プログラム

スケジュール

 

プログラム

特別講演

9月24日(月) 大村 智(北里大学北里生命科学研究所)
9月25日(火) 柳沢 正史(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
9月26日(水) 森 和俊(京都大学大学院理学研究科生物物理学教室)

 

シンポジウム

 

ゲノム編集の進展と医学生物学分野での応用
オーガナイザー:山本 卓(広島大学)、高橋 智(筑波大学)
講演者・概要▼
講演者:山本 卓(広島大学)、高橋 智(筑波大学)、伊川 正人(大阪大学)、宮岡 佑一郎(東京都医学総合研究所) 宮本 達雄(広島大学)
概 要:標的遺伝子を自在に改変するゲノム編集技術は、2012年CRISPR-Cas9の開発によって全てのライフサイエンス研究者のための技術となった。本シンポジウムでは、ゲノム編集の最近の進展に焦点を当て、ゲノム編集を用いた医学生物学研究の今後の展開について議論する。
新しいゲノム科学と生化学
オーガナイザー:二階堂 愛(理化学研究所)、宮本 真理(Oxford Nanopore Technologies)
講演者・概要▼
講演者:二階堂 愛(理化学研究所)、宮本 真理(Oxford Nanopore Technologies)、大川 恭行(九州大学)、荒川 和晴(慶應義塾大学)、丸山 史人(京都大学)
概 要:ゲノム科学の革新は、常に新しい生化学によってもたらされてきた。近年、2つの技術がゲノム科学に革命を起している。ひとつは1細胞オミックス技術である。1細胞は臓器や組織を構成するもっとも基本的なユニットである。1細胞オミックスの目的は、臓器・組織の正常な発生やその破綻を1細胞レベルで理解することである。ふたつめの革命は、ロングリードシーケンス技術である。ロングリードは、単純な配列を含む新規ゲノム、トランスクリプトーム、メタゲノムなどの de novo assembly を改善できる。特に、ナノポアシーケンサーは、どこにでも持ち運び可能で、デスクや野外などで簡単に動作させることができる。 このシンポジウムでは、1細胞オミックス研究やナノポア型ロングリードシーケンシングで活躍する研究者から最新技術の開発や活用について講演して頂く。さらに、これらの技術を実現する新しい生化学的反応とゲノム科学の革新について議論する。
生物振動子の頑強性と柔軟性
オーガナイザー:上田 泰己(東京大学/理化学研究所)、大出 晃士(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:上田 泰己(東京大学)、大出 晃士(東京大学)、秋山 修志(分子科学研究所)、Jae Kyoung Kim(Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST))
概 要:概日時計は、地球自転周期に対応した24時間周期の自律的な生理活動変動を支配し、単細胞生物からヒトまで高度に保存された機能である。近年、多様な生物種において概日時計発振を駆動する主要なタンパク質が同定され、さらに発振周期長制御を担う生化学的活性(ATP加水分解やタンパク質リン酸化)すら特定されつつある。概日時計振動は、環境の温度変化によらずほぼ一定の24時間周期長を保つ頑強性を有するとともに、光入力等に応じて柔軟に位相が調整される柔軟性を併せ持っている。これらの特性は、一見、単純な生化学反応で実現することが困難なようにも思える。本シンポジウムでは、生化学反応と概日時計発振制御を様々なスケールで繋ぐ研究にフォーカスをあて、生物振動子の頑強性と柔軟性が、その発振を司る反応素過程のどのような性質に宿るのかを探求する。
New dimensions of proteomics and interactomics
オーガナイザー:Tohru Natsume (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)), Nozomu Yachie (The University of Tokyo)
講演者・概要▼
講演者:Tohru Natsume (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)), Nozomu Yachie (The University of Tokyo), Edward Marcotte (Univeristy of Texas, USA), Masaki Matsumoto (Kyushu University), Naoki Goshima (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)), Sriram Kosuri (University of California, Los Angeles, USA)
概 要:The intracellular proteome is extremely complex. While the number of human coding genes is approximately 20,000, protein variants that are orders of magnitude higher in number can arise from spontaneous mutations, alternative splicing of RNA transcripts, and post-translational modifications. The interactions that occur between proteins of different "proteoforms" are numerous. Such protein–protein interactions transmit and branch extracellular signals to intracellular cascades, build cytoskeletons, and form many different molecular machines. Although various proteome technologies have enabled us to take snapshots of cellular proteomes, there is a continuous demand to develop new technologies to better understand both the global landscape of intracellular proteome dynamics and the functions of different protein machines. In this symposium, we have a great lineup of speakers whose work pushes current proteomics to new dimensions. The topics include (1) the power of the ORFeome resource for various proteomics studies, (2) a fractionation profiling approach with quantitative mass spectrometry to identify the evolutionary landscape of macromolecular complexes, (3) a high-throughput protein interactome technology coupled with molecular DNA barcodes and next-generation DNA sequencing, (4) a highly parallel gene synthesis-based broad mutational scanning to analyze protein functions and (5) precision proteomics with robotics and laboratory automation.
