日(水) 第15会場 酸素ストレス下の遺伝子発現
1IS01p 9月11日(水) 第1会場 リソソーム生物学のフロンティア
1IS03p 9月11日(水) 第3会場 哺乳類の組織特異的幹細胞の増殖分化を司る分子制御機構
2IS02a 9月12日(木) 第2会場 ジアシルグルセロールシグナリングとその関連病態の最前線
2IS12a 9月12日(木) 第12会場 システム生物学的アプローチによる発生・再生研究の現状
2IS15a 9月12日(木) 第15会場 シナプス機能の発現機構と機能喪失による神経変性誘発
2IS09p 9月12日(木) 第9会場 マラリア制圧へ向けての生化学
2IS16p 9月12日(木) 第16会場 血管・リンパ管の発生・形成機構とシグナル伝達
3IS01a 9月13日(金) 第1会場 免疫制御の分子機構
3IS04a 9月13日(金) 第4会場 ECMバイオロジーと幹細胞生物学、器官形成、上皮形成に向けて
3IS07a 9月13日(金) 第7会場 膜輸送体研究の方法;輸送体の声を聞くためのススメ
3IS01p 9月13日(金) 第1会場 がんと代謝の新展開
3IS06p 9月13日(金) 第6会場 TGF-βファミリーが造り出す生命現象
3IS08p 9月13日(金) 第8会場 ゲノムの継承と安定維持を支配するタンパク質複合体の構築原理

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インターナショナルセッション概要

<セッションNo.について>
開催日+インターナショナルセッション(IS)+会場+午前/午後
(例)1IS02a:第1日目・インターナショナルセッション・第2会場・午前

第1日目(9月11日(水))


1IS03a
9月11日(水) 9:00-11:30
第3会場(302)
タイトル トランスグルタミナーゼ関連疾患の分子病態解明の新戦略
オーガナイザー 一瀬 白帝(山形大学)、人見 清隆(名古屋大学)
講演者 一瀬 白帝(山形大学)、In-Gyu Kim(ソウル大学)、横崎 恭之(広島大学)、尾崎 司(山形大学)、杉谷 加代(金沢大学)、山西 清文(兵庫医科大学)、人見 清隆(名古屋大学)
概要 トランスグルタミナーゼ (TGase)は、タンパク質同士やペプチドを架橋して、本来の機能を強化/減弱させたり、新しい機能を獲得させる酵素群である。ヒトゲノムでは10種類のTGase遺伝子が知られており、各々が多彩な生命現象に関与し、その異常は様々な疾患を惹起する。そこで、アジアにおけるTGase研究の第一人者であるソウル大学Kim教授を招聘して、組織型TGaseが紫外線誘導メラニン産生を統合する分子機構に関する新知見をご紹介頂くとともに、我が国の代表的なTGase研究者の方々に、1)炎症性疾患におけるインテグリン機能での役割、2)自己免疫性血友病における抗血漿TGase(凝固第XIII因子)抗体の生化学的解析、3)神経再生における第XIII因子の新機能、4)皮膚疾患の原因となるTGaseの遺伝的、分子的基盤、5)TGaseの生体内可視化による疾患の診断法の開発などについて講演、討論して頂きたい。本シンポジウムが、アジアのTGase研究が将来グローバルに発展する契機となることを確信している。

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1IS09a
9月11日(水) 9:00-11:30
第9会場(411+412)
タイトル 亜鉛イオンの生命科学:シグナル受容・恒常性・疾患における新しい展開
オーガナイザー 深田 俊幸(理化学研究所)、神戸 大朋(京都大学)
講演者 深田 俊幸(理化学研究所)、神戸 大朋(京都大学)、河内 美樹(名古屋大学)、Daren L. Knoell(The Ohio State Univ., USA)、内藤 裕二(京都府立医科大学)、西田 圭吾(理化学研究所)、小椋 康光(昭和薬科大学)
概要 必須微量元素である亜鉛は多様な生命機能に関与し、その恒常性は亜鉛トランスポーターやカチオンチャネル、メタロチオネインによって制御されている。最近になって、ゲノムに存在する遺伝子の約1割が亜鉛結合配列をコードすること、亜鉛イオンがシグナル因子として機能すること、亜鉛イオンの制御分子が様々な細胞機能を統御し、その破綻が疾患の原因になることがモデル生物やヒト遺伝学研究の解析によって示されている。すなわち、生体における亜鉛イオンの恒常性が統合的な生命活動に深く関与していることが明示されつつある。本シンポジウムでは、亜鉛生物学の次世代をリードするエキスパートを招いて亜鉛イオンが関わる生物学と医科学に関する最新情報を概観し、亜鉛生物学の現状・方向性・今後の課題について議論する。

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1IS15a
9月11日(水) 9:00-11:30
第15会場(501)
タイトル 酸素ストレス下の遺伝子発現
オーガナイザー 早川 浩(福岡歯科大学)、真木 寿治(奈良先端科学技術大学院大学)
講演者 早川 浩(福岡歯科大学)、真木 寿治(奈良先端科学技術大学院大学)、関口 睦夫(福岡歯科大学)、スチュワート・リン(カルフォルニア大学)、蔡 剣平(北京老年医学研究所)、関口 猛 (九州大学)
概要 多くの生物は空気中の酸素を利用して生体の構成成分をつくると共にエネルギーをつくり出している。酸素利用の過程で生じる活性酸素の大部分はSODやカタラーゼの作用で消去されるが、残った活性酸素によってタンパク質、脂質、核酸が酸化され、生体に大きな影響を及ぼす。とりわけ核酸の酸化はがんの発生や老化の進行と大きく関わると考えられる。それを防ぐために細胞は、酸化された前駆体ヌクレオチドの排除や、酸化DNAの修復、損傷RNAの分解、過剰な酸化損傷をもつ細胞のアポトーシスによる除去機構を持っている。本シンポジウムでは、これらに関わる酵素系の働きや、その機構の制御を分子レベルで明らかにすると共に、遺伝子ノックアウトなどによって個体レベルの生物学的意義を明確にする。この分野の基礎的部分の先駆的研究を行ったカルフォルニア大学のStuart Linn教授、老化モデルマウスを用いて医学的研究を行っている北京・老年医学研究所の蔡 剣平教授を招待し討議したい。

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1IS01p
9月11日(水) 13:50-16:20
第1会場(メインホール)
タイトル リソソーム生物学のフロンティア
オーガナイザー 水島 昇(東京大学)、兪 立(精華大学)
講演者 水島 昇(東京大学)、兪 立(精華大学)、吉森 保(大阪大学)、王 晓晨 (National Institute of Biological Sciences, China)、駒田 雅之(東京工業大学)
概要 リソソームは分解専門の細胞内小器官である。ここにはエンドソームやオートファゴソームが絶えず融合し、基質が送り込まれている。従って、リソソームの研究では、基質がどのようにリソソームに運ばれて分解されるかと同時に、大量の膜と基質を受け入れたリソソームがどのように自身のアイデンティティと品質を維持しているかを理解することが重要である。本シンポジウムでは、エンドサイトーシスやオートファジーからのリソソームへの流入、分解産物のリソソームからの流出、リソソームそのものの再構築と分解などについて、多角的にリソソームのバイオロジーを議論する。

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1IS03p
9月11日(水) 13:50-16:20
第3会場(302)
タイトル 哺乳類の組織特異的幹細胞の増殖分化を司る分子制御機構
オーガナイザー 原 孝彦(東京都医学総合研究所)、瀧原 義宏(広島大学)
講演者 原 孝彦(東京都医学総合研究所)、瀧原 義宏(広島大学)、佐藤 俊朗(慶應義塾大学)、家田 真樹(慶應義塾大学)、鈴木 淳史(九州大学)、仁科 博史(東京医科歯科大学)、相賀 裕美子(国立遺伝学研究所)
概要 我々の体を構成する組織や臓器には、組織幹細胞、分化成熟した機能細胞、そして幹細胞の自己複製と分化をサポートするニッチ構成細胞が微小環境下に共存している。骨髄・小腸・精巣では、成体においても恒常的に幹細胞の自己複製と分化成熟が営まれ組織や臓器の機能が維持されているのに対して、心臓や肝臓の組織幹細胞は胎生期に限定して働くとされている。再生医療研究の進展によって、マウスやヒトの組織幹細胞の遺伝子プログラムに関する知見が蓄積してきた。特に系統特異的な転写制御因子やエピジェネティックな調節因子の働きが次々と明らかにされている。これらを応用すれば、希少な組織幹細胞をES/iPS細胞、あるいは分化した体細胞から大量に分化誘導することも夢ではない。本シンポジウムでは、上記の研究トピックに様々な切り口から挑んでいる7名の研究者から最新の知見を報告して頂き、組織幹細胞による組織や臓器の形成と維持の共通原理について学び取ることを目的とする。

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第2日目(9月12日(木))


2IS02a
9月12日(木) 9:00-11:30
第2会場(301)
タイトル ジアシルグルセロールシグナリングとその関連病態の最前線
オーガナイザー 坂根 郁夫(千葉大学)、白井 康仁(神戸大学)
講演者 小串 典子(理化学研究所)、金丸 佳織(東京薬科大学)、白井 康仁(神戸大学)、Isabel Merida(CSIC , Spain)、Marcelo Kazanietz(Univ. of Pennsylvania, USA)、坂根 郁夫(千葉大学)
概要 ジアシルグリセロール(DG)は古くはプロテインキナーゼCを活性化する細胞内脂質性シグナル分子として注目を集めた。しかし、近年DGの標的分子はプロテインキナーゼC以外にも続々と発見され、また、DGの産生・除去経路も複数存在することから、細胞はDGが重層的に形成する複雑なシグナリングネットワークを備えていることが明らかになってきた。その結果、DGシグナリングネットワークが制御する生理機能は枚挙にいとまがなく、また、そのバランスの破綻はがん、メタボリックシンドロームや精神疾患などの様々な病態を引き起こすことも最近明らかになりつつある。そこで、本シンポジウムでは、DGの細胞膜内挙動、標的分子群(プロテインキナーゼC、RasGRP、chimaerinなど)、産生・除去経路(ホスホリパーゼC、DGキナーゼなど)とそれらと連関する生理機能・病態についての最新の話題を提供することにより、刻々と拡大・深化するDGシグナリングネットワークを紐解き俯瞰する良い機会とし、包括的に論議する。

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2IS12a
9月12日(木) 9:00-11:30
第12会場(416+417)
タイトル システム生物学的アプローチによる発生・再生研究の現状
オーガナイザー 浅原 弘嗣(東京医科歯科大学)、洪 実(慶應義塾大学)
講演者 浅原 弘嗣(東京医科歯科大学)、洪 実(慶應義塾大学)、佐藤 ゆたか(京都大学)、廣瀬 哲郎(産業技術総合研究所)、上田 泰己(理化学研究所)、アレックス・ ホフマン(カリフォルニア大学)
概要 ポストゲノム研究は、総背番号・総当たりのノンバイアスな解析に基づく帰納・演繹的生物学を可能にしたばかりか、今まで知られていなかったNoncoding-RNAの機能をもあぶりだすことになった。全ゲノムを俯瞰したとき、そこから秩序をもって、ある生物学的ベクトルをもったダイナミックな遺伝子ネットワークがどのように織りなされるのか、その律速段階となる制御機構は何か、生命システムの解明における未踏の部分に焦点をあて、最先端のシステム生物学的アプローチによる成果を報告する。特に、発生生物学・再生医学や時間、炎症制御における、システマティックかつハイスループットな研究手法の導入による遺伝子発現の各階層におけるネットワーク解析により、今まで困難であったレベルでのタンパク・RNAの機能を解明し、それが新しい概念につながるか、ホヤからヒトにいたる種々のモデルにおいて議論、検証したい。

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2IS15a
9月12日(木) 9:00-11:30
第15会場(501)
タイトル シナプス機能の発現機構と機能喪失による神経変性誘発
オーガナイザー 鈴木 利治(北海道大学)、水島 徹(慶應義塾大学)
講演者 山田 麻紀(理化学研究所)、富田 進(イエール大学)、安藤 香奈絵(トーマスジェファーソン大学)、Eunjoon Kim(Korea Advanced Inst. of Sci. and Tech., Korea)、羽田 沙緒里(北海道大学)
概要 シナプス伝達やシナプス可塑性を司る基本原理を理解することは、学習や記憶、認識など脳の高次機能を理解する上で重要である。シナプス機能の破綻や失調はアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患を引き起こすと考えられている。本シンポジウムでは、基礎的なシナプス機能がどのように調節され、また、修飾を受けて複雑な脳神経機能の発現を制御しているのか、その分子機構の解明に焦点を当てると共に、どのようなシナプス機能の破綻が神経変性疾患を引き起こすのかに焦点を当てる。シナプス形成、シナプス機能発現、シナプス機能破綻、そして神経変性に関わる分子機能の最新のトピックスを、米国及びアジアで世界的に活躍している研究者や独創的な研究を展開している若手・女性研究者に提供・討議してもらう。アルツハイマー病との神経変性疾患の治療を目的とした、シナプス機能の保持や発現を目指す創薬ターゲットの開発など臨床応用への話題も議論する。

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2IS09p
9月12日(木) 13:50-16:20
第9会場(411+412)
タイトル マラリア制圧へ向けての生化学
オーガナイザー 北 潔(東京大学)、坪井 敬文(愛媛大学)
講演者 坪井 敬文(愛媛大学)、Jetsumon Sattabongkot(Mahidol Univ., Thailand)、田邊 和裄(大阪大学)、金子修(長崎大学)、美田 敏宏(順天堂大学)、Josephine Siregar(Eijkman Institute, Indonesia)、北 潔(東京大学)
概要 マラリアは最重要感染症の一つであり、アジア・アフリカの発展途上国を中心に毎年百万人の死者と5億人の新たな感染が報告されている。クロロキンやアルテミシニンなどの抗マラリア薬に抵抗性のマラリア原虫の出現とその世界的な拡散から新規抗マラリア薬とワクチンの開発が緊急な課題となっている。マラリア感染の予防、治療、診断を格段に進展させるにはマラリア原虫の生物としての基本的な性質と感染成立における寄生体としての特徴を明らかにし、標的を定める事が必要不可欠である。  本シンポジウムではこの様なマラリア制圧に向けた新たな研究の方向性に関して、特に進展の著しい生化学的アプローチを中心とした基礎生命科学からの研究に焦点を絞る。すなわち、セルフリー系で合成したマラリア原虫タンパク質群を用いたワクチン開発、最も患者数が多いにも関わらず培養系がない三日熱マラリアのモデル系としてのサルマラリアのゲノム情報に基づいた解析、宿主細胞への侵入機構、薬剤標的としての新奇なミトコンドリアやアピコプラスト等のオルガネラの機能解析について紹介し、今後の研究の方向性について議論したい。

