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ワークショップ

ワークショップ日程表(pdf)

ワークショッププログラム詳細(pdf)

ワークショップ一覧

月 日 No. テーマ

第1日目
(12月9日(水))

1W1 メタボロミクスが解き明かす代謝生物学
1W2 p53研究のニューパラダイム
1W3 進化研究への新しい融合的アプローチ
1W4 ゲノム不安定性疾患の分子病態
1W5 染色体倍加装置のダイナミクス
1W6 多様性を生むRNAプログラム
1W7 核様体研究から見る微生物ゲノム情報の制御機構
1W8 シグナロソームを介した動・植物共有基盤原理
1W9 ナノバイオロジ-による基礎生物学の新展開
1W10 細胞質分裂マシナリーの構造・形成と進化
1W11 免疫発生を制御する細胞間クロストークの分子基盤
1W12 炎症と癌を繋ぐ転写因子NF-kB研究の最先端
1W13 モデル生物を用いた医・薬学研究
1W14 寄生・共生微生物によるパラサイト戦略
1W15 心臓大血管形成における器官形成メカニズムの普遍性と独自性

第2日目
(12月10日(木))

2W2 ユビキチンによる多彩な細胞機能制御メカニズム
2W3 遺伝情報場の構築とダイナミクスに迫る多角的アプローチ
2W4 染色体テリトリー・核内ドメインの構造機能研究の新展開
2W5 ウェット研究者が情報技術的に自立するために:統合データベースプロジェクトからの提案
2W6 環境ストレスとゲノム安定性
2W7 染色体分配と細胞周期進行
2W8 細胞による機械的ストレス感知の分子機構
2W9 難治性神経筋疾患に対する新世代の治療戦略
2W10 昆虫と関連生物の多様性と進化メカニズムをさぐる
2W11 サイトカイン制御因子による多様な生体調節
2W12 動植物の受精とアロ認証機構
2W13 幹細胞と糖鎖
2W14 Notchシグナル:セルバイオロジーから見えた新たな制御機構
2W15 翻訳後修飾・分解による細胞制御の構造生物学の最前線

第3日目
(12月11日(金))

3W2 ゲノムネットワーク解析が拓く新たな医療・バイオの世界
3W3 細胞周期とクロマチン制御
3W4 天然変性タンパク質による転写調節機構
3W5 多様な生命現象を担うTGF-βのバイオロジー
3W6 生殖隔離のメカニズムとゲノム進化
3W7 原核生物で新たに見いだされた細胞複製の基本分子機構
3W8 相同組換え研究の新展開
3W9 慢性炎症:生活習慣病・癌に共通する基盤病態
3W10 宿主・組織特異性を規定する宿主・寄生体インターフェイスの分子基盤
3W11 繊毛の形成機構と多彩な機能
3W12 小胞体・ゴルジ体における翻訳後修飾が可能にする新たな生体機能
3W13 脊椎動物器官形成研究の新展開
3W14 バイオイメージからの情報抽出:定量化とその先にあるもの
3W15 RNAとイントロン進化の最前線

第4日目
(12月12日(土))

4W2 細胞の極性化と遊走を制御する分子機構
4W3 TOR経路研究の最前線
4W4 血管多様性が生み出す生体機能と疾患
4W5 減数分裂の仕組み
4W6 地球温暖化防止への分子生物学の貢献ーバイオマスの完全糖化に向けたセルロソーム超タンパク質複合体の機能解明
4W7 インビボ分子生物学 〜光技術を駆使した新たな分子生物学〜
4W8 癌、生活習慣病の発現と時計遺伝子
4W9 テトラスパニン研究の新展開 〜分子レベルからみたその機能と疾患との関わり〜
4W10 発生タイミング:発育段階を調節する分子機構とその適応的意義
4W11 ファイトケミカルゲノミクスのための生物情報学
4W12 代謝適応と破綻にみる新たなミトコンドリア機能研究
4W13 ゲノム異常抑制における翻訳後修飾系の機能
4W14 遺伝子発現のセルバリアとしての核膜の構造・機能・ダイナミクス
4W15 クロマチン機能構造の階層性

ワークショップ概要

1W1
12月9日(水)13:15〜15:45
第1会場(会議センター1階・メインホール)
メタボロミクスが解き明かす代謝生物学
Metabolomics: A new approach to elucidating biology
オーガナイザー:
曽我朋義(慶應義塾大学)・江角浩安(国立がんセンター東病院)
代謝物は遺伝子と酵素の発現に基づいて生産される一方、代謝物の変動が遺伝子や酵素の発現を制御する。また、生体に不可欠であるエネルギーやDNA、タンパク質、脂質などの生体高分子の前駆体は代謝によって生産される。この複雑に相互作用している分子ネットワークの動的な振る舞いを解明しないかぎり、生命現象を包括的に理解することはできない。メタボロミクスは、細胞や生体内に存在する代謝物質の変化をバイアスのかからない手法で網羅的に探索し、生命現象を包括的に理解しようとする新たな方法論である。最近の分析技術、データ処理技術の発展に伴い、代謝産物の網羅的な測定が可能になり様々な分野で興味深い研究成果が生まれてきた。本シンポジウムでは、メタボローム解析を用いてヒトや哺乳動物の生命維持や疾患に関与する代謝調節機構の解明に取り組まれている研究者に最先端の成果を紹介して頂く。
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1W2
12月9日(水)13:15〜15:45
第2会場(会議センター3階・301)
p53研究のニューパラダイム
New Paradigm for Tumor Suppressor p53
オーガナイザー:
田中知明(千葉大学)・ 南野徹(千葉大学)
癌抑制遺伝子p53は、ゲノムの守護神とも呼ばれ、細胞周期停止や細胞老化、アポトーシス誘導を介して癌抑制機能を発揮しているが、他にも血管新生制御・紫外線による色素沈着など多彩な生理作用を有していることが報告されている。最近では、解糖系や細胞内ROS調節、ミトコンドリアの呼吸・エネルギー代謝、オートファジー等、新たな細胞生理機能に加えて、心血管系の制御や内分泌代謝調節など、正常細胞や組織・臓器における生理学的あるいは病理学的な役割がトップジャーナルに報告されている。本ワークショップでは、p53に関する最近のトピックを臓器横断的な視点と多様な分子作用メカニズムの観点から深く広く掘り下げることによって、p53研究の新たなる展開について議論したい。
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1W3
12月9日(水)13:15〜15:45
第3会場(会議センター3階・302)
進化研究への新しい融合的アプローチ
Integrative approaches towards evolutionary studies
オーガナイザー:
倉谷滋(理化学研究所)・ 阿形清和(京都大学)
生物の進化過程を発生を通じて研究する戦略にも新しい展開が訪れつつある。単に相同遺伝子の発現制御ネットワークの変容から、特定の動物群やそのボディプランの起源を問うのではなく、進化的変 化における概念的、機構的背景が本格的な問題とされるようになってきた。そこでは例えば、形態進化におけるモジュール構造の認識方法とその統合や乖離の検出、特定の淘汰において標的となる遺伝 子座の網羅的同定と機能的解析、種や科のレベルでの表現型進化におけるシス制御の変化の同定などを通じて、表現型とゲノム型の関係がいよいよ明らかにされつつある。本シンポジウムでは、数理生 物学、集団遺伝学、ゲノム科学などとの新しい統合を予感させる研究を集め、進化発生学の新しい方向性を模索した。
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1W4
12月9日(水)13:15〜15:45
第4会場(会議センター3階・303)
ゲノム不安定性疾患の分子病態
Molecular pathology of genetic instablity disorders
オーガナイザー:
菅澤薫(神戸大学)・ 関政幸(東北大学)
ゲノムDNAが損傷を受けた際に本来働くべき修復、あるいは細胞応答に関わる分子機構に異常を示すさまざまな遺伝性疾患が知られている。色素性乾皮症やウェルナー症候群、ブルーム症候群など、これらの疾患の多くが主にゲノムの不安定化に起因する高発がん性を示す一方、それぞれの疾患において神経変性、早期老化、成長遅延、運動障害、再生不良性貧血など、多様な病態の合併が見られる。これらの疾患の原因遺伝子、およびそのタンパク質産物の機能解析から、細胞のDNA修復や損傷応答に関わる分子機構の解明が進むのに伴い、生体内における高次制御機構や他の細胞機能とのクロストークに注目した新たな研究が展開されつつある。本ワークショップではゲノム不安定性疾患の原因遺伝子産物が関わる分子機構に焦点をあて、それぞれの疾患の病態発現機構の理解へ向けて最新の研究成果を基に討論を行う。
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1W5
12月9日(水)13:15〜15:45
第5会場(会議センター3階・304)
染色体倍加装置のダイナミクス
Molecular dynamics of chromosome doubling apparatus
オーガナイザー:
釣本敏樹(九州大学)・ 升方久夫(大阪大学)
真核細胞の増殖に伴い染色体を正確に倍加する過程では、複製が起点となって分配にいたるまでの多様な反応が、チェックポイント制御のもと緻密な連係をとって進行する。最近、複製装置の研究が発信源となって染色体倍加に係る反応装置の構成、実体が明らかにされつつある。本ワークショップでは、酵母からヒトまでの多様な材料について、染色体倍加装置の構成、連係、チェックポイント制御に関した研究を集め、最新の研究動向についてのreviewを行うとともに、細胞の分化、がん化、寿命との関わりを視点に入れて、今後の研究の展望についても議論する。