クロマチンの動態と調節を新技術で捉える試み
オーガナイザー:五十嵐 和彦(東北大学)、古関 明彦(理化学研究所)
講演者・概要▼
講演者:田代 聡(広島大学)、日比野 佳代(国立遺伝学研究所)、木村 宏(東京工業大学)、山縣 一夫(近畿大学)、小布施 力史(大阪大学)、永野 たかし(Babraham Institute)、伊藤 由馬(東京工業大学)
概 要:様々な技術の進展により、クロマチンの動態を1細胞レベルで、そして制御因子1分子レベルで検出することが可能になりつつある。得られつつある知見から、クロマチン構造が極めて安定に維持される仕組み、逆に分化発生、そして環境応答に応じて柔軟に変化する仕組みが明らかになりつつある。そこで、イメージングや一細胞技術を開発している研究者を集め、クロマチンの構造とエピジェネティクスの研究の現状と方向性を討論する。
ユビキチン様タンパク質修飾系の多様な機能:分解だけじゃない、真核生物だけじゃない
オーガナイザー:岩井 一宏(京都大学)、水島 昇(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:ヘラン ダーウィン(ニューヨーク大学)、チャナラット シチナン(マヒドン大学)、大竹 史明(東京都医学総合研究所)、金井 保(京都大学)、水島 昇(東京大学)、岩井 一宏(京都大学)
概 要:ユビキチン様タンパク質(UBL)はタンパク質に結合してその機能を制御する真核生物に遍く存在する翻訳後修飾系であり、10種以上のUBLが報告されている。そのプロトタイプであるユビキチンがタンパク質分解系の一部として発見されたことやUBLの1つであるATG8がオートファゴソーム形成にも寄与していることなどから、UBLは分解と密接に関連して研究が推進してきた。しかしながら近年、ユビキチンでさえ分解以外の機能が明確となっているのに加え、真核生物のみならず原核生物にもUBLが存在していることが報告されている。さらに、タンパク質を修飾することなく生命現象を制御するUBLなど従来のUBLの概念を超越した機能も明らかになっている。本シンポジウムでは、その反応機構、生理機能に着目しつつ、UBLによる多彩な生命機能制御機構を議論したい。
組織再編成のメカニクス - 細胞接着制御から機械刺激応答
オーガナイザー:竹市 雅俊(理化学研究所)、遠山 祐典(シンガポール国立大学)
講演者・概要▼
講演者:遠山 祐典(シンガポール国立大学)、野々村 恵子(基礎生物学研究所)、倉永 英里奈(東北大学)、進藤 麻子(名古屋大学)、富樫 英(神戸大学)
概 要:動物の組織は、極めて複雑な構造体で、どのようにして細胞が編成されるのか謎に満ちている。とくに設計図があるわけでなく、時空間に対応した細胞の自律的活動に依存した現象だ。成体の組織構造は恒常性を保ちつつ維持されるが、発生、変態、がん化などの過程においては、細胞の再編成が起き、組織構造は激変する。このような、細胞の動的活動に基づく組織の維持・再編のしくみを解き明かすことは、体の成り立ちや変化を理解するために重要である。組織の構築は多様な要素によって支えられており、細胞レベルでは、接着、極性、運動などが大切で、これらは様々な生化学的因子(接着分子、細胞骨格とその制御系など )によって調節される。近年では、細胞に働く力学的刺激に対応した調節も注目されている。本シンポジウムでは、ダイナミックな組織再編成の例を取り上げ、その分子的背景を探る最先端の研究から、本分野の将来を見通したい。
アカデミア創薬の過去、現在、そして未来
オーガナイザー:萩原 正敏(京都大学)、一條 秀憲(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:宮田 敏男(東北大学)、藤澤 貴央(東京大学)、戸口田 淳也(京都大学iPS細胞研究所)、萩原 正敏(京都大学)、菱山 豊(日本医療研究開発機構)
概 要:創薬シーズの枯渇や創薬コストの上昇に伴い、アカデミア創薬への期待が高まっている。なぜなら、生命科学上の画期的な発見のみならず、PD1抗体やイベルメクチンのような画期的創薬シーズもアカデミアで見出されてきたからである。しかしながら、創薬シーズから医薬品としての上市までの道のりは長く困難に満ちている。本来ならアカデミア発のシーズを育てるべきベンチャーなども我が国では未成熟で、PD1抗体やイベルメクチンも、海外のベンチャーやメガファーマによって上市されている。こうした我が国の現状を打破するため、公的な化合物ライブラリーやスクリーニングセンターなどが整備され、アカデミア創薬への研究助成が促進されている。本シンポジウムでは、オリジナルの発想から創薬に挑戦してきた先進的なアカデミア創薬研究の事例を紹介し、創薬のオープンイノベーションハブとしての機能を果たすべきアカデミアの今後の在り方について議論する。
タンパク質のnon-canonical機能:機構と酸素生物学における意義
オーガナイザー:森 泰生(京都大学)、三木 裕明(大阪大学)
共 催:新学術領域研究「酸素生物学」
講演者・概要▼