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2IS16p
9月12日(木) 13:50-16:20
第16会場(502)
タイトル 血管・リンパ管の発生・形成機構とシグナル伝達
オーガナイザー 渡部 徹郎(東京大学)、山下 潤(京都大学)
講演者 山下 潤(京都大学)、渡部 徹郎(東京大学)、高橋 淑子(京都大学)、中岡 良和(大阪大学)、Injune Kim(KAIST, Korea)
概要 血管・リンパ管のネットワークは成体の恒常性維持に重要な役割を果たしている。その異常は多くの疾患を引き起こすとともに、がんの転移などさまざまな疾患の発症と進展において重要な役割を果たしていることから、その形成機構の解明は急務である。血管・リンパ管研究はES細胞等多能性幹細胞からのin vitro分化実験などの新技術の開発もあり、近年めざましい進展を見せており、細胞分化過程や血管構造形成機構、主要なシグナル伝達経路の重要性などが明らかにされてきた。しかし、研究の進展とともに血管・リンパ管がざまざまな臓器において多様性や特異性を有することがわかりつつあり、神経系との相互作用などまだ非常に興味深い未解明な点が多く残されている。本シンポジウムでは血管・リンパ管研究における第一線の研究者に血管とリンパ管の発生・形成を制御する機序と細胞内シグナルに関する最先端の知見を紹介してもらいつつ、再生医療への応用など今後の研究の目指す方向性・展望についても討論したい。

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第3日目(9月13日(金))


3IS01a
9月13日(金) 8:30-11:00
第1会場(メインホール)
タイトル 免疫制御の分子機構
オーガナイザー 吉村 昭彦(慶應義塾大学)、久保 允人(東京理科大学)
講演者 竹内 理(京都大学)、三宅 健介(東京大学)、吉村 昭彦(慶應義塾大学)、Shuiping Jiang(Johns Hopkins Univ., USA)、有田 誠(東京大学)、久保 允人(東京理科大学)
概要 近年免疫応答の分子細胞レベルでの機構解明が進んでいるが、免疫を制御する仕組の解明は次の課題である。免疫の制御機構としては自然免疫系におけるマクロファージや樹状細胞レベルでの制御、獲得免疫における抑制性T細胞による抑制、抑制性サイトカインであるIL-10やTGFβ、あるいは抗炎症性の生理活性脂質による抑制などが知られている。本シンポジウムではそれらの制御の分子機構に焦点をあて、同時に新しいメカニズムの提唱を含めて議論したい。

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3IS04a
9月13日(金) 8:30-11:00
第4会場(303)
タイトル ECMバイオロジーと幹細胞生物学、器官形成、上皮形成に向けて
オーガナイザー 山田 源(和歌山県立医科大学)、藤原 裕展(理化学研究所)
講演者 関口 清俊(大阪大学)、藤原 裕展(理化学研究所)、Bo Dong(理化学研究所)、米村 重信(理化学研究所)、西脇 清二(関西学院大学)
概要 ECM( Extra-cellular Matrix )バイオロジーは、生化学的なECMの解析として長い歴史を持っている。ECMの制御は、幹細胞制御にも重要であり、器官形成過程特に上皮形成過程にも新知見が得られつつある。本シンポジウムは、広い観点で、アクティブに研究されている方々を集め、生化学会に向けて学際的な視点で企画いたしました。皆様のご参加をお願い申し上げます。

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3IS07a
9月13日(金) 8:30-11:00
第7会場(313+314)
タイトル 膜輸送体研究の方法;輸送体の声を聞くためのススメ
オーガナイザー 永森 收志(大阪大学)、阿部 一啓(名古屋大学)
講演者 西澤 知宏(東京大学)、阿部 一啓(名古屋大学)、 Matthias Quick (Columbia Univ.)、宮地 孝明(岡山大学)、永森 收志(大阪大学)、大槻 純男(熊本大学)
概要 トランスポーター、ポンプ、チャネル(輸送体)は、生体膜で隔てられたコンパーメント間の選択的な物質透過を可能にする膜タンパク質である。生命の根幹とも言える物質不均衡を司ることから、輸送体が関わる生理現象やその責任分子が同定されてきた。一方で膜タンパク質の性質故、詳細な分子機構の理解は困難であった。しかしながら、近年の解析・分析技術の発展は、輸送体研究を大きく変えた。分子の構造が明らかになり、それを基に生化学・物理生物学的手法や計算機を使用することで機能と構造の研究は著しく進んだ。また輸送体分子間の相互作用が検出可能になり、輸送体が複合体として機能を発揮することが示された。さらには細胞や組織における輸送体の絶対定量実現により、分子機能解析の成果をふまえて組織、生体レベルで輸送の定量的な議論が可能になった。いまこそ、あらゆる手法を用いて、寡黙な、つまり研究の難しい膜輸送体の声に耳を傾け、分子機構から生理現象までを一気通貫で理解するステージに来ている。本シンポジウムでは、異なった複数の学問分野からの手法の融合による膜輸送体研究の可能性とその研究の方向性を探っていきたい。

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3IS01p
9月13日(金) 15:30-18:00
第1会場(メインホール)
タイトル がんと代謝の新展開
オーガナイザー 本橋 ほづみ(東北大学)、三木 裕明(大阪大学)
講演者 浦野 泰照(東京大学)、佐谷 秀行(慶應義塾大学)、三木 裕明(大阪大学)、本橋 ほづみ(東北大学)、Patrick J Pollard(Univ. of Oxford, UK)
概要 がん細胞をはじめとする増殖細胞の代謝様式は、静止期にある細胞の代謝様式とは大きく異なることが以前より知られていた。特に近年、増殖シグナルによる代謝リプログラミングが増殖に有利な細胞内環境を実現することが明らかにされ始め、細胞増殖と代謝の関係が注目を集めている。また、がん細胞における代謝酵素の遺伝子変異が同定され、がん細胞が依存するユニークな代謝経路が次々と明らかにされている。こうした、がん細胞に特徴的な代謝経路の理解を通して、新しい診断技術の開発や抗がん治療の分子標的を見いだそうという試みが盛んに進められている。本シンポジウムでは、がんの増殖や転移を支える分子機構に代謝という切り口で挑んでいる研究者に最新の知見をご紹介いただき、代謝のダイナミズムとその制御機構が、がん細胞の悪性化に果たす役割を議論したい。

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3IS06p
9月13日(金) 15:30-18:00
第6会場(311+312)
タイトル TGF-βファミリーが造り出す生命現象
オーガナイザー 宮澤 恵二(山梨大学)、伊東 進(昭和薬科大学)
講演者 斎藤 正夫(山梨大学)、古室 暁義(東京大学)、伊東 史子(東京薬科大学)、Ye-Guang Chen(Tsinghua Univ., China)、Seok Hee Park(Inha Univ., Korea)、松崎 恒一(関西医科大学)
概要 TGF-βはもともと腫瘍抑制因子として着目されたサイトカインである。近年、TGF-βは多くのファミリー分子を有し、生命維持に不可欠であることが知られるようになった。TGF-βファミリーは腫瘍抑制作用以外に、細胞分化・細胞遊走・血管新生・細胞死・免疫抑制などの作用をもつ多能性サイトカインとして、初期発生から成熟個体の恒常性維持に至るまで多彩な生体反応を調節している。さらに、iPSやES細胞を含めた幹細胞の維持にもTGF-βファミリーが深く関わってきていることが明らかになってきている。裏を返せば、TGF-βシグナル異常は、血管病変、骨・軟骨疾患、免疫異常、がん進展等様々な疾患に深く関与していることになる。本シンポジウムでは、日中韓の専門家がTGF-βファミリーシグナル異常が誘引する疾患の分子機構についての最新知見を紹介する。

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3IS08p
9月13日(金) 15:30-18:00
第8会場(315)
タイトル ゲノムの継承と安定維持を支配するタンパク質複合体の構築原理
オーガナイザー 正井 久雄(東京都医学総合研究所)、片山 勉(九州大学)
講演者 片山 勉(九州大学)、正井久雄(東京都医学総合研究所)、岩崎博史(東京工業大学)、Li-Jung Juan (Genomics Res. Ctr. Academia Sinica, Taiwan)、Supriya G. Prasanth (Univ. of Illinois at Urbana-Champaign, USA)
概要 個体の維持と次世代への遺伝情報の継代にとって、正確かつ過不足ないゲノム複製は中心的な課題である。長大なゲノムの複製は、複製フォークにおいて複製複合体が、チェックポイント因子、組換え、修復、ヒストン修飾因子などと物理的、機能的に相互作用しつつ、核内の空間的・時間的プログラムに従って進行する。この複合体は、細胞内外の環境に応答しつつ、ゲノムを正確に継承するとともに、染色体の分離や、次世代へのエピゲノムの継承・変化にも関与する。 本シンポジウムでは、解体・再構成など主に生化学的アプローチにより明らかになりつつある、ゲノム複製を中心としたタンパク質複合体構築の原理、さらにこれらの複合体がどのように外界の情報に応答し、柔軟に対応するかその制御のメカニズムを討議する。

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シンポジウム

シンポジウム一覧

No. 日時 会場 タイトル
1S01a 9月11日(水) 第1会場 細胞核内構造体の構築原理と高次生命機能
1S02a 9月11日(水) 第2会場 病原体が広げる膜生化学、膜生化学が切り込む感染症
1S04a 9月11日(水) 第4会場 ミトコンドリア新機能と破綻による疾患
1S05a 9月11日(水) 第5会場 自然免疫とオートファジー:分子機構解明のための構造生物学的アプローチ
1S07a 9月11日(水) 第7会場 バイオベター・バイオスペリア時代の蛋白質工学
1S08a 9月11日(水) 第8会場 ケミカルライブラリースクリーニング再考:アカデミアで意味あるケミカルライ ブラリースクリーニングを実現するために
1S12a 9月11日(水) 第12会場 生物時計の発生と維持と破綻
1S16a 9月11日(水) 第16会場 アクチン細胞骨格による新たな細胞機能と生体機能の制御
1S17a 9月11日(水) 第17会場 生命現象に関わる小胞体ストレスシグナリングの新局面
1S02p 9月11日(水) 第2会場 生体膜リン脂質研究の最前線
1S04p 9月11日(水) 第4会場 ミトコンドリアワールド:エネルギー生産から生体内環境保全まで
1S07p 9月11日(水) 第7会場 使える!マイクロデバイス
1S08p 9月11日(水) 第8会場 脂肪滴研究の新たな展開:その多彩な機能と疾患
1S09p 9月11日(水) 第9会場 生体金属が関与する細胞内クロストークの新展開
1S12p 9月11日(水) 第12会場 神経難病へのゲノム・生化学的アプローチ
1S15p 9月11日(水) 第15会場 フォークヘッドワールド:フォークヘッド因子の機能と制御
1S16p 9月11日(水) 第16会場 細胞運命決定のシグナル伝達
1S17p 9月11日(水) 第17会場 多様な細胞死を起点とする生体制御ネットワーク
2S01a 9月12日(木) 第1会場 次世代シグナル伝達研究への展開
2S03a 9月12日(木) 第3会場 糖鎖の一生を探る:合成、輸送、代謝とその調節機構
2S04a 9月12日(木) 第4会場 細胞が持つリサイクルシステム研究の新展開
2S05a 9月12日(木) 第5会場 拡大するユビキチンネオバイオロジーの可能性
2S07a 9月12日(木) 第7会場 膜蛋白質の分子機構と創薬
2S08a 9月12日(木) 第8会場 染色体ストレス応答ネットワーク研究の新機軸
2S09a 9月12日(木) 第9会場 多様なアプローチから解明が進む植物シグナル伝達研究
2S16a 9月12日(木) 第16会場 内分泌型FGF familyによる代謝制御の分子基盤
2S17a 9月12日(木) 第17会場 がんの代謝システム制御機構
2S01p 9月12日(木) 第1会場 レドックスニッチの形成・解読機構とシグナリング
2S02p 9月12日(木) 第2会場 酸性リン脂質研究の最前線
2S03p 9月12日(木) 第3会場 構造の多様性をベースとした糖鎖機能の俯瞰的解読
2S04p 9月12日(木) 第4会場 発生・再生を支える多細胞動態と力学特性
2S05p 9月12日(木) 第5会場 非常識なプロテアーゼ反応:膜内部でのタンパク質切断
2S07p 9月12日(木) 第7会場 電子と生命、そしてバイオテクノロジー
2S08p 9月12日(木) 第8会場 ミクロなクロマチン研究で解くマクロなエピジェネティクス研究
2S12p 9月12日(木) 第12会場 D-アミノ酸研究の新展開
2S15p 9月12日(木) 第15会場 脳神経回路の可塑性の生化学研究:分子メカニズムから疾患まで
2S17p 9月12日(木) 第17会場 がんと免疫の蛍光イメージング最前線
3S02a 9月13日(金) 第2会場 生体膜の動態から見える新たな膜生物学
3S03a 9月13日(金) 第3会場 糖鎖フィールド:糖鎖がシグナル伝達を制御する原理
3S05a 9月13日(金) 第5会場 タンパク質の品質管理と疾患
3S06a 9月13日(金) 第6会場 非定型カドヘリンの示す多様な世界
3S08a 9月13日(金) 第8会場 BETファミリーを中心とするブロモドメインタンパク質の細胞機能制御
3S09a 9月13日(金) 第9会場 多様な生物に学ぶユニークな酵素・代謝機能とその応用
3S12a 9月13日(金) 第12会場 健康と疾病に深くかかわるポリアミン
3S15a 9月13日(金) 第15会場 iPS 細胞技術を用いた神経疾患研究の進歩と今後の展望
3S16a 9月13日(金) 第16会場 細胞機能制御シグナルの最先端
3S17a 9月13日(金) 第17会場 老化・寿命制御と細胞運命
3S02p 9月13日(金) 第2会場 機能性酸化脂質研究の新展開
3S03p 9月13日(金) 第3会場 トランスポーターと疾患の最前線
3S04p 9月13日(金) 第4会場 メンブレントラフィックの新局面:多様な細胞現象との連携による生理機能の制御
3S05p 9月13日(金) 第5会場 ストレス応答の破綻と病態の新機軸
3S07p 9月13日(金) 第7会場 生命システム原材料の起源と進化:物質代謝システムの自己組織化
3S09p 9月13日(金) 第9会場 内分泌からノンシステミックステロイドへ
3S12p 9月13日(金) 第12会場 硫黄の生体利用に関する最新知見と新展開
3S15p 9月13日(金) 第15会場 神経回路形成のシグナル伝達クロストークを解く―神経再生応用に向けて
3S16p 9月13日(金) 第16会場 細胞内シグナルの伝達様式を一変させる交換因子 〜細胞の運命決定から病態と創薬まで〜
3S17p 9月13日(金) 第17会場 成熟細胞の寿命制御機構とその破綻による病態

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シンポジウム概要

<セッションNo.について>
開催日+シンポジウム(S)+会場+午前/午後
(例)1S02a:第1日目・シンポジウム・第2会場・午前

第1日目(9月11日(水))