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1W6
12月9日(水)13:15〜15:45
第6会場(会議センター3階・ラウンジ)
多様性を生むRNAプログラム
Diversity achieved by RNA program
オーガナイザー:
井上邦夫(神戸大学)・ 稲田利文(名古屋大学)
生物の持つ複雑で巧妙な形態・機能の獲得には、RNAレベルでの遺伝子発現制御プログラムが重要な役割を果たしている。遺伝子発現の多様性を生む原動力となっている選択的スプライシングや選択的プロセシング、RNAエディティングなどは時空間特異的あるいは細胞環境による制御を受けており、これらの制御機構の破綻による疾患も注目されている。本ワークショップでは、多様性を生むRNAプログラムについて研究の現状を紹介し、今後の展望について議論したい。
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1W7
12月9日(水)13:15〜15:45
第7会場(会議センター3階・311+312)
核様体研究から見る微生物ゲノム情報の制御機構
New Frontier of Functional Regulation in the Nucleoid with High- Ordering Structure
オーガナイザー:
山本兼由(法政大学)・ 大島拓(奈良先端科学技術大学院大学)
ゲノムDNAの規則的な折りたたみ構造や、その構造変化による転写制御は、真核細胞においてのみ見出される現象だと考えられてきた。しかしながら、近年、バクテリア細胞内に豊富に存在するDNA結合タンパク質(核様体タンパク質)が、バクテリアの核というべき核様体の規則的な構造を構築している可能性が示されている。このような核様体タンパク質は多くの遺伝子の発現を強く抑制しており、核様体タンパク質と競合的に働く転写制御因子や生育環境の変化による脱抑制の仕組みが明らかとなりつつある。さらに、核様体タンパク質による転写抑制が外来から取り込まれた遺伝子群に対して積極的に機能しており、バクテリアの多様性維持に寄与していると考えられている。これらの知見は、バクテリア核様体が、真核細胞の染色体と同様に、高度な構造を保持し、遺伝情報の発現制御、伝播、分配を行っている可能性を示している。本ワークショップでは、様々なバクテリアの生命現象を支える核様体の最新知見を基に、核様体研究の今後の展望ついて議論する。
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1W8
12月9日(水)13:15〜15:45
第8会場(会議センター3階・313+314)
シグナロソームを介した動・植物共有基盤原理
Signalosome-mediated basic principles common to plants and animals
オーガナイザー:
加藤順也(奈良先端科学技術大学院大学)・ 松井南(理化学研究所)
シグナロソームとは、その名のとおり、外部シグナルを細胞内信号に変換し種々の細胞応答を誘導する高次生命調節機構(蛋白質複合体)であり、最初植物で光形態形成の抑制因子として発見されたが、今では、酵母から高等植物・哺乳動物に至るまで非常に高度に保存され、広範囲の生物学的応答反応に関与することが報告されている。また、プロテアソームLid複合体やタンパク質合成に関与するeIF3複合体との類似性から、タンパク質の分解と合成が細胞内の信号により協調的に調整される可能性が指摘されている。本ワークショップでは、エンドサイクルにかかわる分子的経路との関係の解明、Cullin-RINGユビキチンリガーゼの活性制御、(脱)Nedd8化経路との関係に注目するほか、シグナロソーム機能と関係の深い研究項目を重視し、「シグナロソーム研究」の推進により、「動物と植物の間で真に共有した基盤」を探り、新たな原理の発見を目指す。
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1W9
12月9日(水)13:15〜15:45
第9会場(会議センター4階・411+412)
ナノバイオロジ-による基礎生物学の新展開
Nanobiology as a foundation of basic biology
オーガナイザー:
嶋本伸雄(国立遺伝学研究所)・ 竹安邦夫(京都大学)
分子生物学の「分子」が実はDNAを意味したように、ナノバイオロジーの「ナノ」は実際には分子を意味している。ナノバイオロジーも20年を過ぎ、1分子ダイナミクスや1分子メカニクス等による分子機構の解明の例も蓄積しつつある。しかし、多分子の挙動の平均を1分子の動きに分解することが、常に意味を持つわけではなく、ナノ操作ナノ計測は、イメージングや計測による単なる分子的記述や確認実験に傾きがちである。生物学は、いくつかのミクロとマクロの技術を組み合わせて始めて新しいものが出てくる成熟度に達している。生理機構の解明や生理的な現象から概念を導く、基礎生物学としての深みには到達していない研究も多い。ナノバイオロジーを、基礎生物学に役に立つようにするには、どのような生物学的手法と組み合わせるのが最適なのか、その限界はどこにあるのか示すためには、分子から生理までいくつかのレベルを貫徹した研究が要求される。このように、ナノバイオロジーを基礎生物学にとって有効な基軸技術の一つにするための展開を議論したい。
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1W10
12月9日(水)13:15〜15:45
第10会場(会議センター4階・413)
細胞質分裂マシナリーの構造・形成と進化
Structural and molecular evolution of the machinary of cytokinesis in eukaryotic cells
オーガナイザー:
細谷浩史(広島大学)・ 村田隆(基礎生物学研究所)
動物、酵母、細胞性粘菌などの多くの生物で、細胞質分裂はアクチン・ミオシン系からなる収縮環に依存する。しかし、分裂位置の決定、収縮環の形成機構、収縮環の微細構造と収縮機構など多くが未解明のままである。収縮環の収縮後に娘細胞間が切断されるが、その機構も不明である。 一方、陸上植物の細胞は収縮環を形成せず、娘細胞切断と似た細胞板形成により分裂する。また、最近、原始紅藻類では収縮環を作らないものや始原的な収縮環様構造を作るものが見つかった。収縮環を含む分裂マシナリーの構造と機能を多様な生物で解析することは、分裂マシナリーの誕生と進化の機構を俯瞰的に議論するために極めて重要である。我が国には、藻類から高等動植物に至る多様な生物における細胞質分裂の若手研究者が多く存在する。本ワークショップでは、これらの国内の研究者を中心に、真核細胞に普遍的な細胞質分裂の分子機構を議論する予定である。
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1W11
12月9日(水)13:15〜15:45
第11会場(会議センター4階・414+415)
免疫発生を制御する細胞間クロストークの分子基盤
Lymphostromal crosstalks in immune system development
オーガナイザー:
秋山泰身(東京大学)・ 高浜洋介(徳島大学)
リンパ組織の発生や微小環境維持には、リンパ球と環境を形成する細胞間のコミュニケーションが不可欠である。この細胞間コミュニケーションは、多くの場合で双方向的に作用する。すなわち両者は分化、増殖、生存を互いに制御し合う(クロストーク)ことで、リンパ組織を形成、維持する。一次リンパ組織の1つである胸腺の発生は、Tリンパ球と環境を構成するストローマ細胞の分化が協調して進行し、異種細胞間のクロストークが劇的に作動する代表例である。そして近年、胸腺発生のクロストークを担う細胞外リガンドやレセプター、そして細胞内因子の分子ネットワークが急速に明らかとなりつつある。本ワークショップでは、Tリンパ球と胸腺ストローマ構成細胞に関し、各々の発生を司る分子機構とともに、両細胞間のクロストークを担う分子基盤に関して議論する。また他のリンパ組織発生や維持に関する話題も取り入れ、免疫発生で共通する動作原理を探求する。
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1W12
12月9日(水)13:15〜15:45
第12会場(会議センター4階・416+417)
炎症と癌を繋ぐ転写因子NF-kB研究の最先端
Leading-edge research on NF-kB, a mediator of inflammation and cancer development
オーガナイザー:
井上純一郎(東京大学)・ 山岡昇司(東京医科歯科大学)
転写因子NF-kBは広範な生命現象を制御することが明らかにされており、近年急速なスピードでその活性化の分子機構が明らかにされつつある。癌化や癌の悪性化には、間質細胞が形成する微小環境と癌細胞との相互作用が重要な役割を果たすが、その中心的な役割を果たすのが転写因子NF-kBである。中でもマクロファージや樹状細胞等の間質細胞が関与する炎症反応では、間質細胞から分泌された種々のサイトカインが癌細胞に働いてその増殖や悪性化を誘導すると考えられているが、その際NF-kBは癌細胞と間質細胞の両者で活性化され、この癌細胞-間質細胞相互作用の進行に関与している。従って、NF-kB経路を標的としたがん治療法が多いに期待されるが、特異性あるいは副作用と言った面から解決しなくてはならない問題点が多い。そこで本ワークショップでは、癌細胞や間質細胞等におけるNF-kBに関連する最先端の研究成果を紹介していただき、NF-kB経路を標的とした癌治療の妥当性についても議論したい。