講演者:赤池 孝章(東北大学)、内田 浩二(東京大学)、西田 基宏(生理学研究所)、三木 裕明(大阪大学)、森 泰生(京都大学)
概 要:タンパク質の機能は、近年、未知であっても、遺伝情報や構造予測により高い精度で予測が可能になっている。しかしながら、タンパク質の機能解明はその代謝・修飾体或いは反応中間体、さらには、副機能の解析において、標準的な予想を遥かに超えた展開を見せている。本シンポジウムは、酸素生物学分野において環境と遺伝情報のインターフェースを司る、タンパク質のnon-canonical機能に関する新知見を取り上げ、分子機構と生物学的意義についての議論を深めたい。
マクロファージの機能異常と病態形成
オーガナイザー:浅野 謙一(東京薬科大学)、岡部 泰賢(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:大石 由美子(東京医科歯科大学)、七田 崇(東京都医学総合研究所)、鈴木 拓児(自治医科大学)、濱田 理人(筑波大学)、エディー イップ(Yale University)、浅野 謙一(東京薬科大学)
概 要:元来マクロファージは、急性炎症を惹起する攻撃的な細胞と考えられてきた。近年、マクロファージが免疫系のみならず、器官形成・組織修復・エネルギー代謝などの広範囲な生命現象に関与することが証明され、急性炎症よりもむしろ生体恒常性維持における役割に研究の焦点がシフトしている。マクロファージの機能異常は、がん、虚血性臓器障害、骨大理石病や肺胞たんぱく症など、臨床像も病理像もまったく異なる様々な疾患の原因となる。マクロファージの性質は、周囲の環境に存在するシグナルによってエピジェネティックな制御を伴いダイナミックに変化することから、異なる病的環境下におけるマクロファージの表現型多様化の理解が、臓器特異的治療法の開発につながると期待される。本シンポジウムは、マクロファージ研究を取り巻く世界の潮流を俯瞰することを目的として、免疫、代謝、発生の各分野でマクロファージを研究対象とされているシンポジストの方々に、最新の知見を紹介いただく。
細胞間コミュニケーションの究極の理解を目指して 〜 Cell Competition and Beyond
オーガナイザー:藤田 恭之(北海道大学)、井垣 達吏(京都大学)
共 催:新学術領域研究「細胞競合」
講演者・概要▼
講演者:藤田 恭之(北海道大学)、井垣 達吏(京都大学)、三浦 正幸(東京大学)、西村 栄美(東京医科歯科大学)、佐藤 俊朗(慶應義塾大学)、田守 洋一郎(国立遺伝学研究所)
概 要:多細胞生命体を構成する細胞社会において、異なる性質を持った細胞間で多彩な「競合」現象が生じることが明らかになってきた。細胞競合(cell competition)と名付けられたこの現象が、個体発生における組織構築過程、優良な幹細胞の選別、前がん細胞の排除やがん細胞による正常細胞の排除など、多様な生命プロセスに関わることが示されてきた。また、最近の研究によって細胞競合を誘起する分子メカニズムについても多くが明らかになってきた。 しかし、細胞間コミュニケーションの究極の理解には、細胞間の競合だけではなく協調についての考察も必要となる。さらに同種の細胞間および異種の細胞間で生じる様々な相互作用を包括的に解析しなければならない。本シンポジウムでは、世界の一線で活躍する研究者を招聘し、細胞間コミュニケーションについての最新の知見を共有することによって、当研究分野の今後の進むべき道を皆さんとともに考え、ディスカッションする場としたい。
糖鎖原理に基づく難治性がんの新治療戦略
オーガナイザー:門松 健治(名古屋大学)、本家 孝一(高知大学)
講演者・概要▼
講演者:小田 竜也(筑波大学)、福田 道子(産業技術総合研究所)、北川 裕之(神戸薬科大学)、大坪 和明(熊本大学)
概 要:現在、タンパク質が翻訳後修飾を受け、そのうち糖鎖付加がもっともよくみられる翻訳後修飾であることが広く認められている。タンパク質−糖鎖間、糖鎖−糖鎖間の相互作用は、様々な細胞間コミュニケーションを媒介し、感染性微生物の宿主細胞への結合や免疫系やがん転移における細胞接着など、様々な重要な生命現象の基礎となるメカニズムを与えている。近年、幹細胞に対する細胞分化マーカーや疾患に対する診断バイオマーカーとしての糖鎖マーカー、および、インフルエンザ感染症に対する糖鎖薬や糖鎖改変バイオ医薬品の開発によって臨床医療における糖鎖の重要性が広く認知されている。糖鎖生物学の理解がより広範囲に及ぶにつれ、疾患の診断と治療に糖鎖原理を応用する新しいアイデアが続々と生まれてくるであろう。本シンポジウムでは、糖鎖原理を利用した新たな難治性がんに対する治療戦略を紹介する。
次世代レクチン研究の基礎と夢:新たな生命原理解明と医療応用に向けて
オーガナイザー:舘野 浩章(産業技術総合研究所)、山本 一夫(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:舘野 浩章(産業技術総合研究所)、山崎 和彦(産業技術総合研究所)、高橋 大介(慶應義塾大学)、川島 博人(千葉大学)、安形 高志(Academia Sinica)、山口 芳樹(理化学研究所)、本園 千尋(九州大学)