1S01a
9月11日(水) 9:00-11:30
第1会場(メインホール)
タイトル 細胞核内構造体の構築原理と高次生命機能
オーガナイザー 米田 悦啓(大阪大学)、中尾 光善(熊本大学)
講演者 岡 正啓(大阪大学)、斉藤 典子(熊本大学)、筒井 研(岡山大学)、萩原 正敏(京都大学)、原田 昌彦(東北大学)、古関 明彦(理化学研究所)
概要 細胞核内に形成される構造体は、時空間・状況に応じてダイナミックに集合・離散する分子集合体である。核膜と核マトリックスを支柱として、染色体領域と染色体間領域に分けられ、さらに、転写の場である転写ファクトリー、転写が不活化されるヘテロクロマチン、特定の役割を果たす核小体、核スペックル、PMLボディ、ポリコームボディなどが挙げられる。これらの場で、DNA、RNA、タンパク質などが速やかな交換反応を繰り返している。核内構造体は、常に変化しつつ、ある頻度と平衡状態として形成されている。このように、分子が動的不均衡に分布する状態は生命エネルギーが働いている証でもある。特定の分子密度を局所で上げることは、生化学反応を効率化するために不可欠であろう。本シンポジウムでは、高次元の遺伝情報発現、発生分化、疾患・老化、環境応答などの高次生命機能における細胞核内構造体の制御と意義について最新の知見を議論する。

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1S02a
9月11日(水) 9:00-11:30
第2会場(301)
タイトル 病原体が広げる膜生化学、膜生化学が切り込む感染症
オーガナイザー 花田 賢太郎(国立感染症研究所)、伊東 信(九州大学)
講演者 結城 伸泰(シンガポール国立大学)、藤井 高志(理化学研究所)、宮田 真人(大阪市立大学)、津久井 久美子(国立感染症研究所)、渡辺 昂(九州大学)、花田 賢太郎(国立感染症研究所)
概要 地球規模での感染症の克服は今世紀においても人類が直面する最大の課題の1つであり、その解決には病原体の宿主への侵入や感染成立の分子基盤を解明することが不可欠である。一方、微生物や毒素などの病原体は膜生化学の発展に多大な貢献をしてきた。本シンポジウムでは学際的アプローチを用いて広がりつつある病原体に関わる膜生物学の最近の発展を紹介する。具体的には、アメーバで見出されたリソソームへの新規ターゲット経路、微生物膜構成因子に誘導される自己免疫神経病、病原性真菌における糖脂質品質管理、マイコプラズマの滑走メカニズム、細菌の病原因子を宿主細胞へ打ち込む注射針の詳細構造、膜接触部位を介した宿主から寄生胞への脂質移動、についての話題を提供する。病原体を利用した膜生化学の広がりは、基礎生命科学に新しいパラダイムを提供するばかりでなく、感染症の克服に新しい戦略の糸口を与えるであろう。

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1S04a
9月11日(水) 9:00-11:30
第4会場(303)
タイトル ミトコンドリア新機能と破綻による疾患
オーガナイザー 柳 茂(東京薬科大学)、荒木 敏之(国立精神・神経医療研究センター)
講演者 荒川 博文(国立がん研究センター研究所)、康 東天(九州大学)、小柴 琢己(九州大学)、服部 信孝(順天堂大学)、長島 駿(東京薬科大学)、若月 修二(国立精神・神経医療研究センター)
概要 新しいミトコンドリア機能が次々に明らかになるにつれ,ミトコンドリアと疾患の関連もきわめて密接かつ多様であることが知られるようになった.近年の研究の進展に伴い,老化,糖尿病,がん,神経変性,心不全など実にさまざまの一般的な疾患(Common Disease)の発症と進展に深くかかわっていることが広く認められつつある.これらCommon Diseaseとの関連を真に理解するためには,もともとミトコンドリアに異常があり,そこからひき起こされる疾患を考えるアプローチではもはや対処できない.むしろ,本来ミトコンドリアと関係なかった病態がミトコンドリアに影響を及ぼし,その結果として,機能異常だけではないミトコンドリア応答反応がもとの病態を増悪,軽減,修飾するという,逆の視点が必要である.今,ミトコンドリア研究は新しい視点が求められる時代に入っている.本シンポジウムでは、ミトコンドリア新機能とその破綻によって引き起こる様々な疾患との関連性について焦点を当てる。

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1S05a
9月11日(水) 9:00-11:30
第5会場(304)
タイトル 自然免疫とオートファジー:分子機構解明のための構造生物学的アプローチ
オーガナイザー 野田 展生(微生物化学研究所)、稲垣 冬彦(北海道大学)
講演者 稲垣 冬彦(北海道大学)、清水 敏之(東京大学)、齊藤 達哉(大阪大学)、中戸川 仁(東京工業大学)、野田 展生(微生物化学研究所)
概要 自然免疫システムは微生物やウイルスの構造パターンを認識することで発動する,迅速かつ特異性の低い生体防御機構である.一方,オートファジーは細胞が自身の構成成分を非選択的に分解する,真核生物の基本的細胞内分解システムである.一見関係のないように見える2つのシステムであるが,近年,自然免疫系を制御する因子がオートファジーの制御にも関わること,オートファジーが細胞内の自然免疫の一種として機能することなど,両者の密接な関わりが明らかになってきている.本シンポジウムでは,両システムの分子メカニズムの統合的理解に向けて,主に構造生物学的アプローチから明らかになってきた最新の知見を紹介する.

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1S07a
9月11日(水) 9:00-11:30
第7会場(313+314)
タイトル バイオベター・バイオスペリア時代の蛋白質工学
オーガナイザー 植田 正(九州大学)、津本 浩平(東京大学)
講演者 津本 浩平(東京大学)、白井 宏樹(アステラス製薬株式会社)、江島 大輔(味の素株式会社)、井川 智之(中外製薬株式会社)、村口 篤(富山大学)、植田 正(九州大学)
概要 蛋白質治療薬への関心は高まるばかりである。新規標的への抗体医薬はもとより、いわゆる後発品とされていた医薬品への工学的アプローチによる、新しい創薬への期待が大きくなっている。新しい時代を迎えつつある蛋白質治療薬の開発とそれを支える技術について、最新の研究成果を集約するシンポジウムとする。

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1S08a
9月11日(水) 9:00-11:30
第8会場(315)
タイトル ケミカルライブラリースクリーニング再考:アカデミアで意味あるケミカルライ ブラリースクリーニングを実現するために
オーガナイザー 中川 健太郎(東京医科歯科大学)、どど 孝介(理化学研究所)
講演者 伊藤 昭博(理化学研究所)、平林 享(マウントサイナイ医科大学)、石川 稔(東京大学)、広川 貴次(産業技術総合研究所)、金澤 佳人(第一三共株式会社)、どど 孝介(理化学研究所)、中川 健太郎(東京医科歯科大学)
概要 近年、大学・研究施設にオープンアクセス可能なライブラリーの設置が進み、生物・生化学的アッセイに基づく化合物ライブラリースクリーニングは、比較的小規模な研究室でも使用可能な研究手法として汎用されるようになっている。その成果は有益な治療薬、研究試薬の開発に結び付くため魅力的である。しかし、その一方でライブラリーの大規模化が進み一日当たり10万化合物を処理するultra-high-throughput screening (uHTS) も登場している。生物・生化学系の研究室においては、一次スクリーニングにより活性をもつ候補化合物を得ても、個体において有効性を示す薬物へ展開する段階で困難に直面することも少なくない。 製薬企業を中心にuHTSが展開される中でアカデミアの独自性を保ち意味あるケミカルライブラリースクリー二ングを展開するためには、in silicoの情報活用、 ライブラリーの選定、ユニークなアッセイ系の構築、薬剤標的分子の同定法、生物系・化学系研究室のシームレスな協力など、工夫すべき点が多い。本シンポジウムではこれらの問題を分野を超えて若手研究者を中心に発表討論する。

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1S12a
9月11日(水) 9:00-11:30
第12会場(416+417)
タイトル 生物時計の発生と維持と破綻
オーガナイザー 深田 吉孝(東京大学)、八木田 和弘(京都府立医科大学)
講演者 土居 雅夫(京都大学)、堅田 明子(九州大学)、平野 有沙(東京大学)、大戸 茂弘(九州大学)、八木田 和弘(京都府立医科大学)
概要 約24時間周期の概日リズムは生物が環境変動の24時間サイクルに適応して獲得した生理機能であり、概日時計が支配する。哺乳類の行動リズムの制御においては、視床下部の視交叉上核が中枢時計として機能するが、その支配下でほぼ全ての組織の細胞が自律的な時計機能を持っている。このような普遍的な時計機能は発生のある段階で細胞が自発的に獲得し、そのあとは頑健に約24時間の周期性を保つ。一方で、この体内時計システムが何らかの理由で異常を示すと、生体の広範な機能に不具合を起こす事が最近の研究において分かってきた。本シンポジウムでは、概日時計の24時間周期性を維持する巧妙な分子機構を中心に、この機能が細胞で生まれるプロセスを探る。また、体内時計の破綻が生体の維持にいかなる影響を与えるのか、あるいは細胞の癌化などの異常が時計機能の破綻にどのようにつながるかといった観点から、時計分子の機能とその異常を含め、基礎から臨床への接点を含めて議論したい。

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1S16a
9月11日(水) 9:00-11:30
第16会場(502)
タイトル アクチン細胞骨格による新たな細胞機能と生体機能の制御
オーガナイザー 水野 健作(東北大学)、遠藤 剛(千葉大学)
講演者 水野 健作(東北大学)、遠藤 剛(千葉大学)、タムケオ ディーン(京都大学)、根岸 学(京都大学)、曽我部 正博(名古屋大学)、及川 司(慶應義塾大学)
概要 細胞骨格は細胞形態の決定に働いているだけでなく,細胞分裂,細胞極性,細胞運動,細胞接着,小胞輸送,細胞間および細胞内シグナル伝達をはじめとする多様な細胞機能を担っている。特にアクチン細胞骨格については,多様な制御因子が見出されており,様々な細胞機能を担っていることが明らかにされている。さらにアクチン細胞骨格は,これらの細胞機能に基づき,組織・器官の形態形成や生体における生理学的・病理学的機能の制御にも不可欠な役割を担っていることが明らかにされつつある。本シンポジウムでは,これまでに十分に認識されていなかったアクチン細胞骨格による新たな細胞機能と生体機能の制御,およびそれらの分子機構やシグナル伝達機構についての,ホットな最前線の研究を紹介する。本シンポジウムを,急速な進展を続けるアクチン細胞骨格研究の新展開に向けて発信したい。

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1S17a
9月11日(水) 9:00-11:30
第17会場(503)
タイトル 生命現象に関わる小胞体ストレスシグナリングの新局面
オーガナイザー 西頭 英起(宮崎大学)、上原 孝(岡山大学)
講演者 永田 和宏(京都産業大学)、石川 時郎(京都大学)、河野 憲二(奈良先端科学技術大学院大学)、親泊 政一(徳島大学)、齋藤 敦(広島大学)、河野 望(東京大学)、上原 孝(岡山大学)
概要 小胞体ストレス応答は酵母から哺乳類まで保存され,とくにヒトにおいて病態との関わりが指摘されており,本分野の研究者人口は全世界的にも増えつつある.これまで,小胞体ホメオスタシス破綻,不良タンパク質センシング,小胞体を起源とするシグナル伝達,小胞体からのタンパク質分解などの分子メカニズムが,本シンポジウム講演者らを中心とする多くの研究者によって明らかにされ,今なお精力的に進められている.最近では,従来のストレスシグナルの概念とは異なり,微弱なシグナルが様々な組織の発生に必須であることや,細胞質タンパク質やリン脂質構成の異常による細胞内環境変化が小胞体ストレスを惹起する可能性など,新たな局面が提示されつつある.そこで本シンポジウムでは,薬剤による小胞体ストレス誘導ではなく,生体内活性物質や生理的刺激によるマイルドなシグナル発生機構とその役割,さらには小胞体以外の細胞内オルガネラとの関わりについて最新の成果を発表して頂くことで,本分野のさらなる発展を期待するものである.

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1S02p
9月11日(水) 13:50-16:20
第2会場(301)
タイトル 生体膜リン脂質研究の最前線
オーガナイザー 青木 淳賢(東北大学)、村上 誠(東京都医学総合研究所)
講演者 進藤 英雄(東京大学)、新井 洋由(東京大学)、青木 淳賢(東北大学)、村上 誠(東京都医学総合研究所)、高須賀 俊輔(秋田大学)、伊藤 俊樹(神戸大学)、中村 由和(東京薬科大学)
概要 リン脂質は生体膜の構成成分としてだけでなく、生理活性脂質の原料としても重要な役割を持つ。近年の質量分析技術の発展から、生体膜を構成するリン脂質分子種同定が可能になった。その結果、生体膜は従来予想されていたよりはるかに多様性に富むリン脂質分子種から構成され、その組成は状況に応じて変動することが明らかとなってきた。また、リン脂質の多様性を生む出す代謝酵素群、リン脂質認識分子の実態も判明しつつある。本シンポジウムでは、世界的に活躍するリン脂質生物学者にリン脂質分子種機能の最先端研究を披露して頂く。

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1S04p
9月11日(水) 13:50-16:20
第4会場(303)
タイトル ミトコンドリアワールド:エネルギー生産から生体内環境保全まで
オーガナイザー 松田 憲之(東京都医学総合研究所)、石原 直忠(久留米大学)
講演者 堀江 哲郎(東京工業大学)、岡本 浩二(大阪大学)、今村 博臣(京都大学)、多賀谷 光男(東京薬科大学)、佐藤 美由紀(群馬大学)、稲岡 ダニエル健(東京大学)、松田 憲之(東京都医学総合研究所)
概要 ミトコンドリアは中学校の教科書にも載っている古典的なオルガネラであるにもかかわらず、近年ミトコンドリアが様々な生体現象に関わることが理解され、その研究は現在もむしろ拡大の一途を辿っている。最近の研究から、ミトコンドリアが細胞内エネルギープラントであると同時に、多様なシグナル伝達の足場や、オルガネラネットワークのハブとしても機能する“千の顔を持つオルガネラ”であることがわかってきた。さらに、その特殊な遺伝様式(母性遺伝)や多様な神経変性疾患への関与など、個体レベルでのミトコンドリアの特性の理解も新たなステージを迎えつつある。 そこでこのシンポジウムでは、ミトコンドリアの分解・活性測定・健常性維持などの分野で活躍する若手研究者や、独自かつ先端的な視点からミトコンドリアの新たな機能に到達した気鋭の研究者に最新の知見を紹介していただき、深化し続けるミトコンドリアワールドを俯瞰する契機としたい。

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1S07p
9月11日(水) 13:50-16:20
第7会場(313+314)
タイトル 使える!マイクロデバイス
オーガナイザー 野地 博行(東京大学)、竹内 昌治(東京大学)
講演者 野地 博行(東京大学)、竹内 昌治(東京大学)、若本 祐一(東京大学)、鈴木 宏明(大阪大学)、船津 高志(東京大学)、関 実(千葉大学)
概要 BioMEMSもしくはLab-on-a-chipと呼ばれる研究分野は、微細加工技術を駆使して微量な溶液を操作・分析する集積システムを実現することを目的としている。反応の微小化と集積化によって、微量試料の検査やそのハイスループット化、さらには計測の超高感度化などが可能となる。1990年代にこの分野が大きく注目されるようになって約20年たつ。当初の応用例はDNAチップやキャピラリー電気泳動など限られたものであったが、最近では次世代DNAシークエーンシング技術に採用されるなどバイオ分析の様々な場面で利用されるようになっている。また、デバイス開発の方法論も確立しつつあり、デバイス開発の研究者と生化学者の共同研究だけではなく、生化学者自身がデバイス開発に直接取り組む例もみられるようになった。このような状況を踏まえ、本シンポジウムは、生化学研究に活用できるユニークなデバイス開発とその応用例を紹介したい。