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1W13
12月9日(水)13:15〜15:45
第13会場(会議センター5階・501)
モデル生物を用いた医・薬学研究
Frontier medical research using model animals
オーガナイザー:
石田直理雄(産業技術総合研究所)・ 野地澄晴(徳島大学)
医学研究において、原因遺伝子やその経路が未解明な疾患はまだ多く残されている。その中には統合失調症を始めとする精神病、躁うつ病や睡眠障害等の体内時計分子機構と深く関わる疾患、パーキンソン病や筋ジストロフィーのような行動失調が含まれる。これら謎の多く残されている疾患を研究するのにマウスばかりでなく、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュのような分子遺伝学的解析の容易な生物は今や必須となっている。モデル生物を用いて医学に貢献している一線の研究者を集め、それぞれの動物の持つ利点、欠点を含め病気の現状についても議論したい。
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1W14
12月9日(水)13:15〜15:45
第14会場(会議センター5階・502)
寄生・共生微生物によるパラサイト戦略
Dissecting mechanisms of "sharp tricks" in symbiosis and parasitism
オーガナイザー:
山本雅裕(大阪大学)・ 嘉糠洋陸(帯広畜産大学)
感染症を生物学的に見つめなおすと、その根幹を成すのは「ウイルス・細菌・寄生虫」などの多様な微生物が、ホストとなる生物(宿主)に依存して増殖するという、「パラサイト(寄生・共生)」と表現される極めてシンプルな生命現象であることに気が付く。これらの微生物は、巧みなストラテジーによって宿主のもつ生体防御機構から逃れ、またその特殊な宿主内の環境に適応し、生存に必要な状態を作り上げる。近年のこのような寄生・共生の複雑な生存戦略の解明は、感染症の克服という重要な課題に加え、極めて興味深い生物学的パラダイムをもたらしつつある。本ワークショップでは、最近のゲノミクス・新手法によるアプローチ・新しいモデルの導入などにより次々と明らかになったこれらのパラサイト分子戦略について、感染症の征圧にむけた将来像を踏まえ、寄生・共生という美しい生命現象に魅せられた気鋭の研究者らの手によって概説したい。
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1W15
12月9日(水)13:15〜15:45
第15会場(会議センター5階・503)
心臓大血管形成における器官形成メカニズムの普遍性と独自性
Universal and unique features of heart development: insights into the mechanisms of general organogenesis
オーガナイザー:
三浦直行(浜松医科大学)・ 栗原裕基(東京大学)
器官はもともと違った部位にあった原基細胞が移動し、左右が融合し、領域化が進み、各部位は個別の増殖・分化を行なう。例えば、心臓大血管は左右外側中胚葉にある一次心臓予定領域および二次心臓予定領域の細胞が左右から正中部位に移動し、融合して直線状の原始心筒を作る。次に、右側に屈曲して前後の領域が左右に位置するようになる。そののち、心室、房室管、心房、動脈幹は独自の増殖と分化をおこし、各領域は個別化を遂げる。心臓の形成とともに、神経堤細胞が大動脈や動脈幹領域まで移動し、心臓流出路の形成にあずかる。このような心臓形成の過程は、他の器官形成との共通メカニズムと独自のメカニズムを併用することで、成し遂げられている。例えば、予定領域の誘導、細胞の移動、左右原基の融合、器官の回転、左右の認識、増殖と分化の連関などは器官形成に共通するメカニズムと考えられる。一方、血流による増殖・分化・細胞運命の決定、内皮-間葉転換、などは独自のメカニズムにあたると思われる。本シンポジウムでは、器官形成の普遍性と独自性という観点から心臓大血管形成過程における分子メカニズムについて考察を行ないたい。
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2W2
12月10日(木)13:15〜15:45
第2会場(会議センター3階・301)
ユビキチンによる多彩な細胞機能制御メカニズム
Diverse roles of ubiquitin in regulating cellular functions
オーガナイザー:
岩井一宏(大阪大学)・ 中山和久(京都大学)
ユビキチン修飾系はエネルギー依存的タンパク質分解系の一部として発見され、近年その生物学における重要性が多くの研究者の手によって明らかにされてきた。しかし、多様なポリユビキチン鎖や多くの脱ユビキチン化酵素の発見なども相まって、現在ではユビキチン系はタンパク質分解の枠組みを遙かに凌駕し、多彩な様式でタンパク質の機能を制御する翻訳後修飾系であると認識されている。加えて、ユビキチン化を選択的に認識するユビキチン結合分子も数多く同定され、その構造も明らかになりつつあるなど、ユビキチン化によって惹起される現象を分子レベルで理解する基盤が整いつつある。本ワークショップでは分解・メンブレントラフィック・シグナル伝達などの細胞機能を、ユビキチン修飾系を切り口に横断的に議論し、ユビキチンの織りなす世界を俯瞰してみたい。
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2W3
12月10日(木)13:15〜15:45
第3会場(会議センター3階・302)
遺伝情報場の構築とダイナミクスに迫る多角的アプローチ
Approaches for understanding the physicochemical field for genetic activities
オーガナイザー:
木村暁(国立遺伝学研究所)・ 小布施力史(北海道大学)
「遺伝情報をどのように空間的に収納し、効率よく適時的に発現し、正確に継承するのか」その理解のためには、一次元のDNA配列を越えて、染色体の物性や形状あるいは三次元の配置など遺伝情報をとりまく時空間的な「場」を理解する必要がある。そのために、遺伝情報制御の分子基盤・構造基盤をスナップショット的に捉えるのみならず、時空間的に動的な挙動をその機能とともに捉える新たなアプローチが果たす役割は大きい。本ワークショップでは、生細胞イメージング、1 分子計測、プロテオミクス、構造生物学、シミュレーションなどを交えた多角的な解析により、遺伝情報の時空間場を形成する細胞核あるいは染色体の分子基盤・構造基盤とそのダイナミクスを捉えるアプローチについて紹介して頂き、今後この研究分野の展望について概観する。発表は討論を含めて一人13分ほどとし、多くの比較的若い演者に発表してもらい、多様な視点からの議論を盛り上げたい。
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2W4
12月10日(木)13:15〜15:45
第4会場(会議センター3階・303)
染色体テリトリー・核内ドメインの構造機能研究の新展開
Novel insights into the roles for the spatial organization of chromosome territories and nuclear domains
オーガナイザー:
田代聡(広島大学)・ 柴原慶一(国立遺伝学研究所)
細胞核はその複雑な構造とダイナミックな性質により、遺伝情報の制御、遺伝子の複製、損傷修復など様々な生命活動プロセスの中心的な役割を担っている。細胞固有の機能特異性を説明する機構の一つとして、高度に組織化・区画化された染色体とその構造変換が想定されており、細胞分化の過程や染色体の活性状態の違いで染色体の占める核内配置やその形状(染色体テリトリー)が変化することが証明されつつある。一方で近年、細胞核内に蛋白質やRNAなどからなる多種多様な核内構造体(核内ドメイン)が存在し、それらが細胞核機能と密接に関連していることも明らかになってきた。これら核内ドメインは、常に集合と離散を繰り返し、相互作用を確立・消去しながら細胞のアイデンティティーの決定に貢献していると考えられる。しかし、染色体テリトリーや核内ドメインの構造・形成のメカニズムとその機能解明の研究は国内外を問わずに黎明期にあり、未解決な点も多い。本ワークショップでは、現在も進展しつつある「核内構造の基本原理と機能構造相関における新たなコンセプト」に関する最新の研究結果を発表・議論し、この研究分野の推進をはかることを目的とする。
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2W5
12月10日(木)13:15〜15:45
第5会場(会議センター3階・304)
ウェット研究者が情報技術的に自立するために:統合データベースプロジェクトからの提案
What every wet-lab scientist should know about bioinformatics and databases.