概 要:レクチンはヒトからウイルスまで全ての生物に存在する主要な糖鎖認識分子群であり、ヒトでは100種類以上が同定されている。構造的には約50種類の分子家系が存在するが、未だ見出されていない新規レクチンも多数存在することが予想される。内在性レクチンは糖鎖リガンドに結合することにより、免疫、発生、分化など多様な生命機能を担っている。近年、免疫制御に重要な機能を担う内在性レクチンが疾病の創薬標的として注目されている。一方、レクチンは細胞分化や癌化に伴い変化する細胞表層糖鎖を捉えるためのプローブとしても重要であり、再生医療に用いる幹細胞の品質管理や、癌等各種疾病の診断や創薬探索への応用も進んでいる。本シンポジウムでは、新たな生命システムの解明と医療応用を目指して世界の最先端で活発に研究をしている研究者にご講演頂き、次世代のレクチン研究の夢と課題について議論したい。
細胞膜リン脂質動態の生理と病態
オーガナイザー:深見 希代子(東京薬科大学)、佐々木 雄彦(秋田大学)
講演者・概要▼
講演者:進藤 英雄(国立国際医療研究センター)、瀬川 勝盛(大阪大学)、辻田 和也(神戸大学)、中津 史(新潟大学)、原 雄二(京都大学)
概 要:リン脂質はタンパク質の支持体として形質膜、オルガネラ膜、エンドゾーム膜などの細胞膜を構成するとともに、シグナル伝達物質としてタンパク質を直接制御する。各細胞膜コンパートメントのリン脂質組成は特有で、リン脂質代謝酵素、コンタクトサイトでのリン脂質交換タンパク質、二重層内葉外葉間のリン脂質輸送タンパク質などが、分化した細胞膜機能の発現に重要な役割を担うと考えられる。本シンポジウムでは、細胞膜リン脂質の代謝や局在の制御機構とその破綻により出現する病態について、新進気鋭の研究者が議論する。
細胞膜のダイナミックな挙動
オーガナイザー:池ノ内 順一(九州大学)、鈴木 淳(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:池ノ内 順一(九州大学)、鈴木 淳(京都大学)、久下 理(九州大学)、伊藤 俊樹(神戸大学)、木岡 紀幸(京都大学)、三岡 哲生(北海道大学)
概 要:本シンポジウムでは、細胞膜の巨視的な変形から、細胞膜を構成する脂質分子の微視的な運動まで、細胞膜の動的な振る舞いに関する幅広い話題を提供する。細胞膜を構成する多様な脂質分子は、細胞内を移動し適切な場所に局在化するのみならず、脂質二重膜の内層・外層の間も目まぐるしく移動する。このような脂質分子自体の動きに加えて、多数の脂質分子から構成される細胞膜も動的に変形する。シンポジウムでは、このような脂質1分子の動きを制御する仕組みや脂質の集合体である細胞膜の変形を制御する仕組みについて最近の知見を紹介するとともに、その生理的な意義や微視的な脂質の挙動と巨視的な細胞膜の挙動との関連について議論したい。
免疫ステルス性をうみ出す生体内微小環境システムの解明
オーガナイザー:高木 淳一(大阪大学)、久保田 義顕(慶應義塾大学)
講演者・概要▼
講演者:濱崎 洋子(京都大学)、三浦 岳(九州大学)、福井 宣規(九州大学)、高木 淳一(大阪大学)、久保田 義顕(慶應義塾大学)
概 要:免疫は外敵から自己を守るためのシステムであり、ミジンコやホヤなどの下等生物から存在し、種の生存に必須の機構である。一方、免疫の副産物である炎症は、時に組織に甚大なダメージを及ぼすため、生体には免疫系が作動しにくい特殊な臓器(眼球、脳、胎盤など)、いわゆる『免疫特権部位』が存在する。この特権部位の存在は60年以上前に提唱されているものの、その獲得原理は今なお不明である。本シンポジウムでは、生体内の一部の細胞、組織、臓器が何らかの巧妙な戦略により免疫のセンサーを掻い潜っているという視点の下、これを『免疫ステルス性』と呼び、その実態の解明に向け、解剖学、メタボロミクス、構造生物学、数理生物学などの多様なバックグラウンドの研究者が一同に会し、最先端の研究成果をもとに議論を深める。本シンポジウムによって推進される融合研究は、進化の過程における環境適応と生体構造の高度化の折り合いという、人類の根源的な知的欲求に応えるだけではなく、炎症、がん、移植後拒絶反応の克服につながる社会的重要性を持つと考える。
アミロイドーシス発症の原理に基づく予測と予防の新展開
オーガナイザー:後藤 祐児(大阪大学)、内木 宏延(福井大学)
講演者・概要▼
講演者:後藤 祐児(大阪大学)、内木 宏延(福井大学)、樋口 京一(信州大学)、望月 秀樹(大阪大学)、関島 良樹(信州大学)