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1S08p
9月11日(水) 13:50-16:20
第8会場(315)
タイトル 脂肪滴研究の新たな展開:その多彩な機能と疾患
オーガナイザー 藤本 豊士(名古屋大学)、大隅 隆(兵庫県立大学)
講演者 小林 俊秀(理化学研究所)、平林 義雄(理化学研究所)、秋山 真志(名古屋大学)、大 雄樹(名古屋大学)、倉元 謙太(兵庫県立大学)
概要 脂肪滴はかつて過剰な脂質を貯蔵する静的な構造と考えられていたが、ここ約10年の研究により、状況は一変した。今や脂肪滴は、脂質代謝にとどまらず、シグナル伝達、蛋白質の貯蔵と分解、オートファジーなど多様な機能に関連する動的なオルガネラとして再認識されている。また数多くの分子が脂肪滴に局在することが見出され、種々の細胞現象との関わりが明らかになるとともに、様々な疾患との関連も注目を集めつつある。しかし一方では脂肪滴の形成メカニズムや脂肪滴と他のオルガネラの相互作用機序など不明な点も多く残されている。今回のシンポジウムでは脂肪滴の細胞生物学的な性質の解明に取り組んでいる研究者だけでなく、病態と脂肪滴の関わりを追究している研究者も演者として招聘する。異なる切り口でアプローチしている研究者が議論することにより、脂肪滴研究のさらなる展開の方向性を探りたい。

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1S09p
9月11日(水) 13:50-16:20
第9会場(411+412)
タイトル 生体金属が関与する細胞内クロストークの新展開
オーガナイザー 石森 浩一郎(北海道大学)、佐上 郁子(京都府立大学)
講演者 竹谷 茂(京都工芸繊維大学)、五十嵐 城太郎(福島県立医科大学)、内田 毅(北海道大学)、依田 芳卓(高輝度光科学研究センター)、古山 和道(東北大学)、武田 有紀子(京都大学)、安井 裕之(京都薬科大学)、佐上 郁子(京都府立大学)
概要 生体内には10種類以上の金属イオンが存在しており,骨成分や細胞内電解質として大量に存在するアルカリ金属,アルカリ土類金属以外にも鉄,銅,亜鉛,コバルトといった金属イオンが蛋白質の活性中心形成や構造因子として重要な機能を果たしている.特に近年,これら金属イオンやその化合物が生体内での種々の重要なシグナルカスケードに関与しており,細胞内の蛋白質間,さらには器官,組織間の情報伝達機構においてその金属イオンの特性が巧妙に反映された特異的なクロストークを実現していることが明らかになってきた.本シンポジウムでは,このような生体金属が関与する細胞内の種々のクロストークと,それによって制御される生物学的イベントについて,その関連蛋白質から組織,個体に至る多様なレベルでの静的あるいは動的解析,さらにはその異常による病態までのさまざまな視点から研究を進めている研究者による最新の成果を検討することで,その全貌と今後の展開を概観することを試みる.

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1S12p
9月11日(水) 13:50-16:20
第12会場(416+417)
タイトル 神経難病へのゲノム・生化学的アプローチ
オーガナイザー 石田 直理雄(産業技術総合研究所)、辻 省次(東京大学)
講演者 石田 直理雄(産業技術総合研究所)、辻 省次(東京大学)、有賀 寛芳(北海道大学)、逆瀬川 裕二(東北大学)、山口 祐(Sanford-Burnham Med. Res. Inst., USA)
概要 神経難病と呼ばれる病気の原因は、そのほとんどが遺伝的に規定された神経変性疾患、もしくは脳の老化にその本質がある。しかしながらその本質が理解されてなお、部位的にも遺伝子治療アプローチの最も難しい領域であり、それらの根本的治療法は道半ばである。本シンポジウムでは、神経難病の中でも、パーキンソン病、ゴーシェ病、プリオン病、自閉症等の疾患に注目し、その原因遺伝子から異常蛋白の発現までの生化学的アプローチに焦点をあてる。具体的には神経変性疾患の大規模ゲノム解析、ヒトゴーシェ病モデルショウジョウバエと小胞体ストレス、パーキンソン病原因遺伝子産物DJ−1と酸化ストレス、プリオン蛋白の病理生化学、ヘパラン硫酸欠失自閉症モデルマウスのゲノム・生化学的解析等を取り上げたい。これら多様な神経難病の現状の分子論を解説していただく中から、病気の多様性と老化の一様性について議論を深める。

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1S15p
9月11日(水) 13:50-16:20
第15会場(501)
タイトル フォークヘッドワールド:フォークヘッド因子の機能と制御
オーガナイザー 深水 昭吉(筑波大学)、本山 昇(国立長寿医療研究センター)
講演者 仲 一仁(金沢大学)、中江 淳(慶應義塾大学)、大倉 永也(大阪大学)、三浦 直行(浜松医科大学)、本山 昇(国立長寿医療研究センター)、大徳 浩照(筑波大学)
概要 フォークヘッド遺伝子は、酵母や線虫、ショウジョウバエから哺乳類まで保存されているドメインを持つタンパク質をコードしている。ファミリー遺伝子間のフォークヘッドドメインの相同性から、2000年にはForkhead boxを略してFoxと統一的に命名され、A〜Qまで17のサブグループに分類されている。最近までの研究で、発生、分化、幹細胞機能や代謝調節など、Foxファミリーは多彩な役割を果たしていることが明らかになってきた。さらに、Foxタンパク質に作用し、その機能を制御する修飾酵素や結合因子も同定されてきており、医学・生物学的な世界観が広がりつつある。そこで、本シンポジウムは、フォークヘッド因子の機能と制御について、多様なネットワーク調節も含めて議論したい。

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1S16p
9月11日(水) 13:50-16:20
第16会場(502)
タイトル 細胞運命決定のシグナル伝達
オーガナイザー 後藤 由季子(東京大学)、武川 睦寛 (東京大学)
講演者 吉田 秀郎(兵庫県立大学)、谷口 維紹(東京大学)、三浦 正幸(東京大学)、武川 睦寛 (東京大学)、西頭 英起(宮崎大学)、岡崎 朋彦(東京大学)
概要 細胞は、外界からの様々な刺激に応じて的確に運命を決定する。例えばDNA損傷や変性タンパク質の蓄積などに対するストレス応答においては、損傷を修復して生存を図る場合と、ダメージを受けた細胞に死を誘導して排除する場合とが使い分けられている。ウイルスやバクテリア感染に対する防御応答も同様であり、細胞の置かれた状況によって様々な細胞応答が惹起される。このような的確な細胞応答を制御するシグナル伝達は、個体全体のホメオスタシスに必須であり、その異常は様々な疾患の原因となることが明らかにされている。本シンポジウムでは、細胞運命を決定するシグナル伝達システムとその制御機構に関して、最先端の研究を展開されている方々に話題をご提供いただき、議論をお願いしたい。

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1S17p
9月11日(水) 13:50-16:20
第17会場(503)
タイトル 多様な細胞死を起点とする生体制御ネットワーク
オーガナイザー 清水 重臣(東京医科歯科大学)、中野 裕康(順天堂大学)
講演者 清水 重臣(東京医科歯科大学)、中野 裕康(順天堂大学)、山崎 晶(九州大学)、山口 良文(東京大学)、須田 貴司(金沢大学)、田中 稔(東京大学)、田中 正人(東京薬科大学)
概要 発生や老化の過程で不要となった細胞や生体にとって有害な細胞は、細胞死により排除される。これまで、死細胞は単に捨て去られる存在であると考えられてきた。ところが近年、細胞死が誘導された後の死細胞それ自身が周囲の細胞や組織に多様なシグナルを発信し、様々な生体応答を引き起こすことが分かってきた。一方、死細胞の様態・性質が多様であることも近年分かってきた。即ち、これまで多くの細胞死がアポトーシスによるものと考えられてきたが、計画的ネクローシスやオートファジー細胞死などの非アポトーシス細胞死も、様々な生理的・病理的場面に関与している可能性が示されている。本シンポジウムでは、このような多様な死細胞がどのように生体ネットワークの制御に関わっているかを議論する。

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第2日目(9月12日(木))


2S01a
9月12日(木) 9:00-11:30
第1会場(メインホール)
タイトル 次世代シグナル伝達研究への展開
オーガナイザー 徳永 文稔(群馬大学)、井上 純一郎(東京大学)
講演者 井上 純一郎(東京大学)、市川 一寿(東京大学)、木下 英司(広島大学)、尾山 大明(東京大学)、澤崎 達也(愛媛大学)、徳永 文稔(群馬大学)、石谷 隆一郎(東京大学)
概要 リン酸化、ユビキチン化などタンパク質の翻訳後修飾は、細胞内シグナル伝達の時空間特異的制御に極めて重要な役割を司る。これまでのシグナル伝達研究は、主に分子細胞生物学的技法によって標的分子の刺激に伴う細胞内動態を解析してきたが、次世代のシグナル伝達研究では新規アプローチを用いた動的かつ網羅的な反応機構解析が必須である。本シンポジウムでは、炎症・免疫制御に重要なNF-κB経路の翻訳後修飾を基盤としたシグナル伝達機構を中心に、リン酸化タンパク質の網羅的同定や無細胞タンパク質発現系を用いたプロテオミクス解析、構造生物学による分子間相互作用の解明、数理生物学を用いた動的シミュレーションなど、最先端解析法を用いたシグナル伝達研究の新展開について討論したい。

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2S03a
9月12日(木) 9:00-11:30
第3会場(302)
タイトル 糖鎖の一生を探る:合成、輸送、代謝とその調節機構
オーガナイザー 鈴木 匡(理化学研究所)、藤田 盛久(大阪大学)
講演者 伊左治 知弥(東北薬科大学)、石水 毅(立命館大学)、野田 陽一(東京大学)、平山 弘人(理化学研究所)、山地 俊之(国立感染症研究所)、藤田 盛久(大阪大学)
概要 細胞表面の糖鎖は細胞を識別する“顔”として知られており、その構造は発生段階や環境に反応して敏感に変化することが知られている。そのため、糖鎖関連抗原はiPSやES細胞といった幹細胞の識別に用いられるほか、がんの診断、検出のバイオマーカーとしての利用価値も広く認識されている。糖鎖構造の変化の分子機構を理解するにあたって、哺乳動物ではその生合成過程や合成に関わる糖転移酵素の多くが明らかにされてきた。しかしながら糖鎖構造は実際にはそれらの輸送、分解過程によっても制御される他、その合成、プロセスに関わる酵素の局在や安定性を制御することによっても変化させ得るが、我々はその分子機構の多くを知らない。本シンポジウムでは、糖鎖の一生-その合成、輸送と分解-についてユニークな研究を行う新進気鋭の研究者に、それらの新規な分子機構や調節のメカニズムについて最新の知見を紹介いただく。

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2S04a
9月12日(木) 9:00-11:30
第4会場(303)
タイトル 細胞が持つリサイクルシステム研究の新展開
オーガナイザー 福田 光則(東北大学)、田口 友彦(東京大学)
講演者 福田 光則(東北大学)、申 惠媛(京都大学)、橋本 茂(北海道大学)、松田 信爾(慶應義塾大学)、檜枝 美紀(大阪大学)、大谷 哲久(理化学研究所)
概要 細胞の恒常性を維持するため、細胞内では絶えず様々な物質が合成されると共に、不要となった物質が分解されている。このような合成と分解の繰り返しに加えて、細胞には既存の物質を再利用(リサイクル)する物流システムが備わっている。このエコシステムの中心を担うのがリサイクリングエンドソームと呼ばれるオルガネラである。近年、このリサイクリングエンドソームが多細胞生物の機能に欠かせない神経細胞の分化及び機能発現、上皮細胞の極性形成、細胞運動などにも関与することが明らかになってきた。すなわち、リサイクリングエンドソームは単なる既存の物質のre-useに留まらず、物質の再分配により細胞や組織を再構築し、高次の生体機能を実現するシステムとしての性質も備えている。本シンポジウムでは、最近新たに見出された細胞内リサイクルシステムの分子基盤や生理機能に焦点を当て、一線で活躍する若手研究者に最新の話題を提供して頂く。

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2S05a
9月12日(木) 9:00-11:30
第5会場(304)
タイトル 拡大するユビキチンネオバイオロジーの可能性
オーガナイザー 畠山 鎮次(北海道大学)、嘉村 巧(名古屋大学)
講演者 畠山 鎮次(北海道大学)、中山 敬一(九州大学)、中務 邦雄(名古屋大学)、佐伯 泰(東京都医学総合研究所)、佐々木 義輝(京都大学)、太田 智彦(聖マリアンナ医科大学)、Anne Bertolotti(MRC-LMB, UK)、村田 茂穂(東京大学)
概要 ユビキチンは真核生物に存在する小分子量のタンパク質であり、基質タンパク質に共有結合することで機能を発揮する翻訳後修飾メディエーターである。ユビキチン修飾は、プロテアソームによるタンパク質分解の標識として機能するだけでなく、分解機能とは異なるシグナル伝達、DNA修復、膜ダイナミクスなどにおいても重要な機能を有することが判明してきた。また、生化学的にも、ユビキチンが基質タンパク質に結合した後のユビキチン鎖形成過程においても多様性があることが明らかになってきた。そして、標的タンパク質に形成されるユビキチン鎖の構造的多様性(M1鎖、K11鎖、K48鎖、K63鎖など)が、さまざまな機能多様性にもリンクすることが知られてきた。また、ユビキチン以外にもSUMO、Nedd8、ISG15などのユビキチン様タンパク質の存在とその基質認識メカニズムも報告されている。本シンポジウムでは、ユビキチン修飾の多様性がもたらす生命機能や疾患の理解に関する新しい展開について、最先端のトピックスを取り上げ議論したい。

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2S07a
9月12日(木) 9:00-11:30
第7会場(313+314)
タイトル 膜蛋白質の分子機構と創薬
オーガナイザー 濡木 理(東京大学)、岩田 想(京都大学)
講演者 岩田 想(京都大学)、濡木 理(東京大学)、横山 茂之(理化学研究所)、小林 拓也(京都大学)、村田 武士(千葉大学)、服部 素之(東京大学)
概要 膜蛋白質の構造が、可溶性蛋白質の構造に比べ、30年遅れではあるが急速に解析されつつある。そもそも薬剤ターゲットの半分近くは、GPCRなどの受容体や、チャネル、トランスポーターである。本シンポジウムでは、最先端の技術を用いて明らかになりつつある膜蛋白質の分子機構と、それに基づく創薬の可能性に迫ってみたい。

