ご挨拶

この度日本臨床試験学会 第8回学術集会総会を2017年1月27日(金)、28日(土)に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて開催させていただくこととなりました。

今、わが国の臨床研究を取り巻く状況は「激動」といっていいほどの変革期にあります。後から振り返れば、2015年を中心とする前後数年間は、国内の臨床研究のターニングポイントと呼ばれるかもしれません。まず、2014年末に再生医療新法と医薬品医療機器等法が施行されました。2015年には、これまで「疫学研究」と「臨床研究」の2本立てだった倫理指針が「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」として一本化され、特に研究の信頼性確保や人材教育等について詳しく記載されました。また、医療法改正によって「臨床研究中核病院」が制定されました。日本の法律に「臨床研究」という用語が登場したのはこれが初めてではないでしょうか。年が明けた2016年には「拡大治験」という事実上のコンパッショネートユース制度が利用可能となり、4月からは患者申出療養制度も始まります。さらに、臨床研究法制化に向けた検討が続いており、第8回学術集会総会の頃には具体的な法案が公になっているかもしれません。この「激動」の根底には、医療関連技術の急速な発達・多様化があると思います。遺伝子治療、再生医療、ビッグデータ、ロボット技術など、これまでにない技術をどのように活用し評価していけばよいのか、今、世界中が考えています。そこで、第8回学術集会総会のメインテーマは「多様化する医療に臨床研究は対応できるのか?!」といたしました。1会場で2日間という時間的制約の中で、できるだけ幅広い話題を様々な角度から熱く議論できる「攻め」のプログラムを準備して、多数のご参加をお待ちしております。