概 要:医学の重要な対象ではあるが謎の多かったアミロイドーシスとアミロイド線維の研究は、蛋白質科学との連携によって、大きく展開している。現在、蛋白質科学の分野では、アミロイド線維の原子構造、形成機構、構造物性などに関する研究が、世界的に活発に行われ、アミロイド線維形成は、変性した原因蛋白質が結晶性の析出をすることによって起きることが明らかとなっている。このような蛋白質科学研究に基づき、アミロイドーシスの予測、予防、治療の新たな試みが行われ、大きな成果をあげつつある。例えば、家族性アミロイドポリニューロパチーにおいては、薬剤によってアミロイド前駆体蛋白質を安定化することにより、発症を抑えることが現実となっている。本シンポジウムでは、蛋白質科学における凝集研究の歴史、アミロイド研究との接点、連携を振り返ると共に、今日の代表的な研究を紹介し、アミロイドーシスの予測、予防、治療に向けての新たな連携を議論する。
生命活動をつかさどる酵素・代謝機能の解明
オーガナイザー:栗原 達夫(京都大学)、小林 達彦(筑波大学)、高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)
講演者・概要▼
講演者:高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)、櫻庭 春彦(香川大学)、古園 さおり(東京大学)、高橋 征司(東北大学)、小川 拓哉(京都大学)
概 要:生命活動をつかさどる酵素・代謝機能の解析は生化学の源流にある研究分野であり、あらゆる生命科学研究の基盤である。種々の化合物の生合成・分解・変換、エネルギー生成、情報伝達、生体防御などの生命活動は酵素・代謝機能に支えられており、それらの分子機構の解明を抜きにして生命現象を精密に理解することはできない。酵素は生体内で種々の生体成分と相互作用し、それらを通して本来の生理機能を発揮する。補因子をはじめとする種々の生体成分との相互作用やアシル化などの翻訳後修飾によって機能制御がなされ、膜局在性の酵素では脂質分子や種々の膜成分との相互作用も機能発現に必須である。近年、これらの生体内での実態を踏まえて酵素の生理機能を生化学的に解明する研究が大きく展開し、新しい機能発現・機能制御の分子機構が明らかにされつつある。本シンポジウムでは、酵素・代謝機能研究に新展開をもたらす気鋭の研究者に最新の研究成果をご紹介いただき、今後の研究の方向性について議論する。
レドックスが制御する細胞・オルガネラの機能
オーガナイザー:栗栖 源詞(大阪大学)、久堀 徹(東京工業大学)
講演者・概要▼
講演者:Peter Geigenberger(Ludwig-Maximilians-Universität Munich)、James N.Siedow(Duke University)、久堀 徹(東京工業大学)、西山 佳孝(埼玉大学)、稲葉 謙次(東北大学)、栗栖 源嗣(大阪大学)
概 要:生命を維持するために,細胞の中では複雑な化学反応が複数進行している.しかし,個々の化学反応は決して単独で駆動している訳ではなく,相互に連携してシステムを形成しながら反応系として機能している.中でもレドックス反応は最も重要な生体反応の一つであり,呼吸や光合成に代表されるように生物種を問わず多様性のある反応系を形成していることが判っている.レドックス反応を司るタンパク質群は,代謝酵素として機能するものや機能制御因子として機能するものなど,その種類も豊富で,構造と機能およびその多様性の解析がかなり進展している.本シンポジウムでは,細胞やオルガネラの生理機能発現を制御しているレドックス反応系に着目し,分子からオルガネラ・細胞レベルで研究している国内外の研究者を集結して,最新の成果を報告し議論を深めたい.
細胞構造と細胞質流動がつくるバイオロジー
オーガナイザー:渡邊 直樹(京都大学)、木村 健二(国立遺伝学研究所)
講演者・概要▼
講演者:渡邊 直樹(京都大学)、木村 健二(国立遺伝学研究所)、宮田 卓樹(名古屋大学)、宮崎 牧人(早稲田大学)、笹村 剛司(大阪大学)
概 要:細胞には、その中の大きな区画を動かす大規模な流れがときに存在する。例えば、植物の原形質流動、線虫やショウジョウバエの胚発生前の卵にみられる細胞質流動、培養細胞辺縁のレトログレードアクチンフローや細胞表層を変型させるアクトミオシンの収縮などがある。これらは、物質の運搬に役立つだけでなく、おそらく、「力」と「場」を特異的に分布させ、個体レベルも含めた極性形成、組織構築、キラリティ―に役立っていると考えられる。本シンポジウムでは、いかにしてこのような大規模な分子や構造の協調運動を生み出されるのか、その動きがいかにして生命機能の発現につながるかに関して、イメージングや数理モデル解析、インビトロの再構築系などを用いて取り組む多方面の研究を取り上げる。集団としての分子、構造、細胞の「動き」のバイオロジーの新展開について、議論を深める予定である。
エクソソームによる生命現象と疾患
オーガナイザー:華山 力成(金沢大学)、幸谷 愛(東海大学)
講演者・概要▼
講演者:華山 力成(金沢大学)、幸谷 愛(東海大学)、高橋 曉子(がん研究会)、喜多 俊文(大阪大学)、永井 義隆(大阪大学)