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2S08a
9月12日(木) 9:00-11:30
第8会場(315)
タイトル 染色体ストレス応答ネットワーク研究の新機軸
オーガナイザー 井倉 毅(京都大学)、胡桃坂 仁志(早稲田大学)
講演者 町田 晋一(早稲田大学)、田代 聡(広島大学)、木村 宏(大阪大学)、伊藤 敬(長崎大学)、井倉 毅(京都大学)、菅澤 薫(神戸大学)
概要 転写、修復、組換え、複製といったDNA代謝に関わる因子は、クロマチンやクロマチン制御因子と相互作用しながら、クロマチン制御ネットワークを形成し、染色体上で機能している。未分化から分化あるいはゲノムストレスによるがん細胞への変換など、様々な形態の細胞における染色体構造は、その時々にダイナミックに変化している。そしてその染色体の変化は、細胞の恒常性を維持するために実に巧妙に制御されている。ヒストンの化学修飾やDNAのメチル化、およびヒストンバリアントのアセンブリー・ディスアセンブリーなどを司るエピジェネティクス制御因子は、染色体変化の主たる要因である。それらに加えて、染色体を取り囲む核内構造、ストレス環境で変動するエネルギー代謝制御因子などとDNA代謝を制御する因子との相互作用は、ダイナミックに変化する染色体へ対応しその恒常性維持に貢献していることがしだいに明らかにされてきた。本シンポジウムでは、これまで個々に発展してきた様々なストレス応答研究をクロマチン制御の視点から捉え直し、染色体ストレス応答ネットワークとしてより包括的に議論し、新たなパラダイム構築を図りたい。

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2S09a
9月12日(木) 9:00-11:30
第9会場(411+412)
タイトル 多様なアプローチから解明が進む植物シグナル伝達研究
オーガナイザー 梅澤 泰史(東京農工大学)、平山 隆志(岡山大学)
講演者 近藤 侑貴(東京大学)、朽津 和幸(東京理科大学)、澤 進一郎(熊本大学)、宇賀 優作(農業生物資源研究所)、梅澤 泰史(東京農工大学)
概要 植物は、光合成による物質生産や形態形成、植物ホルモン、環境応答など独自の生命システムを構築しており、それぞれに対応した細胞内シグナル伝達系が存在する。近年、植物のシグナル伝達系は急速に解明が進みつつあり、その研究手法にも多様化が見られるようになった。トランスクリプトームやプロテオーム、QTL解析などの様々なアプローチを駆使した研究が盛んに行われ、植物ホルモンやペプチドホルモン、活性酸素、環境応答などのシグナル伝達系が明らかになってきている。本シンポジウムでは、5名の講演者にこの分野における最新の研究成果をご紹介いただくとともに、今後の植物シグナル伝達研究についてもヒントが得られるような場になることを期待する。

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2S16a
9月12日(木) 9:00-11:30
第16会場(502)
タイトル 内分泌型FGF familyによる代謝制御の分子基盤
オーガナイザー 佐藤 隆一郎(東京大学)、今村 亨(産業技術総合研究所)
講演者 伊藤 信行(京都大学)、今村 亨(産業技術総合研究所)、清水 誠(東京大学)、中川 嘉(筑波大学)、浦川 到(協和発酵キリン株式会社)
概要 ヒトでは22種類からなるFGF familyのうち、FGF19, FGF21, FGF23は合成臓器から分泌された後に、標的臓器へと血液を介して運ばれ、それぞれを認識する受容体を介して作用するホルモン様分子と考えられている。それぞれ、小腸、肝臓、骨において、核内受容体FXR, PPARa, VDRの応答遺伝子などとして発現制御され、標的臓器でFGF受容体とbKlotho/Klothoの形成するヘテロ2量体型複合体により受容されると考えられる。糖代謝、脂質代謝、エネルギー代謝、骨代謝など広範な生命現象の調節に関わる因子として、内分泌型FGF familyの重要性を示す知見は増すばかりである。本シンポジウムでは、これらfamilyの機能、発現制御、受容体認識機構について最新の知見を紹介いただき、内分泌型FGFによる代謝制御の分子機構の理解を深めることを目的とする。

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2S17a
9月12日(木) 9:00-11:30
第17会場(503)
タイトル がんの代謝システム制御機構
オーガナイザー 末松 誠(慶應義塾大学)、曽我 朋義 (慶應義塾大学)
講演者 曽我 朋義(慶應義塾大学)、本田 一文(国立がん研究センター)、江角 浩安(国立がん研究センター)、末松 誠(慶應義塾大学)
概要 がんは酸素供給状態でも嫌気的解糖を活性化してATPを維持するWarburg効果を示すだけでなく、低血糖状態ではglutaminolysisを使ってエネルギーや核酸合成を維持することが現象的に知られている。また多くのがんが抗酸化代謝系を巧みに利用して生存することや薬物耐性を発揮することも明らかにされてきた。本シンポジウムでは代謝の系統的探索技術を駆使して明らかにされつつあるがんの代謝システム特性を紹介するとともに創薬に繋がる研究展開の最新知見を紹介することをねらいとする。

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2S01p
9月12日(木) 13:50-16:20
第1会場(メインホール)
タイトル レドックスニッチの形成・解読機構とシグナリング
オーガナイザー 一條 秀憲(東京大学)、森 泰生(京都大学)
講演者 赤池 孝章(熊本大学)、井垣 達吏(神戸大学)、七田 崇(慶應義塾大学)、一條 秀憲(東京大学)、森 泰生(京都大学)
概要 近年、活性酸素種や親電子分子種、システインを含む抗酸化分子などのレドックス活性種が、様々な細胞機能や病態を制御するシグナルメディエーターとして機能することが明らかとなってきた。レドックス活性種は、多様性に富み、空間到達性や標的分子との結合安定性を兼ね備えている。これらのユニークな性質によって、刺激依存的な標的分子への化学修飾を介して、多彩な生理機能の誘導を可能とするような、生体・細胞内での様々な「場」を与えることができる。我々は、このようなレドックス活性種が及ぼす生体・細胞内における「場」を「レドックスニッチ」と呼ぶ。本シンポジウムでは、現在のレドックスシグナル研究をリードする研究者を招き、高次生命機能の制御におけるレドックスニッチの役割に関する最新の研究成果について発表していただく。

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2S02p
9月12日(木) 13:50-16:20
第2会場(301)
タイトル 酸性リン脂質研究の最前線
オーガナイザー 鈴木 聡(九州大学)、佐々木 雄彦(秋田大学)
講演者 岡村 康司(大阪大学)、深見 希代子(東京薬科大学)、田口 友彦(東京大学)、辻田 和也(神戸大学)、華山 力成(大阪大学)、佐々木 雄彦(秋田大学)
概要 酸性リン脂質によるタンパク質の局在や活性の制御は、真核細胞の形質膜や細胞内小器官膜で広く認められ、細胞の形態、小胞輸送を制御し増殖、生存、細胞死等の応答に関与している。生体レベルでの生理機能や疾患との関わりについても解明されている例としてホスファチジルイノシトール3,4,5−三リン酸(PIP3)についていえば、PIP3は原がん遺伝子産物であるAktを形質膜にリクルートして活性化する酸性リン脂質であり、様々なタイプのがんにおいて、PIP3生成酵素PI3Kの機能獲得型変異や分解酵素PTENの機能喪失型変異が見出されている。最近の研究で、PIP3以外の酸性リン脂質についても、その結合タンパク質や代謝酵素が新たに同定され、機能解明が進んでいる。本シンポジウムでは、電位感受性ホスホイノシタイドホスファターゼ、ホスホイノシタイド/ホスファチジルセリン結合タンパク質、ホスホリパーゼC、ホスファチジルグリセロール生成酵素などについて、試験管レベルからモデル生物レベルの解析で得られた知見のプレゼンテーションを通じて、多角的に展開される酸性リン脂質研究の最前線を紹介する。

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2S03p
9月12日(木) 13:50-16:20
第3会場(302)
タイトル 構造の多様性をベースとした糖鎖機能の俯瞰的解読
オーガナイザー 古川 清(長岡技術科学大学)、井ノ口 仁一(東北薬科大学)
講演者 古川 清(長岡技術科学大学)、伊藤 幸成(理化学研究所)、本家 孝一(高知大学)、稲森 啓一郎(東北薬科大学)、青木 一弘(ジョージア大学)、井ノ口 仁一(東京薬科大学)
概要 糖転移酵素遺伝子のクローニング、それに引き続く遺伝子をノックアウトしたマウスの作製と表現型の解析は、タンパク質や脂質に結合した糖鎖に予想もしていなかった重要な機能が刻まれていることを明らかにしてきた。しかしながら、生体では多種のタンパク質や多様な脂質(鎖長が異なるなど)に糖鎖が結合していること、さらにこれらの複合糖質の糖鎖には構造多様性(ミクロ不均一性)、臓器特異性や種特異性などが存在することから、糖鎖が働いている分子メカニズムを解明し、生命現象を統合的に理解するには未だ道が遠いのが現状である。  本シンポジウムでは上記の問題を解決すべく、糖鎖の特性や糖鎖が結合している分子の複雑性を深く考慮し、固有の実験系を駆使しながら糖鎖の機能を俯瞰的に捉えようと試みている研究に眼を向け、次世代へ糖鎖研究の視点、角度、視野といった方法論の重要性を伝えることをミッションとする。また一般/ポスター発表の中から本シンポジウムに合致する演題を取込み、糖鎖機能解明の方法論の是非などもフロアーと共に討論したい。

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2S04p
9月12日(木) 13:50-16:20
第4会場(303)
タイトル 発生・再生を支える多細胞動態と力学特性
オーガナイザー 豊島 文子(京都大学)、倉永 英里奈(理化学研究所)
講演者 遠山 祐典(National University of Singapore, Singapore)、林 茂生(理化学研究所)、松野 健治(大阪大学)、倉永 英里奈(理化学研究所)、上野 直人(基礎生物学研究所)、永樂 元次(理化学研究所)
概要 多細胞生物の発生や再生の過程において、組織の折りたたみや変形はからだの複雑な構造を作り上げるきっかけとなる。特に上皮組織では、個々の細胞が時空間的に細胞極性、細胞骨格・形状を変化させて、安定な平衡状態から変形を誘導する非平衡状態へと物性を推移させることで、細胞平面上に極性のある「力」を発生する。このダイナミクスを理解するためには、まず組織を織り成す細胞個々の動きへと回帰し、その上で個々の動きがどのようにして組織へ還元されるのかを知る必要がある。本シンポジウムでは、さまざまな生物・器官の形態形成とそれを成し遂げる細胞動態や力学特性に関して、個体・組織レベルでアプローチする挑戦的かつ先駆的な研究内容を紹介する。同分野をリードする6名の研究者の発表によって、ユニークな観察、計測、解析技術に触れ、分子―細胞―組織の階層を物性でつなぐ次世代の研究分野の進展を楽しんで頂きたい。

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2S05p
9月12日(木) 13:50-16:20
第5会場(304)
タイトル 非常識なプロテアーゼ反応:膜内部でのタンパク質切断
オーガナイザー 富田 泰輔(東京大学)、秋山 芳展(京都大学)
講演者 関根 史織(東京大学)、今泉 和則(広島大学)、大河内 正康(大阪大学)、松浦 善治(大阪大学)、秋山 芳展(京都大学)、富田 泰輔(東京大学)
概要 プロテアーゼは、ペプチド鎖を加水分解する酵素である。近年、疎水性環境に存在する膜貫通領域を基質とする「膜内配列切断」プロテアーゼ(Intramembrane cleaving proteases; I-CLiPs)ファミリーが同定された。I-CLiPsはいずれも複数回膜貫通タンパクであり、一時配列上、既知のプロテアーゼと相同性はほとんどないが、驚くべきことに、活性中心部位の立体構造は高度に保存されている。この活性中心部位が脂質二重膜内に存在する親水性キャビティもしくはポア構造に面することで、一見起こり得ない、「疎水性環境のペプチド鎖の加水分解」を可能としている。分子遺伝学的解析から、I-CLiPsは様々な膜結合型分子を基質とし、膜を越えたシグナル伝達等に関わることで、生物学的に不可欠な役割を担っていることや、その切断活性の異常は様々な疾病発症メカニズムと関連することが示されている。本シンポジウムにおいては、この新奇プロテアーゼ反応に関連した最近の知見について、議論したい。

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2S07p
9月12日(木) 13:50-16:20
第7会場(313+314)
タイトル 電子と生命、そしてバイオテクノロジー
オーガナイザー 野尻 正樹(大阪大学)、平 大輔(崇城大学)
講演者 神谷 信夫(大阪市立大学)、平 大輔(崇城大学)、石森 浩一郎(北海道大学)、冨塚 江利子(東京大学)、井上 謙吾(宮崎大学)、高妻 篤史(東京薬科大学)
概要 私たちが身体を維持し、それを働かせるにはエネルギーがいる。動物、植物、さらにバクテリア(細菌)も生きるための活動を行うには、ひとときもエネルギーの供給を欠かすことができない。そういった生体エネルギー変換機構の本質は生体内で繰り広げられるバラエティーに富んだ電子伝達(移動)のネットワークにある。1992年ノーベル化学賞の電子移動理論を皮切りに、近年の目覚ましい科学技術の進歩によって、生体中の電子伝達機構の本質に迫る様々な研究報告例があとを絶たない。  そこで本シンポジウムでは、生体中の“電子の流れ”をキーワードに、蛋白質分子内部(光化学系、嫌気的アンモニア酸化系)、蛋白質―蛋白質分子間(酸素呼吸系)、細胞内(がん細胞でのフマル酸呼吸系)、そして細胞外(電流生成菌や電気共生菌など)にまでおよぶ様々な電子伝達反応について6名の先生に御講演いただき、さらには各研究成果をベースにしたバイオテクノロジー(人工光合成、水質改善、創薬、燃料電池、発電など)まで含め、元来、“超効率的”と言われる生体エネルギー変換システムがどのように社会に役立てることが出来るかを、もう一度考えてみたい。

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2S08p
9月12日(木) 13:50-16:20
第8会場(315)
タイトル ミクロなクロマチン研究で解くマクロなエピジェネティクス研究
オーガナイザー 束田 裕一(九州大学)、大川 恭行(九州大学)
講演者 胡桃坂 仁志(早稲田大学)、渡邊 慎也(マサチューセッツ大学)、中山 潤一(名古屋市立大学)、小布施 力史(北海道大学)、束田 裕一(九州大学)、大川 恭行(九州大学)、Bing Ren(カリフォルニア大学)
概要 エピジェネティクス研究は、様々な生命科学分野に広がりを見せ、急速に発展している研究分野である。その研究は、ヒストンをはじめとするクロマチン構成因子やその修飾酵素などのクロマチンダイナミクスや遺伝子発現への影響を調べる“ミクロな”クロマチン研究により牽引されてきたが、エピゲノム解析やゲノム空間配置解析に代表されるゲノム全体を俯瞰する“マクロな”アプローチによる研究へと展開している。本シンポジウムでは、クロマチン研究に立脚したエピジェネティクス研究を進めている気鋭の若手研究者により、近年のエピジェネティクス研究の展開を踏襲する構成とすることで、クロマチン研究からの視点でエピジェネティクスに迫りたい。  「クロマチン研究とエピジェネティクス研究の違いは?」、「クロマチンダイナミクスとエピジェネティクスによる生命現象制御の違いは?」、などクロマチン研究とエピジェネティクス研究について理解を深める機会を提供したい。