オーガナイザー:
中村保一(国立遺伝学研究所)・ 川本祥子(ライフサイエンス統合データベースセンター)
現在の分子生物学に顕著な特徴のひとつとして、オミクスに代表される大規模解析実験系プロジェクトを基盤とした発展が挙げられる。これらのプロジェクトから生み出されるデータ量は膨大であり、データハンドリングはおろか、その全体を一望のもとに把握することさえ実験生物学者には困難となってきている。こうした大規模情報の公開のため数多くのデータベースが構築されているが、その活用方法に関する情報を得ることも実は容易ではないという現状がある。このワークショップは、統合データベースセンターからの情報技術活用の提案とともに、ウェット研究者がデータベース由来の情報を活用した事例や、利用に際しての問題点などの実例を集め共有することで、実験生物学者の情報技術的な自立を促すための情報提供と議論の場としたい。議論を通じ、実験生物学者にとって真に役立つバイオインフォマティクスのツールとデータベースの活用知識が形成されることが目標である。
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2W6
12月10日(木)13:15〜15:45
第6会場(会議センター3階・ラウンジ)
環境ストレスとゲノム安定性
Genomic stability under environmental stress
オーガナイザー:
関口睦夫(福岡歯科大学)・ 真木壽治(奈良先端科学技術大学院大学)
環境と生物の関係はこれまで個体あるいは集団のレベルで捉えられてきたが、生物のもつ可能性や可塑性とその限界を知るには、ゲノム安定性に関わる生体内の諸機構とそれを司る機能分子の働きを通じて理解する必要がある。本ワークショップでは生物の環境ストレスに対する応答として、ゲノムの維持機構が如何に関わっているのか、最新の話題を紹介し議論したい。
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2W7
12月10日(木)13:15〜15:45
第7会場(会議センター3階・311+312)
染色体分配と細胞周期進行
Chromosome segregation and cell cycle progression
オーガナイザー:
丑丸敬史(静岡大学)・ 山本歩(静岡大学)
複製された染色体が分配され二個の細胞に分裂する分裂期はもっとも細胞がダイナミックに変化する時期であり、その制御は精緻を極めている。その制御の破綻は染色体異状による細胞死や細胞の癌化を招く。サイクリン/CDK活性の変化が分裂期の進行に必要であり、染色体の分離、分配もサイクリン/CDKによって的確に制御されている。しかし最近の研究の進展により、染色体が、紡錘体チェックポイントなどを介してサイクリン/CDK活性を制御することで細胞周期進行をコントロールしていることが明らかになりつつある。本ワークショップでは、酵母から哺乳類における染色体分配と細胞周期進行との連携機構研究の最新のトピックについて紹介し、本研究分野の到達点と新たな問題点を共有し更なる発展の礎としたい。
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2W8
12月10日(木)13:15〜15:45
第8会場(会議センター3階・313+314)
細胞による機械的ストレス感知の分子機構
Molecular and cellular mechanisms of mechanosensing
オーガナイザー:
二川健(徳島大学)・ 武田伸一(国立精神・神経センター 神経研究所)
重力や圧力など機械的ストレスを感知しうる分子(センサー)が次々に報告されている。一方、廃用性筋萎縮や骨粗鬆症のようにその感知システムの異常が原因と考えられる疾患も増加の一途をたどっている。これら疾患の新規治療法を開発するには、機械的ストレスに対する細胞固有の感知機構を分子レベルで明らかにしなければならない。本シンポジウムでは、機械的ストレスセンサーから疾患までを網羅的に議論できる国内外のスペシャリストを招集する。具体的には、筋肉、骨、血管、皮膚や脂肪細胞など、機械的ストレスに感受性の高い臓器・細胞のストレス感知機構と疾患についての発表を行い、各臓器固有のストレス感知システムやその制御方法について議論を深めたい
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2W9
12月10日(木)13:15〜15:45
第9会場(会議センター4階・411+412)
難治性神経筋疾患に対する新世代の治療戦略
Emerging Therapeutic Modalities for Neuromuscular Disorders
オーガナイザー:
大野欽司(名古屋大学)・ 石浦章一(東京大学)
神経変性疾患や骨格筋疾患には有効な治療法が存在しない難治性疾患が多い。近年、神経・筋疾患の分子病態機構の解明が進むとともに、それぞれの病態分子機構に基づいた新しい病態制御研究が盛んに行われてきている。このワークショップでは難治性神経変性疾患・骨格筋疾患の最先端の病態制御研究を紹介したい。予定をしている演題は、球脊髄性筋萎縮症に対するアンドロゲン受容体機能抑制治療法、アルツハイマー型認知症およびパーキンソン病に対する分子状水素による抗酸化療法、ジストロフィンが繰り返し配列をもつ構造タンパクであることを生かしたエクソンスキッピング治療法、コラーゲンQが分子自身が組織標的シグナルを持つ細胞外分子であることを利用したタンパク標的療法、そして糖鎖形成不全の分子治療などであり、新しい世代の治療戦略を提案したい。
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2W10
12月10日(木)13:15〜15:45
第10会場(会議センター4階・413)
昆虫と関連生物の多様性と進化メカニズムをさぐる
Diversity and evolution of insects and related species
オーガナイザー:
林茂生(理化学研究所)・ 相垣敏郎(首都大学東京)
昆虫は地球上の広汎な地域でnicheを獲得して多様な進化を果たしてきた。その要因には優れた感覚受容と運動能力、長距離の移動を可能にした翅の獲得、多様な食性、植物などとの共生、捕食者の眼を欺く擬態、そして高度な社会性コロニーなどが挙げられる。これらの特性は生得的なもので遺伝子により規定されていると考えられるがその実体の解明は困難を極めていた。しかし近年の比較ゲノム研究の進展は、ゲノムの進化が各種昆虫種に固有な特性の出現にどのように寄与してきたのかを、研究が先行しているモデル昆虫や他の節足動物との比較の上で調べる絶好の機会を提供することとなった。本ワークショップでは多様性と進化に関連して昆虫および関連研究生物種で活発な研究を行っている内外の若手研究者を演者に招き議論の場としたい。ポスター演題からも演題を採択する予定である。
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2W11
12月10日(木)13:15〜15:45
第11会場(会議センター4階・414+415)
サイトカイン制御因子による多様な生体調節
Multiple control of cytokine regulators in homeostasis and host defense
オーガナイザー:
益見厚子(国立感染症研究所)・ 田村智彦(横浜市立大学)
ウイルスや細菌による感染に応答して生体がインターフェロン(IFN)などのサイトカインを産生することは感染防御において極めて重要である。サイトカインの遺伝子及び蛋白レベルでの発現、ならびにサイトカインへの応答は精密に制御されており、その機構に障害があると免疫不全や、逆に自己免疫を生じ得る。また、サイトカイン発現・応答に関わる制御因子が、例えばインターフェロン制御因子(IRFs)やNF-κB等の転写因子ファミリーのように、免疫応答のみならず細胞の分化や増殖・アポトーシスの制御など生体調節のより広い局面において重要な役割を果たしていることが示されてきている。今回のワークショップでは、サイトカイン、IFN系に関わる制御因子を培養細胞および個体レベルで欠失または過剰発現させること等によって生体調節機構を解明する研究内容を中心に取り上げる。
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2W12
12月10日(木)13:15〜15:45
第12会場(会議センター4階・416+417)
動植物の受精とアロ認証機構
Fertilization and allogeneic authentication mechanisms in animals and plants
オーガナイザー:
岩野恵(奈良先端科学技術大学院大学)・ 澤田均(名古屋大学)
有性生殖により遺伝的に多様な子孫を増やすためには、遺伝的に異なる相手が作った配偶子を選ぶためのアロ認識と、配偶子が融合する受精が成功の鍵となる。これらのしくみ(ここでは総称して「アロ認証」とよぶ)は、長らく各生物種に特異的なシステムとして捉えられ研究されてきた。しかし近年の研究から、原索動物ホヤ類の自家不稔性と被子植物における自家不和合のシステムが酷似していることや、植物の受精の膜融合因子が動物にも存在することが、明らかにされている。また配偶子の融合メカニズムについても、遺伝子改変動物を用いた解析から従来のパラダイムが覆され、混沌とした状況にある。そのような状況下、新たな融合因子やメカニズムが提唱され、受精研究は新展開を見せ始めている。本ワークショップでは、有性生殖の要となる受精のメカニズムについて、動植物の枠をこえて研究者が集まり、それぞれの見地からの検証を議論することにより、この分野における飛躍的な進展を目指す。
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2W13
12月10日(木)13:15〜15:45
第13会場(会議センター5階・501)
幹細胞と糖鎖
Glycan in stem cells
オーガナイザー:
西原祥子(創価大学)・ 等誠司(医薬基盤研究所)
細胞表面には様々な糖鎖修飾を受けた糖タンパク質や糖脂質が存在し、細胞間の情報伝達、細胞間基質との相互作用、細胞外因子からのシグナル伝達を制御している。これらの糖鎖構造は発生過程で顕著な変化を示し、その一部は、胚性幹細胞(ES細胞)や組織幹細胞のマーカーとなっている。例えば、SSEA-1は未分化なマウスES細胞、SSEA-4は未分化なヒトES細胞のよいマーカーであり、分化にともなって速やかに発現が低下する。幹細胞表面に存在する糖鎖に加え、細胞間基質にある糖鎖はニッチとしての役割が期待される。この様な細胞表面やニッチからの糖鎖を介したシグナルは、幹細胞の未分化性・多能性の維持および分化に深く関わっていると考えられる。本ワークショップでは、ES細胞をはじめとする各種幹細胞における糖鎖に焦点を置き、(1)幹細胞表面の糖鎖構造、(2)その解析手段、さらには、(3)各種糖鎖構造の機能を紹介し、幹細胞を制御するシグナル伝達の基地となる糖鎖の可能性、糖鎖研究と幹細胞研究の新たな融合について議論する。
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2W14
12月10日(木)13:15〜15:45
第14会場(会議センター5階・502)
Notchシグナル:セルバイオロジーから見えた新たな制御機構
Notch Signaling: New Regulatory Mechanisms Revealed By Cell Biological Studies
オーガナイザー:
北川元生(千葉大学)・ 松野健治(東京理科大学)
Notch受容体を介するシグナル伝達系(Notchシグナル伝達系)は、細胞間の接触によって活性化され、様々な組織においてその発生や恒常性の維持に重要な役割をはたす。Notchシグナル伝達系は進化的に広く保存されており、ヒトにおけるその異常は、乳がん、白血病などのがんや、各種心疾患、脳血管障害の原因となる。ここ数年の研究の進展にともない、Notch受容体やそのリガンドのエンドサイトーシスや小胞輸送が、シグナル伝達の制御において極めて重要な役割をはたすことが明らかになってきた。また、従来から注目されてきた糖鎖結合やリン酸化等の翻訳後修飾による調節にも新たな知見が加わっている。これらの成果より、Notchシグナルが、細胞の基本的な機能と密接に連携して制御されている姿が見えはじめた。本ワークショップでは、海外からの招待演者、公募した演者に最新の研究成果を紹介していただくとともに、今後の研究の展開を見据えた議論を深めたい。
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2W15
12月10日(木)13:15〜15:45
第15会場(会議センター5階・503)
翻訳後修飾・分解による細胞制御の構造生物学の最前線
Forefront of structural biology into cell regulation mechanisms by post-translational protein modification and degradation
オーガナイザー:
箱嶋敏雄(奈良先端科学技術大学院大学)・ 深井周也(東京大学)
細胞内シグナル伝達や転写制御は,幾つものタンパク質間の特異的な会合やリン酸化のみならず,ユビキチン化やアセチル化等の翻訳後修飾や分解を介して制御される.最近になって,これらの修飾・分解を制御するタンパク質複合体の構造研究の成果が国内外から相次ぎ,Nature誌等に発表されて,分子生物学や基礎生物学・医学全般に強いインパクトを与えている.本シンポジウムでは,脱ユビキチン化酵素・基質の複合体,ヒストンシャペロンとアセチル化Lys認識ドメインとの複合体,あるいは「ユビキチン化シャペロン」としての植物ホルモン受容体等の,世界をリードしている最新の三次元構造データを持ち寄って,翻訳後修飾や分解による細胞機能の制御を,タンパク質の原子レベルでの精密な構造と,特異的な分子間相互作用の言葉で記述するともに,急展開する当該分野の将来を展望する.