概 要:エクソソームの研究が加速的に進展している。長年エクソソームは、不要な細胞内容物の排出に関与すると考えられてきたが、近年では生体内で脂質・蛋白質・RNA等を運ぶ新たな細胞間情報伝達媒体として、様々な生理機能や病態発症との関連が示唆されている。また、これらの機能や性質を用いた臨床応用研究やバイオマーカーの開発が急速に展開されている。そこで本シンポジウムでは、免疫、神経、内分泌、癌など様々な研究分野におけるエクソソームの最新知見を紹介して頂き、エクソソームの生物学的意義や疾患との関連について議論を進めたい。
異分野連携が拓くシグナル伝達と疾患研究のフロンティア
オーガナイザー:武川 睦寛(東京大学)、徳永 文稔(大阪市立大学)
講演者・概要▼
講演者:武川 睦寛(東京大学)、徳永 文稔(大阪市立大学)、井上 純一郎(東京大学)、鈴木 貴(大阪大学)、武田 弘資(長崎大学)、仁科 博史(東京医科歯科大学)、石谷 隆一郎(東京大学)
概 要:生体のシグナル伝達は、外部環境の変化に適応して人体の恒常性を維持する根源的生命応答システムであり、その破綻が、がん、自己免疫疾患、神経変性疾患を始めとする疾病発症の原因となる。昨今の解析技術の進歩により、生体内の情報伝達は、活性化・不活性化による単純な一次線形反応ではなく、多数の分子や要因が複雑に関与する高次非線形反応であり、この多様かつ動的な反応様式こそが生命機能制御の根源的メカニズムであることが明らかにされてきた。シグナル伝達ネットワークと生命機能の制御機構、およびその破綻がもたらす疾患発症機構を統合的に理解するには、従来の生化学的手法のみでは困難であり、数理科学、構造生物学、オミクス解析、分子イメージングなど、異分野に跨がる学際的研究手法の導入が必須である。本シンポジウムでは、シグナル伝達システムの制御メカニズムとその破綻がもたらす疾患発症機構について最新の知見を紹介するとともに、異分野連携を駆使したシグナル伝達研究の展望について議論したい。
発生における細胞間コミュニケーション研究の新展開
オーガナイザー:佐々木 洋(大阪大学)、石谷 太(群馬大学)
講演者・概要▼
講演者:望月 直樹(国立循環器病研究センター)、平良 眞規(東京大学)、荻沼 政之(ハーバード大学)、石谷 太(群馬大学)、佐々木 洋(大阪大学)
概 要:我々の体は多くの細胞の集団として成り立っているが、胚発生においては、個々の細胞の分化・移動・増殖・死などの挙動は細胞が受容する様々な情報によって調節されることで、細胞集団は全体として調和のとれた体を正確につくり上げる。細胞の挙動の調節には、細胞間のコミュニケーションが中心的な働きをしており、発生機構の解明にむけて、これまでにも細胞間コミュニケーションに関わるシグナル伝達機構やその機能などについて多くの研究がおこなわれてきた。本シンポジウムでは、最近明らかにされた新たな知見である、分泌性シグナル分子の拡散調節機構、シグナル伝達への代謝の関与、細胞間コミュニケーションシグナルとしての力の役割、発生時のシグナル伝達や細胞状態の揺らぎに対する細胞競合の役割、について最新の成果を紹介していただき、発生における細胞間コミュニケーション研究の新展開について議論したい。
新しい染色体生物学を切り拓く最先端のアプローチ
オーガナイザー:平野 達也(理化学研究所)、西山 朋子(名古屋大学)
講演者・概要▼
講演者:前島 一博(国立遺伝学研究所)、平谷 伊智朗(理化学研究所)、高橋 達郎(九州大学)、野澤 竜介(エジンバラ大学)、西山 朋子(名古屋大学)、平野 達也(理化学研究所)
概 要:染色体は、19世紀後半に初めて記載されて以来、その実体と構造・機能の解明に向けた研究の多くを生化学的解析に依拠してきた。染色体構築の基盤となるヌクレオソームや高次構造を支えるタンパク質群、さらにはDNAの複製・修復を司る因子群の生化学的な同定は、染色体の構造と機能の理解を飛躍的に前進させた。最近では、染色体やクロマチンの基本的な構造単位と機能単位の理解を背景に、急速な技術発展に伴って染色体研究のアプローチも先鋭化かつ多様化している。高次の染色体構造とその動態をより高い時空間分解能で解析することが可能になり、これまで踏み込まれることのなかったメゾ・スケールの染色体構造と機能との関わりが徐々に明らかにされつつある。本シンポジウムでは、新しい染色体生物学を切り拓く最先端のアプローチを紹介するとともに、そこから得られつつある最新の成果をもとに多角的な視点から染色体動態の理解を深める機会を提供したい。
動態学-生きた動きを解析する新しい生命医科学
オーガナイザー:石井 優(大阪大学)、和氣 弘明(神戸大学)
講演者・概要▼
講演者:菊田 順一(大阪大学)、椛島 健治(京都大学)、岡田 峰陽(理化学研究所)、山田 亮(京都大学)、和氣 弘明(神戸大学)
概 要:動物とは、その名の通り動く物である。我々生命体にとって、動くことはその本質であり、極めて厳密に制御されている。しかしながらこれまでのような、生物を殺してすりつぶして解析する要素還元的アプローチでは動きを解析することはできなかった。近年のイメージング技術や数理解析の長足の進歩により、生物を生きたままで解析し、多彩な細胞の動きを始めとして、生命動態の実体に迫ることが可能となってきた。本シンポジウムでは、この「動態学」とでも呼ぶべき、生命医科学の新しい潮流について紹介したい。
多次元速度論からの生物の理解