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2S12p
9月12日(木) 13:50-16:20
第12会場(416+417)
タイトル D-アミノ酸研究の新展開
オーガナイザー 本間 浩(北里大学)、藤井 紀子(京都大学)
講演者 三次 百合香(九州大学)、伊藤 智和 (名古屋大学)、片根 真澄(北里大学)、田中 裕之(滋賀医科大学)、老川 典夫(関西大学)、宍戸 裕二(徳島大学)、石渡 小百合(東京医科歯科大学)、安岐 健三(京都大学)
概要 従来、D−アミノ酸は生体には無縁なものと考えられてきたが、現在では広く生体内に存在することが明らかとなっている。遊離型のD−セリンは、NMDA受容体のcoagonistとしての機能をはじめ、さまざまな神経活動に重要な役割を果たしており、最近では統合失調症との関係も注目されている。また、内分泌物質の産生調節に関わる遊離D−アスパラギン酸、水棲動物の浸透圧調節に関与するD−アラニン等の研究のほか、最近では進化上で下等な生物においても重要な生理機能を果たすD−アミノ酸が報告されている。さらに、立体特異的な代謝関連酵素の研究も進展し、生命活動における遊離D−アミノ酸バイオシステムの全容が解明されつつある。一方、老化組織のタンパク質中にはD−アスパラギン酸残基が蓄積しており、そのためタンパク質の異常凝集を引き起こし加齢性疾患の原因になると言われている。本シンポジウムでは、D−アミノ酸研究の最新の研究成果を発表していただき、生化学会員の方々にご紹介したい。

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2S15p
9月12日(木) 13:50-16:20
第15会場(501)
タイトル 脳神経回路の可塑性の生化学研究:分子メカニズムから疾患まで
オーガナイザー 榎本 和生(大阪バイオサイエンス研究所)、門松 健治(名古屋大学)
講演者 渡邉 大(京都大学)、山下 俊英(大阪大学)、岩坪 威(東京大学)、門松 健治(名古屋大学)、金森 崇浩(大阪バイオサイエンス研究所)
概要 脳神経ネットワークが個体にとって真に機能的である為には、遺伝情報に基づくハードワイアリングだけでは不十分であり、個体ごとに異なる外部環境に対応しその経験を情報として回路を再編する可塑性が重要となる。この神経可塑性の分子基盤として、タンパク質分解や糖脂質代謝などの生化学反応の重要性が指摘されていたが、個体レベルにおける作動原理は長らく不明だった。近年、神経構造・機能のin vivoイメージングが可能となり、モデル生物を用いた分子遺伝学的研究と組み合わせることにより、神経可塑性における生化学反応の時空間的理解が急速に発展し、あわせて神経疾患との関連も明らかになりつつある。本シンポジウムでは、遺伝子発現、分子機能、シナプス形成、神経突起パターン形成など様々な階層における神経可塑性の生化学的制御機構、さらには疾患との関連について最新の成果を発表して頂き、ニューロンが遺伝情報と細胞外情報を統合して機能的ネットワークを構築・維持する基本原理について討議したい。

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2S17p
9月12日(木) 13:50-16:20
第17会場(503)
タイトル がんと免疫の蛍光イメージング最前線
オーガナイザー 今村 健志(愛媛大学)、松田 道行(京都大学)
講演者 岡田 峰陽(理化学研究所)、阪上(沢野) 朝子(理化学研究所)、神谷 真子(東京大学)、天滿 敬(京都大学)、大嶋 佑介(愛媛大学)
概要 近年、培養細胞を用いた生化学・分子生物学的実験や固定組織を用いた組織学的実験の限界が明らかになりつつある。蛍光イメージング技術はin vitro実験で発達し、さまざまな応用がなされているが、最近では、この蛍光イメージング技術をin vivoでの複雑な生物学の研究に活用する流れが生まれてきた。本シンポジウムでは、独自の革新的技術を駆使したin vivoイメージング研究をおこない、当該分野で注目されている研究者を招待し、最先端の研究成果を発表して頂き、特にがんと免疫研究における蛍光イメージングの技術開発から臨床応用まで議論したい。

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第3日目(9月13日(金))


3S02a
9月13日(金) 8:30-11:00
第2会場(301)
タイトル 生体膜の動態から見える新たな膜生物学
オーガナイザー 伊藤 俊樹(神戸大学)、滝口 金吾(名古屋大学)
講演者 由井 宏治(東京理科大学)、鈴木 淳(京都大学)、市川 正敏(京都大学)、濱田 勉(北陸先端科学技術大学院大学)、湊元 幹太(三重大学)、二木 史朗(京都大学)
概要 生体膜は極性分子の自由拡散に対する障壁であり、エネルギー保存則に基づく生命システムの恒常性の創出と維持にとって本質的な役割を担っている。細胞内情報伝達、小胞輸送、形態形成など、生命科学の広範な研究領域において生体膜の重要性が認知されているものの、多数の脂質分子とタンパク質の集合体である膜の物性を、より厳密に考慮したアプローチはほとんど為されていない。生体膜の挙動は、脂質どうし、あるいは脂質とタンパク質との分子間相互作用に起因する流動性や弾性、さらに脂質分子の非対称性分布、膜タンパク質の配向性や、膜透過・変形ペプチドによる作用など、多数のパラメータによって決定される。本シンポジウムでは、生体膜を規定するこれらの要素に関する最先端の研究者を招聘し、実際の生体膜環境を正確に再構成することで見えてくる、新しい「membrane biology」の描像を模索する。

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3S03a
9月13日(金) 8:30-11:00
第3会場(302)
タイトル 糖鎖フィールド:糖鎖がシグナル伝達を制御する原理
オーガナイザー 遠藤 玉夫(東京都健康長寿医療センター研究所)、北島 健(名古屋大学)
講演者 北島 健(名古屋大学)、西原 祥子(創価大学)、遠藤 玉夫(東京都健康長寿医療センター研究所)、顧 建国(東北薬科大学)、古川 鋼一(名古屋大学)、栂谷内 晶(産業技術総合研究所)
概要 細胞膜表面を覆うタンパク質、プロテオグリカン、脂質の糖鎖は、細胞の種類を特徴付ける糖鎖構造ユニットをもち、レクチンなどそれを認識する分子と協働して細胞シグナル伝達そして細胞機能を制御している。その糖鎖ユニットはしばしば枝分れや繰返し構造を足場として三次元的に、あるいは糖脂質糖鎖として二次元的に展開されるため、細胞表面糖鎖は高頻度で自由度の高い多様な存在状態にあるため、単純な作用点というより作用場(糖鎖フィールド)として捉えることができる。本シンポジウムでは、細胞表面糖鎖を糖鎖フィールドとして捉えることで見えてきた新しい細胞機能調節機構に焦点をあてて、糖鎖フィールドが生命現象の仕組みを支える基本原理となる可能性を検証する。

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3S05a
9月13日(金) 8:30-11:00
第5会場(304)
タイトル タンパク質の品質管理と疾患
オーガナイザー 木村 洋子(東京都医学総合研究所)、垣塚 彰(京都大学)
講演者 田口 英樹(東京工業大学)、川原 裕之(首都大学東京)、藤田 尚志(京都大学)、長谷川 成人(東京都医学総合研究所)、藤澤 貴央(東京大学)、木村 洋子(東京都医学総合研究所)、垣塚 彰(京都大学)
概要 細胞内のタンパク質の品質管理は、分子シャペロンや分解系の分子を含む数多くのタンパク質によって行われている。これらの分子がバランスをとりながら翻訳、フォールディング、分解などのプロセスに働き、細胞内タンパク質のホメオスタシス「プロテオスタシス」を守っている。また、ストレスや感染などのプロテオスタシスを乱す緊急事態に対しては、既存のプロテオスタシスネットワークを増強するだけでなく、特異的なマシーナリーも用意してストレスに対応していることも明らかになってきた。タンパク質の品質管理がうまく働かなくなるとプロテオスタシスの破綻が起き、ミスフォールディングを許し、ストレスに対して脆弱になり、神経変性疾患などの障害を引き起こす。本シンポジウムでは、タンパク質の品質管理における興味深い話題を、基本的なフォールディングのマシーナリーからミスフォールディングによる疾患まで幅広く紹介し、その理解を深めたい。

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3S06a
9月13日(金) 8:30-11:00
第6会場(311+312)
タイトル 非定型カドヘリンの示す多様な世界
オーガナイザー 平野 伸二(高知大学)、鈴木 信太郎(関西学院大学)
講演者 八木 健(大阪大学)、林 周一(理化学研究所)、新田 昌輝(京都大学)、山形 要人(東京都医学総合研究所)、平野 伸二(高知大学)、鈴木 信太郎(関西学院大学)
概要 非定型カドヘリンが発見されて約20年がたち、最近やっとその機能が徐々に明らかにされるようになってきた.その結果、機能としてHippo シグナルや平面細胞極性(planar cell polarity), ニューロンの維持、シナプスの形成等々多岐にわたる過程に関わることが報告されるようになってきている.そこで、今回非定型カドヘリンに関するシンポジウムを開催して、非定型カドヘリンの示すクラッシックカドヘリンとは異なるこれらの新しい世界を紹介するとともに、併せて最近の研究の成果および今後の研究の展望を議論したい.この時点でこのシンポジウムを開催することは時期を得たものがあり、直接研究している研究者はもちろん関連する分野の研究者にも大変意義のあることであると考える.

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3S08a
9月13日(金) 8:30-11:00
第8会場(315)
タイトル BETファミリーを中心とするブロモドメインタンパク質の細胞機能制御
オーガナイザー 益見 厚子(国立感染症研究所)
講演者 西山 晃(横浜市立大学)、望月 和樹(山梨大学)、松尾 勲(大阪府立母子保健総合医療センター研究所)、梅原 崇史(理化学研究所)
概要 ヒトBETファミリーはBRD2, BRD3, BRD4とBRDTが知られており、クロマチンに結合する分子量約200kDaの普遍的に発現するタンパク質である。BETファミリータンパク質はクロマチンに結合する二つのbromodomainを持ち、これ以外の領域も他の分子との結合や機能に重要な役割を担っており、そのC末部分においてはウイルスゲノムと結合し、感染したウイルス増殖を促進または抑制する働きも持つ。さらに疾患との関連では頻度としては少ないが、Brd4はC末部分が染色体上でNUT (nuclear protein in testis)と融合することによって染色体転座をおこし、BRD4-NUT融合タンパク質を産生してmidline carcinomaを引き起こす。エピジェネティックな変異を伴う白血病ではBETのbromodomainの関与が重要であるなど白血病や炎症との関連も深く、BET阻害剤の開発も進んでいる。このようにクロマチン機能に関連した疾患や機能解析においてBETについての研究は欠かせない。そこでBETの特徴的な部分配列に結合する宿主因子の検索やその機能解析を中心に研究を進め、BETのクロマチンの制御機構とそれに伴う疾患の解明についての最新の情報を提供したい。尚、日本においてはBETの研究はそれほど進んでいないが、これまでの経緯を提供したい。

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3S09a
9月13日(金) 8:30-11:00
第9会場(411+412)
タイトル 多様な生物に学ぶユニークな酵素・代謝機能とその応用
オーガナイザー 高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)、小林 達彦(筑波大学)
講演者 栗原 達夫(京都大学)、邊見 久(名古屋大学)、阿部 文快(青山学院大学)、川本 進(千葉大学)、小林 達彦(筑波大学)、高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)
概要 多様な生物における酵素機能や代謝制御を深く理解し、高度に活用することはバイオサイエンスとバイオテクノロジーの両面で重要な課題である。一般に、生物は他の生物(動植物、微生物)や環境との相互作用・相互応答により初めて本来の機能を発揮し、様々な環境に適応している場合が多い。「生化学」をベースとした基礎・応用研究を大きく発展させるためには、生物の全てのドメイン(アーキア・真正細菌・真核生物)を対象とし、生物の共通の基本原理を解明すると同時に、個々の生物に存在するユニークな酵素・代謝系の機能を生化学的手法で明らかにする統合的な研究が必要である。本シンポジウムでは、動植物とは異なり全てのドメインを有する微生物を中心に、新規な酵素や代謝系に関して、主に生化学的手法を用いて触媒反応機構、活性制御機構、発現調節機構、生理機能などを解析する最前線の研究成果を幅広く紹介し、それらが基礎科学分野で果たす役割や有用物質生産などへの応用について積極的に議論する場を提供したい。

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3S12a
9月13日(金) 8:30-11:00
第12会場(416+417)
タイトル 健康と疾病に深くかかわるポリアミン
オーガナイザー 栗原 新(テキサス大学)、植村 武史(京都府立医科大学)
講演者 松本 光晴(協同乳業株式会社)、ユージーン W. ガーナー(アリゾナ大学)、川喜田 正夫(東京都医学総合研究所)、栗原 新(テキサス大学)、早田 邦康(自治医科大学)、植村 武史(京都府立医科大学)、斎木 遼太郎(株式会社アミンファーマ研究所)
概要 ポリアミンは、ほぼ全ての生物に存在する生理活性アミンであり、様々な細胞内プロセスに関与する。近年、ヒトの健康、疾病におけるポリアミンの生理的役割について多くの研究が行われ、ポリアミンの細胞内濃度調節の重要性が明らかになりつつある。  すなわち、生体内ポリアミンの補充による炎症抑制作用等が寿命を伸長する可能性を示す研究結果が次々と報告される一方で、ポリアミンを過剰に有するガン細胞において、その細胞内濃度を正常域へ抑制することによりガン治療を行うといった研究も盛んに行われている。また、ポリアミン代謝物がガンや脳梗塞のマーカーとなることから臨床応用が実用化されている。さらに、細菌間コミュニケーション物質としてポリアミンの合成系あるいは輸送系が新規創薬の対象として期待されるなど、ポリアミンと健康および疾病の関わりを解明することは、健康増進や疾患治療の新規ターゲットを開発する非常にホットな研究分野である。  このシンポジウムは、これらの最新研究を総合的に紹介、討論し、ポリアミン研究を深化させることを目的とする。

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3S15a
9月13日(金) 8:30-11:00
第15会場(501)
タイトル iPS 細胞技術を用いた神経疾患研究の進歩と今後の展望
オーガナイザー 岩田 修永(長崎大学)、井上 治久(京都大学)
講演者 浅井 将(長崎大学)、近藤 孝之(京都大学)、季 斌(放射線医学総合研究所)、伊東 大介(慶應義塾大学)、江川 斉宏(京都大学)、岡田 洋平(慶應義塾大学)
概要 人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell, iPS細胞)作製技術は神経変性疾患研究に新たな潮流をもたらした。私たちは家族性または孤発性アルツハイマー病、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症等に罹患した患者さんから提供された皮膚の細胞(線維芽細胞)からiPS細胞を樹立し、神経系細胞(神経細胞やグリア細胞)に分化誘導することにより、これらの疾患に罹患した生細胞を研究に用いることが可能になった。先駆的研究ではこれらの神経系細胞を用いた病態のモデル化(ミスフォールドタンパク質の蓄積や細胞の脆弱性)を中心に行われてきたが、特異的かつ効率的分化技術の開発や分化させた細胞の純化技術の発展に後押しされ、現在病態メカニズムの解析や治療薬候補のスクリーニングに応用されつつある。iPS 細胞作製技術を用いた神経疾患研究の第一線で活躍される研究者の方々に最先端の研究成果をご講演頂き、現状と今後の展望について議論して頂く。