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3W2
12月11日(金)13:15〜15:45
第2会場(会議センター3階・301)
ゲノムネットワーク解析が拓く新たな医療・バイオの世界
Genome network analysis opening the world of new biology and medical care.
オーガナイザー:
宮本悦子(慶應義塾大学)・ 柳川弘志(慶應義塾大学)
ポストゲノム解析において,生命の基本単位である細胞における生命プログラムを解明し、生命の仕組みを理解し,それらの知見を病気の診断や治療に役立てて行くことが所望されている.そのためには,細胞の全体像を把握する解析能力を持つ革新的ツールによる大量かつ多面的なゲノム情報の解析が必要となる.次世代シーケンサーなどの登場により,ゲノムレベルのオミックス情報の新しい大容量データが産出され、これらのデータを利用した転写制御や翻訳制御ネットワークなどを理解するための様々な解析が始まっている.しかしながら,これらオミックスデータの利用方法や統合解析などはまだ試行錯誤のただ中にあり,生命の仕組みを理解し、得られた知見を病気の診断や治療に役立てるための道筋は明確ではない.本ワークショップでは、様々な立場の研究者によるゲノムネットワーク解析からのバイオや医療への取り組みをご講演いただき,ポストゲノム時代に革命をもたらしつつある次世代シーケンサーを利用した新しいオミックス解析実験の紹介やその利用方法の可能性などについても議論する.
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3W3
12月11日(金)13:15〜15:45
第3会場(会議センター3階・302)
細胞周期とクロマチン制御
Cell cycle and chromatin regulation
オーガナイザー:
北川雅敏(浜松医科大学)・ 中山敬一(九州大学)
細胞周期の正確な進行、停止は増殖、発生、分化等多くの生命現象の分子基盤である。これまでサイクリンCDKやその標的分子のタンパクレベルでの活性制御機構を中心に研究が進んできた。一方で最近、ヒストンコードやノンコーディングRNAがクロマチン制御を介して様々な生命現象に関与していることが明らかになってきた。本ワークショップでは、クロマチン制御分子やノンコーディングRNAによる細胞周期の制御に特に焦点を当てた新しい細胞周期研究を紹介する。
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3W4
12月11日(金)13:15〜15:45
第4会場(会議センター3階・303)
天然変性タンパク質による転写調節機構
Transcriptional regulation by intrinsically disordered proteins
オーガナイザー:
西村善文(横浜市立大学)・ 菅瀬謙治(サントリー生物有機科学研究所)
従来の構造生物学では、タンパク質の機能は立体構造を決定することによって解明されると考えられてきたが、近年、この考えに収まらない天然変性タンパク質と呼ばれる特異な存在が明らかにされ始めた。天然変性タンパク質は、遊離状態では全体または長い領域で変性状態にあるが、他のタンパク質や核酸と結合すると特定の立体構造に折り畳まれる。興味深いことに、網羅的な配列解析から転写因子の実に約7割が天然変性状態にあることが示唆されている。この数の多さからも、天然変性タンパク質の挙動の理解は、転写調節の機構を解明する上で、避けて通れない重要な研究課題と言える。しかしながら、このような天然変性タンパク質の特異な性質や概念が分子生物学関連研究者に深く浸透しているとは言い難い。そこで本シンポジウムでは、転写調整に関わる天然変性タンパク質の役割や存在意義を明らかにするとともに、構造生物学や分子生物学の研究者間の議論を通して転写調節機構の本質に迫る。
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3W5
12月11日(金)13:15〜15:45
第5会場(会議センター3階・304)
多様な生命現象を担うTGF-βのバイオロジー
Biology of TGF-β: a key regulator in a diverse array of biological phenomena
オーガナイザー:
宮澤恵二(山梨大学)・ 伊東進(筑波大学)
TGF-βシグナルは、細胞間コミュニケーションに不可欠なシグナル系であり、線虫からヒトに至るまでシグナル伝達系がよく保存されている。TGF-βシグナル伝達の研究は、細胞内シグナル伝達分子であるSmadの発見を契機に1990年代後半に急速な展開をみせた。それから10年余、大きな興奮の時期は過ぎたものの、Smad分子は、時空間特異的に機能を持つ様々な細胞内情報伝達分子と協調作用し、発生初期から成熟個体に至るまでの広範な生命現象に深く関わっていることが解明されてきた。特に、胚性幹細胞維持、免疫調節、血管発生、癌幹細胞等の高次生命現象におけるTGF-βシグナルの調節機能の重要性は近年、ますます明らかにされつつある。また、Smad分子が司るシグナル系の異常が、発がんや先天性疾患の要因となることもよく知られるようになった。本ワークショップではTGF-βシグナルのバイオロジーの広がりを俯瞰しなおし、難治性疾患治療や再生医療への応用という視点を意識した今後の研究展開を考える。
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3W6
12月11日(金)13:15〜15:45
第6会場(会議センター3階・ラウンジ)
生殖隔離のメカニズムとゲノム進化
Mechanisms for reproductive isolation and their relation to genome evolution
オーガナイザー:
倉田のり(国立遺伝学研究所)・ 東山哲也(名古屋大学)
生物の受精後隔離はゲノム(種)進化の原動力となり、さらなる多様性を生み出す。生殖の過程で働く遺伝子のいくつかは、遺伝的に差のある系統間のハイブリッドではしばしばその機能に齟齬を来し、生殖的隔離障壁となる。ゲノム進化における生殖的隔離の様相は、近年Drosophilaを中心に幾つかの原因遺伝子が明らかになり進展しつつあるが、隔離障壁の全体像はなかなか掴めない。植物は生殖のシステムや発生過程が動物と大きく異なるが、生殖過程において種の特異性やゲノム分化にかかわる幾つかの重要な遺伝子がごく最近クローニングされはじめた。これらの遺伝子の興味ある解析結果と生殖や発生とのかかわり合いと共に、ゲノム進化においてこれらの遺伝子の果たす役割などの話題も含めて議論する。本ワークショップでは植物を中心に、動物の話題提供も受けて企画する。
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3W7
12月11日(金)13:15〜15:45
第7会場(会議センター3階・311+312)
原核生物で新たに見いだされた細胞複製の基本分子機構
Frontea of Bacterilal Cell Duplicaition
オーガナイザー:
小笠原直毅(奈良先端科学技術大学院大学)・ 仁木宏典(国立遺伝学研究所)
原核細胞の複製や細胞分裂などの増殖機構に関して、ゲノム情報や細胞生物学的なアプローチを駆使した研究から、これまでの概念を変えるような巧妙な細 胞内分子動態 が最近、次々と発見されている。細胞骨格タンパク質の発見はその最も象徴的な例であり、真核細胞に共通する増殖の基本メカニズムがあぶり出さ れてきた。さらに、染 色体の構造や細胞形態形成、複 製の制御機構にも新知見が得られ、今はかつての単純 な細胞というイメージはない。欧米からこれらの発見 に寄与した研究者を集め、その意義と今後の発展性に ついて討論する。近年、原核細胞に見つかった現象は、真核生物の細胞増殖の理解を深める上でも非常に有用な基本共通概 念を有している。しかしながら、多くの日本の研究者にとっては海外の原核細胞研究者の話を聞く機会は少ない。細胞増殖の共通原理を考えて、新らしい発想を 生む機会にしたい。
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3W8
12月11日(金)13:15〜15:45
第8会場(会議センター3階・313+314)
相同組換え研究の新展開
New aspects of homologous recombination research
オーガナイザー:
菱田卓(大阪大学)・ 岩ア博史(横浜市立大学)
減数分裂の際に遺伝的多様性を付与する相同組換えは、通常の体細胞分裂時には遺伝情報の維持に働く。すなわち、相同組換えはDNAの配列情報の恒常性と可塑性の両面に重要な役割を担っていることになるので、その機能発現は厳密に制御されなければいけない。近年、相同組換え制御機構の破綻がゲノム不安定性を誘発するという共通認識が確立し、高発がん性遺伝病との関連で医学的観点からもさらに注目されるようになってきている。本ワークショップは、相同組換えの制御と分子メカニズムに焦点をあて、モデル生物系の研究を中心に、学術雑誌に未発表の最新のデータを中心に議論して、この分野の重要性についてアピールする。そのために、予定演者に加えて、ポスドククラスの実際に手を動かして実験を行っている活発に研究を行っている若手研究者の発表を積極的に採択します。
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3W9