オーガナイザー:岡田 眞里子(大阪大学)、佐甲 靖志(理化学研究所)
講演者・概要▼
講演者:ジェームス フェレル(スタンフォード大学)、エドウィン ムンロ(シカゴ大学)、猪股 秀彦(理化学研究所)、高橋 聡(東北大学)、森 浩禎(奈良先端科学技術大学院大学)、岡村 康司(大阪大学)、佐甲 靖志(理化学研究所)、岡田 眞里子(大阪大学)
概 要:生物はそのものが時間発展のシステムです。生物の行動や性質は、その生物が持つ特有のかたちや遺伝子によって形成されますが、発生、分化、恒常性の維持のような生物が生きていく上で必要な 細胞や分子制御の機構には生物種を超えた多くの類似点があります。1900年初頭から中頃にかけて提唱された酵素反応速度論を代表とした生化学の理論は、2000年代になって、さまざまな生物システム の制御を説明する道具として大きく発展しました。本シンポジウムでは、一分子イメージング、オミクス、分子動力学シミュレーション、分子生物学、システム生物学などの最先端の実験・理論情報解析手法を用いた、タンパク質、核酸、細胞、個体を対象とした多次元の速度論的な制御を紹介します。約50年経った現代の生化学反応論についてさまざまな視点から議論し、生物階層にまたがって存在する生物理論の普遍性あるいは生物固有の特性について見直したいと思います。
がんゲノミクスの新しい波
オーガナイザー:間野 博行(国立がん研究センター研究所)、柴田 龍弘(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:白石 友一(東京大学)、片岡 圭亮(国立がん研究センター 研究所)、滝田 順子(東京大学)、藤本 明洋(京都大学)、谷内田 真一(大阪大学)、高阪 真路(国立がん研究センター 研究所)
概 要:米国TCGAや国際がんゲノムコンソーシアムといった大規模がんゲノムプロジェクトによって主要ながんにおけるドライバー遺伝子の全体像がほぼ明らかとなった。しかしこれらのプロジェクトは未治療症例の解析が主体であり、今後はこうしたビッグデータを活用したゲノム医療の実装化を進めながらも、まだ十分な治療成績が得られていない難治がん・転移・再発がんの治療開発や治療抵抗性機構の解明に向けた基礎研究が必要である。本セッションでは、がんゲノム領域で現在活躍している若手研究者を主体とした構成で、希少難治がんにおける新規ドライバー遺伝子の発見、新たな情報解析アプローチ、リキッドバイオプシーによる臨床応用まで最新の研究成果を共有し、広く活発な議論を行うことを目的とする。
脳タンパク質老化と神経変性
オーガナイザー:祖父江 元(名古屋大学)、長谷川 成人(東京都医学総合研究所)
共 催:新学術領域研究「脳タンパク質老化と認知症制御」
講演者・概要▼
講演者:長谷川 成人(東京都医学総合研究所)、永井 義隆(大阪大学)、漆谷 真(滋賀医科大学)
概 要:アルツハイマー病、パーキンソン病、ALSなどの神経変性疾患はその多くは病因・病態が未解明であり、有効な治療法が未だ開発されていない。本シンポジウムでは、正常に機能していたタンパク質がある時期から変質し、機能を失うあるいは伝播性を獲得し、神経細胞に対して毒性を持ち、神経変性を来たし最終的には認知症に至る過程、すなわち脳タンパク質老化に基づく神経変性について議論したいと思います。タンパク質老化と神経変性の機序解明と神経変性の予防と治療は今世紀の神経科学の極めて大きな課題です。本シンポジウムではさらに一歩踏み込んで、これら老化変性したタンパク質に対する特異抗体を使用する、あるいは神経変性の病態を担うタンパク質のmRNAのsplicingを調節するantisense oligonucleotide (ASO) を使用する神経変性疾患の治療法の開発についても報告される。神経変性疾患の克服に向けた現時点での最前線の研究を共有していただけたらと思います。
がん代謝の統合的理解:ワールブルグを超えて
オーガナイザー:曽我 朋義(慶應義塾大学)、中山 敬一(九州大学)
講演者・概要▼
講演者:曽我 朋義(慶應義塾大学)、中山 敬一(九州大学)、佐谷 秀行(慶應義塾大学)、佐々木 敦朗(シンシナティ大学)
概 要:哺乳動物の細胞は、好気条件では酸化的リン酸化反応によってATPを産生する。しかし、がん細胞は、酸素が十分に存在しても、代謝を解糖系にシフトしてATPを生産する。このがん細胞特異的な好気解糖は、ワールブルグ効果として名高い。近年のオミクス技術の登場によって、がん細胞は、好気解糖によってATPのみならず、核酸、タンパク質、脂質などの前駆体を産生したり、グルタミン代謝、One-carbon代謝などの代謝経路を亢進して増殖、転移、浸潤に必要な物質を産生したりしていることが判明した。研究者の興味が好気解糖に集中している時代は終わり、現在のがん代謝研究は、アミノ酸、ヌクレオチド、脂質なども含めた、より複雑なネットワークの理解とその機序の解明へと進展している。本シンポジウムでは、最新のオミクス技術の開発者およびオミクスを駆使してがん代謝を統合的に理解しようとしている研究者をお招きして、最新の研究内容を紹介して頂き、議論したい。