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3S16a
9月13日(金) 8:30-11:00
第16会場(502)
タイトル 細胞機能制御シグナルの最先端
オーガナイザー 澁谷 浩司(東京医科歯科大学)、山梨 裕司(東京大学)
講演者 松本 邦弘(名古屋大学)、岩井 一宏(京都大学)、高柳 広(東京大学)、豊島 文子(京都大学)、山梨 裕司(東京大学)、澁谷 浩司(東京医科歯科大学)
概要 多細胞生物の活動は多様な構成細胞の統合的な機能制御の上に成立する。このような細胞機能制御を担うシグナル伝達機構は個々の細胞の増殖・分化・運動から組織構築や免疫・神経等の高次機能に至る多様な生命現象に必須の制御機構である。細胞外環境との接続域を含め、細胞全体に張り巡らされたシグナル伝達経路は、多種多様なタンパク質間の相互作用だけでなく、それらの量的な変化や翻訳後修飾による質的な変化、さらには他のシグナル伝達経路とのクロストーク等による時空間レベルの精緻な調節を受ける。この時、個々の細胞は多彩なシグナルを重複して受容し、細胞内にて複数のシグナル系が協調あるいは相反して制御された結果、統合的な出力応答を実行する。このように複雑なシグナル伝達経路の異常や、感染微生物を含めた環境因子による撹乱が様々な疾患に結びつくことは想像に難くない。本シンポジウムでは細胞機能制御シグナルの研究をリードする研究者を招き、最先端の研究成果について議論を深めたい。

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3S17a
9月13日(金) 8:30-11:00
第17会場(503)
タイトル 老化・寿命制御と細胞運命
オーガナイザー 平尾敦(金沢大学)、原 英二(がん研究所)
講演者 原 英二(がん研究所)、宇野 雅晴(京都大学)、南野 徹(新潟大学)、西村 栄美(東京医科歯科大学)、平尾 敦(金沢大学)
概要 ヒトの正常な体細胞には分裂可能回数に限界がある。この分裂限界に向かって進行する細胞の変化(細胞老化)は、テロメアの構造変化、DNA損傷シグナルの活性化、p16INK4a/RB-経路などにより惹起される。細胞老化は、主にがん抑制に寄与すると考えられており、また個体老化との関連も示唆されている。一方、モデル生物を用いた研究により、インスリンシグナル、mTORやストレス応答など、寿命を規定する経路が特定されている。哺乳動物においても、これらのシグナルは、カロリー制限による寿命制御という観点から、個体老化との関連が指摘されている。最近の研究により、これらの老化・寿命に関わるシグナルカスケードは、臓器形成、細胞分化、炎症、幹細胞制御など多岐に亘る細胞運命決定に関与し、高次機能を司ることが判明してきた。本シンポジウムでは、老化・寿命に関わる分子機構の解明、生体内での役割に関する研究の発表と議論を通して、将来の研究の方向性を俯瞰したい。

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3S02p
9月13日(金) 15:30-18:00
第2会場(301)
タイトル 機能性酸化脂質研究の新展開
オーガナイザー 今井 浩孝(北里大学)、宮澤 陽夫(東北大学)
講演者 宮澤 陽夫(東北大学)、今井 浩孝(北里大学)、野口 範子(同志社大学)、内田 浩二(名古屋大学)、井上 飛鳥(東北大学)
概要 生体膜を構成するリン脂質やコレステロールは、それ自体が細胞応答のシグナル分子となるだけでなく、構成している不飽和脂肪酸やコレステロール骨格に酸素が付加したり、分解を受けることにより様々な分子種に変換され、新たなシグナル分子となることが明らかとなってきた。近年の質量分析技術の進歩により、生体膜の酸化脂質の詳細な解析が可能となり、細胞内では生体膜脂質の酸化状態が厳密に制御されており、この破綻が疾患の原因となることや、酸化リン脂質の生成や酸化コレステロールによる細胞死が、アポトーシスやネクローシスとは異なる細胞死を引き起こすことなども明らかとなってきた。また新たに酸化リン脂質に対する特異的な受容体が存在することや酸化脂質の分解により生じたアルデヒドによるタンパク質の修飾が特異的なシグナル分子として機能することも明らかとなってきた。本シンポジウムでは多様な酸化脂質の新たな機能に焦点を絞り、その意義や疾患との関連性について議論したい。

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3S03p
9月13日(金) 15:30-18:00
第3会場(302)
タイトル トランスポーターと疾患の最前線
オーガナイザー 山口 明人(大阪大学)、森山 芳則(岡山大学)
講演者 西野 邦彦(大阪大学)、表 弘志(岡山大学)、木村 泰久(京都大学)、楠原 洋之(東京大学)、金井 好克(大阪大学)、松尾 洋孝(防衛医科大学校)
概要 トランスポーターは糖やアミノ酸、薬物や情報伝達物質等の輸送を通して深く生命活動に関わっている。この事はトランスポーターの機能がひとたび異常をきたすと生体内の恒常性が崩れ、疾患を引き起こす事を意味する。これまで多くのトランスポーター関連疾患が報告されているが近年のゲノム解析技術とトランスポーター解析技術の進展により、これまで予想もしなかった疾患とトランスポーターの関わりが明らかになりつつある。トランスポーターと疾患の関連性は生体内でトランスポーターが果たす役割と密接に関わっており、多くの研究者が注目する課題となっている。本シンポジウムでは新しい展開をみせつつある疾患関連トランスポーターの最新の知見を紹介し、物質輸送と疾患のかかわり合いについて議論する。

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3S04p
9月13日(金) 15:30-18:00
第4会場(303)
タイトル メンブレントラフィックの新局面:多様な細胞現象との連携による生理機能の制御
オーガナイザー 川内 健史(慶應義塾大学)、久永 眞市(首都大学東京)
講演者 川内 健史(慶應義塾大学)、中山 和久(京都大学)、千原 崇裕(東京大学)、名田 茂之(大阪大学)、久永 眞市(首都大学東京)、千葉 秀平(東北大学)
概要 細胞内には多岐にわたるメンブレントラフィック経路が張り巡らされており、膜蛋白質やオルガネラの動態が厳密に調節されている。これらの複雑なメンブレントラフィック経路制御機構の全容解明は未だ研究途上であるが、最先端の研究により、メンブレントラフィック経路が、細胞骨格・細胞接着・細胞分裂・シグナル伝達など様々な細胞現象と密接に関わることが明らかになりつつある。さらに、このような細胞現象とメンブレントラフィックとの連携が、繊毛形成や神経発生、がんなど多彩な生命現象の基盤となっていることも分かってきた。本シンポジウムでは、広範な細胞生物学・生化学分野の研究者に、それぞれの専門分野とメンブレントラフィックの連携機構に関する最新の成果をご紹介いただき、メンブレントラフィックの役割を高次な視点から捉え直すことにより、メンブレントラフィック研究分野の新たな方向性を探りたい。

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3S05p
9月13日(金) 15:30-18:00
第5会場(304)
タイトル ストレス応答の破綻と病態の新機軸
オーガナイザー 伊藤 英晃(秋田大学)、中井 彰(山口大学)
講演者 中井 彰(山口大学)、養王田 正文(東京農工大学)、伊藤 英晃(秋田大学)、佐藤 昇志(札幌医科大学)、鵜殿 平一郎(岡山大学)、足立 弘明(名古屋大学)、水島 徹(慶應義塾大学)
概要 本シンポジウムでは,生物にとって必須の適応機構であるストレス応答の,最もモダンな分子機構の生理側面と,とりわけ,がん,炎症・免疫,神経変性などの様々な疾病,病態におけるストレス応答の関与について,分子,細胞,個体レベルでの最新の研究を紹介する。シンポジウムでは,ストレス応答に対する寛容性,すなわち恒常性維持機構の新しい側面を分子・細胞レベルで明らかにする「ストレス応答寛容機構」と,恒常性破綻の結果,疾病の具体的病態となるがん,炎症・免疫,神経変性(アルツハイマー病などのミスフォールディング病)について,分子,細胞,組織,そして臓器,個体レベルで解析する「ストレス応答破綻機構」の2つの内容で構成する。最終的に病態分子病理学的解析で得られた知見を,ストレス応答の破綻の分子機構の視点で理解し,討論する。本シンポジウムを通し,最終的にストレス応答と関連する疾病の病態の分子機構を解明し,ストレス応答医科学の新機軸を提唱しようとするものである

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3S07p
9月13日(金) 15:30-18:00
第7会場(313+314)
タイトル 生命システム原材料の起源と進化:物質代謝システムの自己組織化
オーガナイザー 根本 直樹(千葉工業大学)、三瓶 嚴一(電気通信大学)
講演者 河合 剛太(千葉工業大学)、別所 義隆(理化学研究所)、西山 真(東京大学)、武藤 愛(京都大学)、溝渕 潔(電気通信大学)
概要 私たちは,科学的に検証可能な“物質から生命システムへの進化の理論”を構築することをめざし,「生命システム原材料の起源と進化」について議論を続けている。生命システム原材料とは,アミノ酸,ヌクレオチド,脂質,単糖などを指し,これらはすべて低分子化合物から生合成される。原始生命体は,生命システム原材料の代謝システムを自己組織化することにより,化学進化の段階から現存生物の共通先祖へと進化したと考えられている。  一昨年度の生化学会シンポジウムにおいて,「生命システム原材料の起源と進化:ゲノムから見た生体システム」と題し,蓄積されたゲノム情報を活用して,生化学,分子生物学,構造生物学などの視点から,物質代謝システムの起源と進化の理論を構築することをめざした包括的な議論を行った。今回は,この議論をさらに深めるため,さまざまな物質代謝システムがどのように自己組織化して現存生物でみられる形になったか, という問題に焦点を当て,議論を進めたいと考えている。

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3S09p
9月13日(金) 15:30-18:00
9会場(411+412)
タイトル 内分泌からノンシステミックステロイドへ
オーガナイザー 荻島 正(九州大学)、向井 邦晃(慶應義塾大学)
講演者 吉村 道博(東京慈恵会医科大学)、樋口 明弘(慶應義塾大学)、原田 信広 (藤田保健衛生大学)、伊澤 正郎(鳥取大学)、横田 博(酪農学園大学)、山崎 岳(広島大学)、向井 邦晃(慶應義塾大学)、荻島 正(九州大学)
概要 特定の内分泌細胞以外でのステロイドホルモン産生が示唆されたのは、1990年代以降の脳研究においてであった。その後、脳では合成酵素の発現とステロイドの合成が確認され、今ではニューロステロイドという独自の研究分野を形成している。脳以外での同様な系の存在に関する傍証はあったが、最近になり膵臓β-細胞や涙腺でもステロイド合成系が見いだされ、実際にステロイドをつくっていることが確実になった。これらは、産生細胞自身または周辺細胞にのみ働くと見なされるため、内分泌が全身へのホルモン供給を担っているのに対し、局所ステロイドまたは非全身型、すなわちノンシステミックステロイドと言われている。この機能は未だ解明されはいないが、漸く徐々に明らかになりつつある。そこで、本シンポジウムでは、現在のノンシステミックステロイド研究の到達点を明らかにするとともに、ノンシステミックステロイドの合成とその調節、生理作用、血中ステロイドとの峻別、さらに作用機構などに関する知見を集積し、問題の本質に迫りたい。

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3S12p
9月13日(金) 15:30-18:00
第12会場(416+417)
タイトル 硫黄の生体利用に関する最新知見と新展開
オーガナイザー 榊原 陽一(宮崎大学)、和田 啓(宮崎大学)
講演者 榊原 陽一(宮崎大学)、和田 啓(宮崎大学)、松林 嘉克(基礎生物学研究所)、大津 厳生(奈良先端科学技術大学院大学)、澤 智裕(熊本大学)
概要 「硫黄」は、タンパク質中の鉄硫黄クラスターや含硫アミノ酸残基の他にチアミン、ビオチン、リポ酸など様々な生体分子に取り込まれ多彩な機能を示すことが知られている。そして、酸化ストレスに対するレドックス制御においてもグルタチオンやチオレドキシンなどの硫黄を含むチオール基が中心的な役割を果たす。また、活性硫酸PAPSを供与体として、硫酸転移酵素が触媒する硫酸化は、タンパク質の翻訳後修飾や生理活性物質や薬物の解毒代謝機構として知られる。さらに、近年になって気体である硫化水素H2Sが第3のガス状情報伝達分子として注目されている。そこで、本シンポジウムでは硫黄の生体利用に関して活躍する研究者から、その最新知見や今後の展開に関しての話題を提供する。「硫黄」を中心として、様々な分野の研究者が集うことで、分野横断的な情報交換が期待される。

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3S15p
9月13日(金) 15:30-18:00
第15会場(501)
タイトル 神経回路形成のシグナル伝達クロストークを解く―神経再生応用に向けて
オーガナイザー 生沼 泉(京都大学)、五嶋 良郎(横浜市立大学)
講演者 五嶋 良郎(横浜市立大学)、生沼 泉(京都大学)、戸島 拓郎(理化学研究所)、竹本―木村 さやか(東京大学)、山本 亘彦(大阪大学)、吉田 富(シンシナティ小児病院医療センター)
概要 損傷を受けた脳組織による機能障害への治療法の1つとして、幹細胞を用いた再生医療の可能性が脚光を浴びている。一方で、中枢神経細胞が高次脳機能を発現させるためには、神経細胞が存在するだけでは不十分であり、神経回路を構築する必要がある。最初のステップとして、神経軸索を伸長させることが必要であり、さらに、次のステップとして、その神経軸索を的確な標的細胞に到達させ、シナプスを形成させる必要がある。これらのステップでは、神経細胞が様々な外界の環境因子を感知して、細胞接着、細胞骨格、物質輸送などを協調的に変化させる必要がある。近年、その情報伝達として、キナーゼ経路、セカンドメッセンジャー経路、G蛋白質経路等が次々に明らかになってきた。しかしながら、複数シグナル経路の統合が神経細胞内でどのようになされているのかについては、いまだ、明らかではない。本シンポジウムでは、神経回路形成の各ステップにおける分子レベルでの研究で世界的に活躍している新進気鋭の研究者に、最先端の研究を紹介して頂き、神経回路形成の分子メカニズムの統合的理解を深める場を提供する。

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3S16p
9月13日(金) 15:30-18:00
第16会場(502)
タイトル 細胞内シグナルの伝達様式を一変させる交換因子 〜細胞の運命決定から病態と創薬まで〜
オーガナイザー 山内 淳司(国立成育医療研究センター研究所)、佐藤 孝哉(大阪府立大学)
講演者 片岡 徹(神戸大学)、加藤 裕教(京都大学)、加藤 稔(田辺三菱製薬株式会社)、阪上 洋行(北里大学)、佐藤 孝哉(大阪府立大学)、宮本 幸(国立成育医療研究センター研究所)、山内 淳司(国立成育医療研究センター研究所)
概要 グアニンヌクレオチド交換因子による細胞機能の制御は、実はよく分かっていない。その理由はその特徴にあるようだ。まず交換因子の数が対応するエフェクターの数よりも極めて多く、組織やそれぞれの病態に応じた発現分布を示すことがあげられる。構造に目を向ければ、触媒領域以外は相同性をもたず、その活性調節機構はきわめて複雑である。さらに交換因子を通るシグナルの特徴は、それを挟んだ上流と下流のシグナル伝達様式が一変していることである(蛋白質間相互作用からリン酸化カスケードへの変換など)。本企画ではRas、Rho、Arfファミリーの交換因子に焦点を置き、分子構造を基盤にした活性調節機構から細胞周期制御、ニューロンやグリアへの細胞系譜、癌や神経変性症と創薬における関与など多岐に渡る研究分野から最新の交換因子研究を紹介し、これらの分野間の研究の融合を目指す機会にしたい。