12月11日(金)13:15〜15:45
第9会場(会議センター4階・411+412)
慢性炎症:生活習慣病・癌に共通する基盤病態
Chronic inflammation: molecular basis of lifestyle-related disease and cancer
オーガナイザー:
小川佳宏(東京医科歯科大学)・ 尾池雄一(熊本大学)
過食や運動不足により発症する肥満、糖尿病や高血圧、動脈硬化性疾患に代表される生活習慣病あるいは癌に共通する基盤病態として“慢性炎症”が注目されている。“慢性炎症”では、比較的短期間に炎症反応の活性化と退縮を生じる急性炎症と異なり、長期にわたるストレス応答のために実質細胞と多様な間質細胞の相互作用が遷延化し、適応の破綻により不可逆的な「組織リモデリング」を生じて臓器の機能障害をもたらす。「組織リモデリング」の前段階となる低レベル炎症状態(para-inflammation/smoldering inflammation)においても内皮細胞機能障害やインスリン抵抗性が誘導され、生活習慣病や癌の原因となる。この“慢性炎症”の経時変化や病態生理的意義の解明は生活習慣病や癌の発症・進展の理解と新しい診断・治療・予防法の開発に必須である。本ワークショップでは、“慢性炎症”がどのようにして多彩な臓器機能障害をもたらし、生活習慣病や癌に至るのかを議論したい。
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3W10
12月11日(金)13:15〜15:45
第10会場(会議センター4階・413)
宿主・組織特異性を規定する宿主・寄生体インターフェイスの分子基盤
What determines host-parasite or tissue/cell specificities: Molecular mechanisms for parasitic adaptation?
オーガナイザー:
河津信一郎(帯広畜産大学)・ 野崎智義(国立感染症研究所)
寄生原虫は固有の宿主内で、その発育・増殖に必要な物質あるいは生活環境を宿主に依存することによって、生命を維持している。この「寄生現象」は、原虫の宿主への接着・侵入、宿主成分の盗用、宿主細胞の修飾など、様々な宿主と寄生体間の相互関係が分子レベルで展開することによって成立している。このような好適な宿主・寄生体関係は特定の宿主/寄生体間で、更に特定の細胞や組織においてのみ成立する。今回のワークショップでは宿主・臓器特異性を規定する宿主・寄生体インターフェイスを支える分子機構について、最新の研究成果を紹介したい。
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3W11
12月11日(金)13:15〜15:45
第11会場(会議センター4階・414+415)
繊毛の形成機構と多彩な機能
Cilia: Assembly mechanisms and diverse biological functions
オーガナイザー:
横山尚彦(京都府立医科大学)・ 廣野雅文(東京大学)
繊毛は細胞の遊泳や水流を起こす運動器官としてのみ理解されていた。ところが最近の研究により、繊毛の機能は想像以上に多様であることが明らかになってきた。例えば初期胚に存在する繊毛は体の左右性を決定する上で重要な役割を果たす。また、腎臓などに存在する運動性のない繊毛(一次繊毛)は感覚受容のアンテナとして機能する。これらの重要な機能を裏付けるように、繊毛の形成や運動性の異常は腎嚢胞症、水頭症など多くの遺伝的疾患の原因となっている。しかし繊毛構造の構築機構と繊毛が関与するグナル伝達経路についてはまだほとんどが未解明で、現在、国内外で精力的に研究が進められている。本ワークショップでは、異なる視点から繊毛形成・機能発現の機構に迫っている研究者を、細胞生物学、発生学、医学など幅広い分野から人選し、講演・議論することで繊毛の構造・機能の理解を深める。
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3W12
12月11日(金)13:15〜15:45
第12会場(会議センター4階・416+417)
小胞体・ゴルジ体における翻訳後修飾が可能にする新たな生体機能
Biological functions mediated by post-translational modifications in ER and Golgi apparatus
オーガナイザー:
岡島徹也(名古屋大学)・ 佐藤ちひろ(名古屋大学)
多くのタンパク質は、小胞体やゴルジ体において翻訳後修飾を経て、正しい機能を発揮できる。例えば、代表的な翻訳後修飾であるN-型糖鎖修飾は、タンパク質の品質管理、トラフィッキングといったタンパク質の一般機能に重要な役割を果たすことが知られている。一方で、ポリシアル酸やHNK-1抗原などの神経系に特徴的な翻訳後修飾、そして特殊なO-結合型糖鎖修飾は、特異的な生体分子の機能を調節し、複雑な細胞機能を可能にし、その異常はヒトにおける疾患とも関連する。さらに、ゴルジ体におけるタンパク質のリン酸化も知られており、糖鎖修飾とともにタンパク質機能の調節に関与している。本ワークショップでは、糖鎖修飾やリン酸化修飾を中心にして、分泌経路における多彩な翻訳後修飾が可能にする新たなタンパク質機能や生体機能について議論する。
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3W13
12月11日(金)13:15〜15:45
第13会場(会議センター5階・501)
脊椎動物器官形成研究の新展開
A new era of genetic studies on vertebrate organogenesis
オーガナイザー:
川上浩一(国立遺伝学研究所)・ 日比正彦(名古屋大学)
ゼブラフィッシュでは、従来から利用されてきた化学変異原を用いた大規模変異スクリーニング、胚へのマイクロインジェクションに加え、最近開発されたトランスポゾンテクノロジー、さらに最近開発されたzinc finger nucleaseを用いたtargeting技術などにより遺伝子機能操作・改変のための手段がとても豊富になってきました。このように「脊椎動物のショウジョウバエ」ともいえるゼブラフィッシュにおける最新の遺伝学的方法論や、それらを駆使した脊椎動物器官形成のメカニズムに関する最新の研究を紹介し、議論します。
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3W14
12月11日(金)13:15〜15:45
第14会場(会議センター5階・502)
バイオイメージからの情報抽出:定量化とその先にあるもの
Bio-image processing: quantification and what is next
オーガナイザー:
大浪修一(理化学研究所)・ 森下真一(東京大学)
共焦点顕微鏡等の様々な可視化技術を使って取得した生物試料の画像や動画像から画像処理技術を使って形態や動態等の情報を取得する解析の重要性が、近年、特に細胞や発生を対象とする研究分野で高まっている。これらの解析は、詳細かつ客観的な大規模スクリーニングを可能にするだけでなく、人間の知覚に依存した解析では困難である3次元的な形態や4次元的な動態についての詳細な解析や、細胞や発生の現象に関する定量的法則の発見・数理モデルの構築を可能にする。DSLMやSTEDなど、生物試料に対する新たな可視化技術の開発は近年活発化しており、本研究分野の重要性は今後ますます高まっていくと考えられる。本ワークショップでは、様々な生物試料を対象にした画像・動画像から画像処理技術を使って情報を抽出する技術の開発を行っている研究者の最新の成果を紹介し、本分野の現状と今後の展望を多角的に議論する。
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3W15
12月11日(金)13:15〜15:45
第15会場(会議センター5階・503)
RNAとイントロン進化の最前線
Frontiers in RNA and Intron Evolution
オーガナイザー:
金井昭夫(慶應義塾大学)・ 渡邊洋一(東京大学)
21世紀になってから、より多くの生物種でゲノムの塩基配列が決定されたのは周知のことである。また、これに伴い数多くの機能性RNAの存在が明らかとなって来た。本ワークショップではRNAレベルでの進化という観点から、機能性のRNAエレメント、リボザイム、miRNAなどの低分子RNA、イントロンなどを再考し、生命科学における意味を考察する。また、試験管内の進化を通じて得られるアプタマー等の機能性RNA分子に関しても議論の対象としたい。これらの研究題材は遺伝子制御における新たな知見の獲得に貢献するばかりでなく、例えば、生命の起源、脳の進化、生体防御、さらには、癌や白血病などの疾病における役割など、生命科学における根幹としての制御系を明らかにすることに通じている。進化という時間軸から様々なRNA研究を俯瞰することで、これまでにない議論の場を提供できたらと考えている。一般演題からも広く発表を採用したい。
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4W2
12月12日(土)9:00〜11:30
第2会場(会議センター3階・301)
細胞の極性化と遊走を制御する分子機構
Mechanism underlying directional cell migration