モデル生物から理解する感覚受容の新規メカニズム
オーガナイザー:富永 真琴(生理学研究所)、曽我部 隆彰(生理学研究所)
共 催:新学術領域研究「温度生物学」
講演者・概要▼

講演者:上川内 あづさ(名古屋大学)、久原 篤(甲南大学)、柴崎 貢志(群馬大学)、塩見 邦博(信州大学)、Jianguo Gu(アラバマ大学)

概 要:環境刺激の受容は生物の生存戦略にとって極めて重要であり、五感に代表される感覚の受容を担う分子群=感覚センサーはここ最近数多く明らかになってきた。しかし、環境刺激に応答するセンサーは応答メカニズムのごく一部であり、末梢から中枢に至る感覚受容プロセスの全容解明はこれから取り組むべき大きな課題である。そこにはセンサーの動作機構に加え、その下流およびフィードバック経路、センサー機能を修飾する上流経路、膜脂質との連関や、神経回路および細胞間相互作用、さらには環境に依存したセンサーおよび感覚神経機能の修飾や個体の適応など多層的なトピックを含む。本シンポジウムでは、進展著しい温度感覚とその生理応答を中心に、多様なモデル生物の特性を生かした感覚の分子メカニズム研究について最新の知見を紹介し、感覚生物学のこれからの展開について議論する。
免疫応答の制御機構
オーガナイザー:竹田 潔(大阪大学)、竹内 理(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:山崎 晶(大阪大学)、竹内 理(京都大学)、吉村 昭彦(慶応義塾大学)、高柳 広(東京大学)、竹田 潔(大阪大学)
概 要:近年、自然免疫・獲得免疫から成り立つ免疫システムの活性化の分子機構が明らかになってきた。それに伴い、免疫系の異常活性化が様々な疾患の病態に深く関わっていることも分かってきている。そのため、免疫系は様々なメカニズムでその活性が制御されている。その制御は、精巧な遺伝子発現制御はもちろんのこと、免疫応答の部位特異的な制御機構など、様々なメカニズムにより担われている。また宿主側因子だけでなく、腸内細菌などの外環境因子によっても、免疫系が絶妙に制御されていることも明らかになってきている。本シンポジウムでは、免疫応答の制御機構について、最先端の研究を行っている研究者に発表いただき、最新の知見を議論する。
組織の構築と修復を統御する微小環境の分子実体:細胞外マトリックス再発見
オーガナイザー:関口 清俊(大阪大学)、開 祐司(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:柳沢 裕美(筑波大学)、藤原 裕展(理化学研究所)、工藤 明(東京工業大学)、宿南 知佐(広島大学)、関口 清俊(大阪大学)
概 要:動物細胞は周囲の細胞外マトリックスとの相互作用を通じて、生存を維持し、増殖・分化を制御する情報を受け取っている。細胞外マトリックスはそれ自身がインテグリンリガンドとしてシグナルを伝達するだけでなく、周囲の細胞から分泌された増殖因子を捕捉し、増殖因子の活性や局在を制御する役割も担っている。また、細胞外マトリックスの"硬さ"が細胞分化を方向づけることが近年明らかにされている。本シンポジウムでは、組織の構築と修復・再生にかかわる細胞外マトリックスおよび関連因子の中から、我が国で発見されたものやその機能が我が国の研究者によって明らかにされたものに特にスポットライトをあてて、発見の経緯から最新の研究成果まで、日本発の細胞外マトリックス研究の最前線を紹介する。組織の構築と修復・再生を統御する細胞外微小環境としての細胞外マトリックスの重要性を再発見する機会となることを期待している。
ステムセルダイナミクス
オーガナイザー:佐藤 俊朗(慶應義塾大学)、田久保 圭誉(国立国際医療研究センター研究所)
共 催:新学術領域研究「ステムセルエイジングから解明する疾患原理」
講演者・概要▼
講演者:岩間 厚志(千葉大学)、藤井 正幸(慶應義塾大学)、佐田 亜衣子(筑波大学)、遠山 周吾(慶應義塾大学)、小野 悠介(長崎大学)、田久保 圭誉(国立国際医療研究センター研究所)
概 要:組織幹細胞は多能性幹細胞から産み出され、その後、一生を通して器官組織の恒常性維持を司る。組織幹細胞の動態は組織ごとに異なっており,一生を通してほとんど増殖しない細胞,傷害時に増殖して再生に寄与する細胞,常に増殖を繰り返す細胞など,多様なダイナミクスを示す.こうした組織幹細胞の性質は,加齢に伴って発症する疾患との関連が明らかになってきた.従来の研究は,研究技術の制約から定常時の幹細胞研究が主体であった.しかし,イメージング,単一細胞シークエンス解析,メタボローム解析,細胞系譜解析などの研究ツールの出現により,幹細胞ダイナミクスの解析が可能になってきた.本シンポジウムでは,組織幹細胞が恒常性維持・加齢・がん化などのコンテクストでどのような挙動を示していくか,様々な組織幹細胞の研究者の発表をベースに洞察を深めたい。

 

 

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