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3S17p
9月13日(金) 15:30-18:00
第17会場(503)
タイトル 成熟細胞の寿命制御機構とその破綻による病態
オーガナイザー 的崎 尚(神戸大学)、佐々木 純子(秋田大学)
講演者 的崎 尚(神戸大学)、佐々木 純子(秋田大学)、山口 正洋(東京大学)、平井 宏和(群馬大学)、北村 忠弘(群馬大学)、岡本 康司(国立がん研究センター研究所)
概要 様々な組織を形成する分化成熟した細胞はそれぞれ生物学的必然性による固有の寿命を有し、これが厳密に制御されることで組織の恒常性が維持される。例えば、腸上皮細胞や皮膚ケラチノサイトは極めて短命であるが、神経細胞や膵内分泌細胞は長期生存する。この制御は、細胞が自律的にあるいは外的環境に呼応して、細胞生存に重要な正と負のシグナルを発信し、その厳格なバランスにより成し遂げられると想定されるが、詳細な分子機構に関する研究は未だ大きく立ち後れている。本シンポジウムでは、多様な分化成熟細胞における寿命制御の仕組みに関して、最近進展が顕著である国内外の研究者にその研究成果を紹介していただき、組織あるいは臓器の恒常性維持機構とその破綻がもたらす病態の解明を統合的に理解することを目指す。

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一般演題(一般口頭発表、ポスター発表)

プログラムの日程や発表演題等、詳細はプログラム検索・要旨閲覧システムまたはプログラム検索・要旨閲覧アプリをご覧ください。

【口頭発表閲覧のご注意】
一般演題として応募された演題の中から一般口頭発表に採択された演題は、口頭発表とポスターの両方の発表を行っていただきます。
そのため、一般口頭発表(T)とポスター発表(P)の両方の演題番号が記載されています。
例:『2T01-01(2P-649)』
一般口頭発表:第2日目、第6会場のセッション、1題目/ポスター発表:第2日目、649番のパネル

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Late-breaking Abstracts

Late-breaking Abstractsで応募された演題は、プログラム検索・要旨閲覧システムおよびプログラム検索・閲覧アプリにて閲覧できます(プログラム集には掲載されていません)。
また、プログラムはどなたでも閲覧可能ですが、要旨を閲覧するにはパスワードが必要となります。
パスワードは、8月下旬に送付されるプログラム集に掲載のプログラム検索・要旨閲覧システムのものと同じです。
非会員の方でプログラム集の購入を希望される方は学会本部へお問い合わせください。

日本生化学会事務局
TEL: 03-3815-1913  E-mail: jbs-ho@jbsoc.or.jp

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フォーラム

フォーラム一覧

No. 日程 会場 タイトル
1F06 9月11日(水) 第6会場
(311+312)
進化分子工学の新展開
1F07 9月11日(水) 第7会場
(313+314)
研究所・プロジェクト研究における人材育成論〜組織型研究を通じた若手研究者の育成方法とは〜
2F06 9月12日(木) 第6会場
(311+312)
温故知新・遺伝子組換え作物・食品の現状と将来展望
2F07 9月12日(木) 第7会場
(313+314)
基礎医学研究者養成の現状と展望
3F02 9月13日(金) 第2会場
(301)
新たな医療分野の研究開発体制と我が国の基礎生命科学の未来
3F07 9月13日(金) 第7会場
(313+314)
ここまで進化した定量プロテオミクス

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フォーラム概要

1F06
9月11日(水) 16:30-18:30
第6会場(311+312)
タイトル 進化分子工学の新展開
オーガナイザー 伊藤 嘉浩(理化学研究所)、芝 清隆(公益財団法人がん研究会)
概要 1990 年前後から本格的に始まった進化分子工学(試験管内進化法)で核酸アプタマーやペプチドアプタマーが創出されるようになり、既にアプタマー医薬がいくつか上市されるようになっている。日本でも、ベンチャー企業が積極的な展開を見せるようになってきている。本シンポジウムでは、日本でのベンチャー創業の苦労話なども含め、今後の進化分子工学の展開について議論する。

16:30〜16:35
はじめに
伊藤 嘉浩((独)理化学研究所・伊藤ナノ医工学研究室)
16:35〜17:00
特殊ペプチド創薬
加藤 敬行(東京大学大学院理学系研究科・化学専攻)
17:00〜17:25
人工塩基核酸アプタマー
平尾 一郎((株)タグシスバイオ、(独)理化学研究所・ライフサイエンス技術基盤研究センター)
17:25〜17:50
アプタマー創薬
中村 義一((株)リボミック、東京大学)
17:50〜18:15
進化分子工学のこれまでとこれから
伏見 譲(埼玉大学研究機構)
18:15〜18:30
総合討論
芝 清隆(公益財団法人がん研究会・がん研究所・蛋白研究部)

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1F07
9月11日(水) 16:30-18:30
第7会場(313+314)
タイトル 研究所・プロジェクト研究における人材育成論〜組織型研究を通じた若手研究者の育成方法とは〜
オーガナイザー 瀧 慎太郎(大阪大学)、谷中 冴子(サントリー生命科学財団)
概要 研究所あるいは研究プロジェクトでは、分野の異なる複数の研究者が協力し研究を進める“ 組織型研究” が実施されている。これら組織型研究においては、異分野の優れた研究者が集うことから、若手研究者にとっての人材交流・育成が可能な重要な「場」としての機能も果たしている。一方で、大学院生の多くは、所属研究室という限られた環境下にとどまり、組織型研究を通じた人材育成を経験することはほとんどなく、また情報も不足してしまう。このような状況下では、学位取得後のキャリアパス選択時において、選択肢の制限を受けるだけでなく、将来、組織型研究をけん引するリーダーとしての資質形成においても影響を及ぼす可能性がある。
 そこで本フォーラムでは、“ 組織型研究” において若手研究者人材をどのように育成しているかについて、指導的立場にある先生方からその現状をご紹介いただくとともに、異なる環境に属する参加者間でそれぞれの育成状況に関する情報交換を行いたい。
 本フォーラムが、大学院在学中あるいは修了間もない若手研究者の将来のキャリアパス選択に向けた視野を広げる契機となることを期待する。

16:30〜16:35
はじめに
瀧 慎太郎(大阪大学大学院薬学研究科)
16:35〜17:05
政府系研究機関における若手研究者人材の育成〜産総研の場合
本田 真也(独立行政法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門)
17:05〜17:35
総合学問としてのライフサイエンスを担う人材育成
金井 求(東京大学大学院薬学系研究科)
17:35〜18:30
総合討論、質疑応答

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2F06
9月12日(木) 16:30-18:30
第6会場(311+312)
タイトル 温故知新・遺伝子組換え作物・食品の現状と将来展望
オーガナイザー 田丸 浩(三重大学)、植田 充美(京都大学)
概要 1975 年に遺伝子組換え技術ができて、日本では安全性を確保しながら研究を進めるという規制のもとで進められてきた。具体的には、研究、野外試験、食品、飼料、飼料を食べた家畜の肉の安全性等が調べられており、環境影響はカルタヘナ法、食品は食品衛生法、アルコールはアルコール事業法、表示は消費者庁など複数の省庁がそれぞれ所管している。さらに、未承認LMO(Living Modified Organism)の輸入時の検査(輸入食品検疫・検査センター)も行われており、表示が正しいかどうかを検査するしくみの国際標準化も進行中である。一方、遺伝子組換え技術は、現在の生化学研究に欠かせないものとして一般に浸透している。また、遺伝子組換え作物(GMO: Genetically Modified Organism)を原料とする食品が深く浸透してきているが、多くの消費者はそれらの食品に対して漠然とした不安感を持っており、受容意識が低いとも言われている。
本フォーラムでは、最先端のサイエンスを牽引する日本の生化学研究者に対して、遺伝子組換え作物・食品の世界的状況を分かり易く概説するとともに、世界で商業栽培されている遺伝子組換え作物の取扱い状況と安全性やその生態系への影響について広く啓蒙する。

16:30〜16:35
はじめに
田丸 浩(三重大学大学院生物資源学研究科)
16:35〜17:30
遺伝子組換え作物・食品の世界状況
冨田 房男(日本バイオテクノロジー情報センター 代表)
17:30〜18:25
遺伝子組換え技術に関わるサイエンスコミュニケーション
田部井 豊(農業生物資源研究所 遺伝子組換え推進室長)
18:25〜18:30
おわりに
植田 充美(京都大学大学院農学研究科)

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2F07
9月12日(木) 16:30-18:30
第7会場(313+314)
タイトル 基礎医学研究者養成の現状と展望
オーガナイザー 畑 裕(東京医科歯科大学)、和泉 孝志 (群馬大学)
概要 基礎医学を志望する医学科卒業生(医師免許取得者)の危機的減少が叫ばれて久しい。MD-PhD 制度や医学科学生を対象とする基礎医学研究指導カリキュラムの導入が各大学で意欲的に行われ、一定の成果をあげている。しかし、問題の背後には、医療の高度化、専門医制度の拡充、アウトソーシングやデータベースの活用による新しい研究スタイル、応用的研究の重視など、構造的変化があり、基礎研究に誘導された医学生が将来にわたり基礎医学領域に定着するかは不確定である。医師免許取得者に代わり基礎医学教育の担い手となっているnon MD の研究者に対して、十分なキャリアパスが用意されていないという問題も指摘されている。単一のパイプラインで全ての問題をカバーし解決するのは難しく、やり直しの余地をもつネットワーク的な複数の道筋を用意し、多様な要求に応える必要がある。本フォーラムでは、各大学の基礎医学研究者養成プログラムを持ち寄り、現時点での成果と問題点を突合せ、期待される十年後の基礎医学教育研究の姿を設定し、その到達点に向けて、それぞれのプログラムをいかにバージョンアップするか、医学科学生を対象とする養成プログラムに加えて今後どのような施策が必要か議論したい。

16:30〜16:35
はじめに
16:35〜16:50
群馬大学における研究医養成の取り組み
石崎 泰樹
16:50〜17:05
東京大学のMD 研究者育成プログラムの現状と課題
吉川 雅英
17:05〜17:20
基礎研究医養成のための順天堂型教育改革
櫻井 隆
17:20〜17:35
東京医科歯科大学の取り組み
中田 隆夫
17:35〜17:50
non-MD 教授の基礎教室でMD 研究者をどのように育成するか:ある教員の経験から
吉村 昭彦
17:50〜18:05
化学研究を医学部で遂行する:人材育成・ハードル・将来展望に関する一意見
浦野 泰照
18:05〜18:30
総合討論

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3F02
9月13日(金) 13:15〜15:15
第2会場(301)
タイトル 新たな医療分野の研究開発体制と我が国の基礎生命科学の未来
オーガナイザー 宮島 篤 (東京大学分子細胞生物学研究所)、宮園 浩平(東京大学大学院医学系研究科)
概要 平成25年5月に日本版NIH構想が発表された。この構想によって作られる「新たな医療分野の研究開発体制」ではこれまで複数の省庁によって支援されていた医療分野の予算を一元的に施行し、健康長寿の出口を目指した我が国の医学・生命科学の一層の進歩を目指している。健康長寿は国民の願いであり、基礎研究の成果が円滑に応用研究へと受け継がれ、成果がシームレスに社会に還元される必要があることは言を待たない。一方で、この新たな体制によって医学・生命科学研究が出口指向に偏ることで、これまで我が国が培ってきた医学・生命科学の基礎研究が脆弱化するのではないかとの懸念が出されている。
日本生化学会は本年6月に国内の関連する6学会とともに日本版NIH構想に対する共同声明を発表し、裾野の広い基礎研究の必要性を訴えた。本フォーラムでは我が国と諸外国、特に米国の基礎研究の現状を比較しながら、新たな医療分野の研究開発体制と我が国の基礎生命科学の未来について議論する。

13:15〜13:20
はじめに
石川 冬木(京都大学大学院生命科学研究科)
13:20〜13:50
米国の科学研究費の現状
Ken W. Cho (U.C. Irvine, CA, USA)
13:50〜14:20
日本版NIH構想について
岡村 直子(内閣官房 健康・医療戦略室)
14:20〜15:10
自由討論
15:10〜15:15
終わりに
宮島 篤(東京大学分子細胞生物学研究所)
宮園 浩平(東京大学大学院医学系研究科)

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3F07
9月13日(金) 13:15-15:15
第7会場(313+314)
タイトル ここまで進化した定量プロテオミクス
オーガナイザー 朝長 毅(医薬基盤研究所)、植田 幸嗣(理化学研究所)
概要 近年のプロテオミクスの進歩は質量分析計を用いた定量プロテオミクスの進歩によるところが大きい。特に安定同位体標識を用いたiTRAQ 法やSILAC 法の開発が定量プロテオミクスをここまで進化させたと言っても過言ではないが、近年は、解析ツールの進歩に伴い、ノンラベル定量法の普及も進んでいる。これらの技術は主に試料間の比較定量に用いられるが、最近SRM/MRM 法がタンパク質定量に応用されるようになり、相対定量だけでなく絶対定量が質量分析計で可能になった。さらに、年々加速する質量分析計の解析速度や精度のおかげで定量技術も多様化し、また、これまで全く検出できなかった微量なタンパク質の同定・定量が可能となってきた。
本フォーラムでは、最新の定量プロテオミクス技術の手法について現場で実際に解析を行っている研究者に紹介してもらい、それらの長所・短所や使い分けについて議論したい。特に本年度は本大会の翌日から同一会場で国際ヒトプロテオーム学会(HUPO2013)が開催される予定となっており、本フォーラムにもプロテオミクスに興味を持つ多数の研究者の参加を期待する。

13:15〜13:20
はじめに
朝長 毅(独立行政法人 医薬基盤研究所)
13:20〜13:35
Orbitrap アナライザーによる高精度定量プロテオーム解析への挑戦
肥後 大輔(株式会社サーモフィッシャーサイエンティフィック)
13:35〜13:50
プロテオミクスにおけるdata-independent workflow を用いた網羅的なタンパク質・ペプチド定量
柴田 猛(株式会社エービー・サイエックス)
13:50〜14:10
組み換えタンパク質を利用した大規模絶対定量
松本 雅記(九州大学 生体防御医学研究所)
14:10〜14:30
超高分離LC を用いた定量プロテオミクスLC-MS
石濱 泰(京都大学薬学研究科)
14:30〜14:50
大規模サンプル解析のための最先端プロテオーム情報処理基盤
植田 幸嗣(独立行政法人 理化学研究所)
14:50〜15:05
ターゲットプロテオミクス〜 Beyond SRM 〜
足立 淳(独立行政法人 医薬基盤研究所)
15:05〜15:15
総合討論

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