オーガナイザー:
貝淵弘三(名古屋大学)・ 菊池章(広島大学)
繊維芽細胞や上皮細胞はケモカインなどの細胞外シグナルの濃度勾配に応答し、前後軸を形成して方向性を持って遊走する。遊走細胞の前方ではアクチン細胞骨格が再構築されリーディングエッジを形成する。同時に、中心体から生ずる微小管のプラス端がリーディングエッジに再配向し、方向性を持った小胞輸送を行うことにより極性化した遊走を可能にすると考えられている。これらの極性化と遊走には、Ca2+、Rho ファミリー、Par複合体、Dshなどの細胞内シグナル因子が重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。一方、遊走細胞の前後軸の形成機構は、神経細胞や上皮細胞の極性化、不等分裂など、より複雑な極性化機構を理解する上でも、モデルシステムとしても有用である。本ワークショップでは、国内外の第一線の研究者にお話しいただき、分子から個体レベルにおける極性化と遊走についての理解を深めたい。
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4W3
12月12日(土)9:00〜11:30
第3会場(会議センター3階・302)
TOR経路研究の最前線
Current Progress in TOR Research
オーガナイザー:
前田達哉(東京大学)・ 瓜谷真裕(静岡大学)
TOR(target of rapamycin)は、免疫抑制剤/抗癌剤ラパマイシンの標的分子 として同定されたプロテインキナーゼで、その構造と機能は真核生物を通じて 広く保存されている。いずれの生物においても、細胞が栄養状態に応答して代 謝と成長とを制御するための情報伝達経路において枢要な役割を果たしていることが明らかにされている。近年になってTORと共に複合体を構成する因子が多 数同定され、これらがTORの活性制御やTORの支配する細胞応答に果たす役割が 明らかにされつつあり、TOR経路の研究は急展開を迎えている。本ワークショップでは、酵母から哺乳類に至るTOR経路研究の最新のトピックについて紹介し、研究の広がりと到達点とを踏まえつつ、この重要な経路の全体像に迫りたい。
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4W4
12月12日(土)9:00〜11:30
第4会場(会議センター3階・303)
血管多様性が生み出す生体機能と疾患
vasculodiversity in health and disease
オーガナイザー:
渡部徹郎(東京大学)・ 山下潤(京都大学)
成人では全長10万kmにも及び全身に張り巡らされた血管は、「生命を運ぶ臓器」とも言われ、まさにヒトの生老病死の全ての過程に深く関与している。日本人の死因の第2位と3位を占める心疾患と脳血管障害はその多くは動脈硬化症など血管の老化に起因しており、死因第1位のがんの進展、予後を左右する転移は血管新生がその中心的役割を果たしている。最近の血管生物学(vascular biology)の進歩により、単に血液や酸素、種々の因子などを運ぶ管と考えられてきた血管が、様々な形で周囲の組織と相互作用しあい、発生過程、臓器形成、病態形成過程等それぞれにおいて多彩な特徴や役割を有していること、すなわち、非常に大きな「血管多様性(vasculodiversity)」が存在し、血管がそれぞれの局面において固有の機能を果たしていることが明らかになってきた。本ワークショップではこの「血管多様性」にスポットを当て、血管が関わる生老病死の中で血管が持っている多様性を明らかにし、その固有の機能を理解するという新しいパラダイムを紹介する。
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4W5
12月12日(土)9:00〜11:30
第5会場(会議センター3階・304)
減数分裂の仕組み
Molecular Mechanisms of meiosis
オーガナイザー:
渡邊嘉典(東京大学)・ 篠原彰(大阪大学)
配偶子形成に必須の役割を果たす減数分裂は体細胞分裂とは異なり、DNA複製後、染色体の分配を2回連続して行うことで、ゲノム量を半減することで、世代間のゲノムの2倍性を維持する。減数分裂の破綻はゲノムの不安定化を産み出し、ヒトでは流産やダウン症に代表される異数体病を誘発する。減数分裂においては、体細胞分裂期に見られない、多数の複雑な細胞周期、染色体構造、染色体分配の制御がゲノムの半減化を促進する。その分子基盤は近年急速に解明され、減数分裂期の研究のみならず、エピジェネテックスなどの様々な分野から注目されている。本ワークショップでは、体細胞分裂と比較を含め、減数分裂についての最新の知見についての講演を通し、この分野の将来の展望への議論を深めたい。
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4W6
12月12日(土)9:00〜11:30
第6会場(会議センター3階・ラウンジ)
地球温暖化防止への分子生物学の貢献ーバイオマスの完全糖化に向けたセルロソーム超タンパク質複合体の機能解明
Contribution of molecular biology to prevent global warming - Functional analysis of cellulosome super-complex for complete degradation of biomass
オーガナイザー:
植田充美(京都大学)・ 田丸浩(三重大学)
地球温暖化防止に向けた化石燃料からバイオ燃料への変換は、地球環境保全の認識と新しい環境調和型のバイオ技術の導入の積極的な促進を奨めており、本学会の分子生物学の貢献が今、まさに、問われる時を迎えている。食糧と競合しない第2世代バイオ燃料生産には、食物廃棄物や植物セルロースなどのソフトバイオマスや建築廃材や間伐材などのハードバイオマスを原料とする前処理・糖化が急務である。バイオマスの完全糖化には、クロストリジウム属微生物が細胞表層に構築する、セルロースを完全分解できタンパク質超複合体であるセルロソームの全ゲノムや全機能解析が望まれており、さらに、その再構成が環境保全型の第2世代バイオ燃料生産への活路を開くものと考えられている。本ワークショップでは、バイオマスの完全糖化に導くタンパク質超複合体であるセルロソームの機能解析を分子生物学的に目指している研究者に詳述していただく。
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4W7
12月12日(土)9:00〜11:30
第7会場(会議センター3階・311+312)
インビボ分子生物学 〜光技術を駆使した新たな分子生物学〜
In vivo molecular biology
オーガナイザー:
今村健志(癌研究会 癌研究所)・ 根本知己(生理学研究所)
分子生物学は、個々の遺伝子機能のインビトロ解析から始まり、遺伝子改変動物を用いた各遺伝子のインビボでの解析へと発展してきた。生物個体内で働く生体分子の機能および動態を、生きている動物の中で解析し理解することは、現在の生命科学研究分野の最も重要な課題である。近年、動物が生きた状態で細胞や生体分子を可視化するインビボ光イメージングが急速に進歩した。この背景には、分子生物学の進歩による新しい蛍光蛋白質や発光蛋白質の発見とその改良、近赤外蛍光プローブ作製技術の進歩、さらにレーザー、蛍光顕微鏡や高感度CCDカメラなどの光学機器の性能の飛躍的向上がある。本ワークショップでは、生体分子イメージングの新手法に焦点を絞り、これまでの要素還元論的分子生物学やインビトロ分子生物学に対して、新たな研究のフレームワークを提供し、「インビボ分子生物学」と言うべき新研究領域の創成を目指す先進的研究を紹介する。
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4W8
12月12日(土)9:00〜11:30
第8会場(会議センター3階・313+314)
癌、生活習慣病の発現と時計遺伝子
Clock genes to emerge as key molecules for etiology of cancer and metabolic disease
オーガナイザー:
池田正明(埼玉医科大学)・ 榛葉繁紀(日本大学)
哺乳類の時計遺伝子は、転写・翻訳制御からなるフィードバック機構によって約24時間のリズムを生体内に作り出している。最近、細胞のガン化や脂肪細胞の分化に時計遺伝子が関与することを示唆する知見が相次いで報告された。時計遺伝子が概日リズム発現機能を通じて癌化や脂肪分化に係っているのか、全く別の機能として癌化や脂肪分化作用があるのか現段階ではまだ明らかにされていない。本ワークショップでは、時計遺伝子の機能に関して、特に脂肪代謝と癌との関連を分子レベルで解析を行なっている内外の研究者に、最新の研究成果を紹介していただくとともに、生活習慣病および癌の病因と概日リズム・時計遺伝子との関連を議論していただき、これら疾患の治療ストラテジーのヒントを提示していただく予定である。
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4W9
12月12日(土)9:00〜11:30
第9会場(会議センター4階・411+412)
テトラスパニン研究の新展開 〜分子レベルからみたその機能と疾患との関わり〜
Recent progress in molecular research of tetraspanin: its novel function from an etiologic standpoint
オーガナイザー:
中西徹(就実大学)・ 宮戸健二(国立成育医療センター)
テトラスパニンは多細胞生物のみに存在する一群の4回膜貫通型タンパク質ファミリーである。ヒトでは30種以上が知られているがその機能についてはこれまで不明のものが多く、分子レベルでの解明も十分行われていない。最近このテトラスパニンについて、様々な疾患との関わりからその役割を理解しようとする新しいいくつかの試みが行われるようになり、徐々にその全体像についての理解が進みつつある。そこでこのワークショップでは、テトラスパニンに関する研究者が一堂に会し、リウマチ、感染症、細胞接着、神経疾患、循環器障害、生殖などとの関わりからこのテトラスパニンを論じることによって、分子レベルからの統一的な理解を深めたいと考える。
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4W10
12月12日(土)9:00〜11:30
第10会場(会議センター4階・413)
発生タイミング:発育段階を調節する分子機構とその適応的意義
Developmental timing: Molecular mechanisms for the temporal control of development and evolution of life histories
オーガナイザー:
丹羽隆介(筑波大学)・ 小川輝(MPI for Developmental Biology)
多細胞生物の発生においては、細胞の運命決定と組織の形態形成が時空間的に適切に制御されることが必須である。これまでに、3次元空間軸に沿ったパターン形成を制御する分子機構について膨大な知見が蓄積されてきた。その一方で、第4の軸・時間軸に沿った発生現象の調節機構には不明な点が多く残されている。発生のタイミング機構を解明することは、個体発生の理解につながるだけではなく、発生の進化を理解するうえでも重要である。例えば、形態進化において重要なヘテロクロニー(異時性)や、発生タイミングを環境に応じて調節することで達成される適応的生活戦略の理解に分子基盤を与える。本ワークショップでは、発生生物学に残されたこの大きなフロンティアに対して、多様なモデル生物を用いて研究に取り組んでいる国内外の若手研究者に最新の話題を提供していただき、活発な議論の場とする。
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4W11
12月12日(土)9:00〜11:30
第11会場(会議センター4階・414+415)
ファイトケミカルゲノミクスのための生物情報学
Bioinformatics for phytochemical genomics
オーガナイザー:
斉藤和季(千葉大学)・ 金谷重彦(奈良先端科学技術大学院大学)
植物は動物や微生物に比べ大きな化学的多様性を有しており、それが食料、医薬品、燃料など植物の有用性に深く関わっている。最近の植物ゲノム科学の進展により、この化学的多様性のゲノム基盤を解明する研究が精力的に進められている。しかし、そのためには実験生物学と生物情報学との連携が重要な鍵になっている。本ワークショップでは、ファイトケミカルゲノミクスのための生物情報学について、データベース、解析ソフトウェア、植物ゲノム科学への応用などの項目について議論する。
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4W12
12月12日(土)9:00〜11:30
第12会場(会議センター4階・416+417)
代謝適応と破綻にみる新たなミトコンドリア機能研究
New insights into mitochondrial function in metabolic adaptation and failure
オーガナイザー:
中田和人(筑波大学)・ 石原直忠(東京医科歯科大学)
ミトコンドリアは独自のセントラルドグマをもちつつも、その維持や機能制御の大部分を核のセントラルドグマに依存しなくてはならないという、ユニークな機能発揮形態を呈している。ミトコンドリアの機能はエネルギー代謝だけにとどまらず、カルシウム代謝や細胞死制御と生命活動の根幹を担っていることから、その破綻はミトコンドリア病、糖尿病、神経変性疾患、がん、老化といった多様な表現型と関係する。本ワークショップでは、1)ミトコンドリアの代謝適応による生体機能調節機構、2)ミトコンドリアの機能破綻によって起る多様な病態の発症機構、3)それらの詳細解析から展開される新たな治療戦略といった現在進行型のミトコンドリア研究を紹介したい。そして最終的に、「ミトコンドリアの代謝適応と破綻」という側面からみえてくる新たなミトコンドリア研究の可能性について議論したい。
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4W13
12月12日(土)9:00〜11:30
第13会場(会議センター5階・501)
ゲノム異常抑制における翻訳後修飾系の機能
Functions of post-translational modification systems in suppressing genome aberration
オーガナイザー:
益谷美都子(国立がんセンター研究所)・ 西谷秀男(兵庫県立大学)
DNA損傷等の外界からの予期せぬ刺激に対してゲノム異常を回避するために様々なクロマチンレベルでの制御系がゲノム情報を保護している。DNA複製、転写や修復、細胞分裂等に伴い局所的にゲノム及びクロマチン構造状態は大きく変動し、外界からの刺激への応答もゲノム上で様々に異なる必要がある。細胞内外の変化や刺激に応じてクロマチンの動態制御を行う立役者が種々の翻訳後修飾系である。ユビキチン化、SUMO化、ポリADP-リボシル化、アセチル化、メチル化、リン酸化等は相互に作用しながら複雑なクロマチンを巧みに制御し、ゲノム安定性を維持していると考えられる。本ワークショップではこれらのクロマチン及びその制御因子の翻訳後修飾に焦点をあて、ゲノム異常抑制における役割をクロマチンの局所的及び全体的応答として概観し、異なる翻訳後修飾系の連携、相互干渉の可能性について討論し、研究者間の交流を促進する機会とする。
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4W14
12月12日(土)9:00〜11:30
第14会場(会議センター5階・502)
遺伝子発現のセルバリアとしての核膜の構造・機能・ダイナミクス
The nuclear envelope as a cell barrier for regulating gene expression
オーガナイザー:
原口徳子(情報通信研究機構 未来ICT研究センター)・ 大隅圭太(名古屋大学)
核膜が常時存在している非分裂細胞では、遺伝子導入が上手くいかないことから、核膜は、外来性遺伝子が核内に侵入し発現するのを妨げる構造的なバリアになっていると目される。この核膜バリア問題をいかに克服するかは、遺伝子治療もしくは遺伝子工学における喫緊の重要課題である。一方、核膜は、染色体のヘテロクロマチン化などを通して、内在性遺伝子の発現の制御にも関わることが知られている。これらのことから、核膜は、外来遺伝子にとっても、内在性遺伝子にとっても、その発現を制御する物理的・機能的なバリアと見なされる。このワークショップは、遺伝子発現のセルバリアとなる核膜に注目し、分子生物学的アプローチによる核膜機能の研究に加えて、イメージングや構造学的な手法を用いた核膜構造の理解に迫る研究や、遺伝子治療や遺伝子工学などの分野における核膜バリア克服法を模索した研究を集め、核膜の構造・機能・ダイナミクスについて議論する。
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4W15
12月12日(土)9:00〜11:30
第15会場(会議センター5階・503)
クロマチン機能構造の階層性
Hierarchy in Chromatin Structure and Function
オーガナイザー:
堀越正美(東京大学)・ 大山隆(早稲田大学)
酸性物質である遺伝情報DNAは細胞内でそれだけで存在することはなく、様々な塩基性蛋白質と複合的に結合して、その機能・構造の維持、変換がダイナミックに制御されている。これらの点については古くから指摘されてきたが、クロマチンを構成する塩基性蛋白質の機能的特性やDNAの構造的特性の解明に、多くの時間が費やされた結果、クロマチン・染色体の階層性の問題に関しては、等閑視される状況が続いた。しかし、最近になって、ゲノムDNA自体、あるいはゲノムDNAと塩基性蛋白質の間で形成される複合体の物理的・化学的特性に着目した新しい研究が行われはじめた。この潮流のなかで、従来、定説と見なされていた30 nm繊維の存在が否定される可能性も指摘された。また、出芽酵母に関しては、ゲノムワイドでのヌクレオソームの配置がほぼ明らかになり、リンカーDNAの物理的特性を予測することで間期クロマチンの基盤構造をモデル化することも可能になってきた。本ワークショップでは、これら新しいタイプの研究を紹介することで、従来からの研究の方向性に沿った発想ではなく、異なる発想・視点・思考から生まれるオリジナルな研究によって、欧米の競争原理から生み出された流行的研究に意識を奪われがちな長年の風潮に一石を投じたい。
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