プログラム

スケジュール

大会日程表

 

日程表

 

プログラム

 

特別講演

1PL01

Insights into the Future from Analysis of the Past Genetic Research and its Impact on the future of Personalized Medicine

James Douglas Engel (University of Michigan, USA)
日 時:9月25日(日)10:30~11:30
会 場:第1会場(仙台国際センター 大ホール)
司 会:高橋 智(筑波大学)
3PL01

Targeting the Nrf2 Signaling Pathway for Cancer Prevention

Thomas Kensler (University of Pittsburgh, USA)
日 時:9月27日(火)12:45~13:45
会 場:第1会場(仙台国際センター 大ホール)
司 会:伊東 健(弘前大学)

Meet the Expert

生化学の分野で大きな業績をあげた生化学会会員の先生を講師として迎え、それぞれの研究について、いつもの講演よりもっと身近に、少しフランクにお話いただく大変貴重なプログラムです。この機会にぜひ、奮ってご参加ください。

なお、Meet the Expertへの参加は事前申込制(先着順)です。事前参加登録に含まれますので、参加登録ページよりお申込ください。

9月26日(月)8:00~8:45

リン脂質研究の最新の進歩

清水 孝雄(国立国際医療研究センター/東京大学)

司会:本橋 ほづみ(東北大学)

講師の紹介:

東京大学医学部を卒業後、基礎医学の道に進み、永年にわたり脂質メディエーターを中心とする研究に携わり多くの重要な発見を成し遂げた。脂質メディエーター定量法の確立や合成酵素・受容体のクローニングなどを通して、生体における脂質メディエーターの重要性を明らかにし、日本学士院賞をはじめとする数々の賞を受けた。現在も「リピドミクス」の研究に精力的に挑んでいる。


ヘムで2量体化するPGRMC1の不思議な構造とCOによるがんの機能制御

末松 誠(慶應義塾大学)

司会:清水 律子(東北大学)

講師の紹介:
末松先生は、異分野融合を実践して独自の「ガスバイオロジー」分野を切り拓き、有毒と考えられてきたCOが実は代謝システムの末端で産生されて代謝システム自身の重要な制御因子であることを明らかにしてきた。本Meet the Expertでは、困難をものともせずに最先端の独創的な研究を繰り広げる末松先生の科学への挑戦を、ガス受容体PGRMC1に焦点を当ててお話しいだく。
核輸送因子同定からその新機能発見へ

米田 悦啓(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)

司会:池畑 広伸(東北大学)

講師の紹介:
米田先生は世界のトップランナーの1人として真核生物の核−細胞質間分子輸送機構の解明に長年取り組まれ、単に細胞レベルだけでなく、個体発生に伴う分化や組織特異性、更にはがんなどの病態異常にも着目した研究を展開してこられた。ひとつの研究テーマを追求しながら多彩で広汎な影響力のある研究に発展させた先生のお話は、異なる分野を志す者にとっても有意義なものとなるだろう。

9月27日(火)8:00~8:45

私のプロテアソーム研究

田中 啓二(東京都医学総合研究所)

司会:深水 昭吉(筑波大学)

講師の紹介:
田中先生は、細胞内の巨大で複雑なタンパク質分解装置であるプロテアソームとそのパートナーであるユビキチンの動態と作動機構を研究し、世界のトップリーダーとして活躍されている。高齢化を迎えた国際社会において、先生の研究は生命の謎に迫るという学術的重要性のみならず、病態発症の解明や健康科学の発展に大きく寄与することが期待されている。
天然物ケミカルバイオロジーによる創薬分子標的研究

吉田 稔(理化学研究所)

司会:森口 尚(東北大学)

講師の紹介:
天然生理活性物質は創薬標的となるだけでなく、生命現象の分子機構に深く関わる可能性を秘めている。吉田先生は分子遺伝学と合成化学的アプローチを組み合わせ、系統的に薬剤標的分子となる生理活性物質を同定し、独自のケミカルゲノミクスを発展させてきた。本Meet the Expertでは、吉田先生にこれまでの研究人生を概説いただき、若手研究者の質問にお答えいただく。
60年間の研究から得た教訓:するべき事、してはいけない事

西村 暹(筑波大学生命科学動物資源センター)

司会:鈴木 教郎(東北大学)

講師の紹介:
西村先生は米国留学中にコドンの解読で中心的役割を果たした。帰国後は修飾核酸を続々と発見し、分子生物学誕生の礎を築いた。修飾核酸のなかには、酸化ストレスマーカーとして広く用いられている8-OHdGも含まれ、その後の独創的な癌研究の展開へと繋がる。海外ポスドク、若手PI、製薬企業研究者として豊富なキャリアを経ながら、一貫した研究を行ううえで考えたことをお話いただく。

 

シンポジウム

シンポジウム一覧

セッションNo. 日にち 会場 タイトル
1S01 9月25日(日) 第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール) “酸素リモデリング“の破綻と疾患
1S02 9月25日(日) 第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘) ゲノム編集技術を用いた生化学の新展望
1S03 9月25日(日) 第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩) 生物活性と創薬のケミカルバイオロジー
1S04 9月25日(日) 第4会場(仙台国際センター 会議棟 桜1) アカデミア発創薬探索研究
1S05 9月25日(日) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) マルチオミクスが解き明かす疾患生物学
1S06 9月25日(日) 第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1) 多様な細胞死の制御機構と生理病理的意義 ~細胞死研究の新展開~
1S07 9月25日(日) 第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2) タンパク質の構造破綻とその関連疾患  ~物性化学から臨床まで~
1S08 9月25日(日) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) 最新の幹細胞研究が解き明かす組織再生・疾患のメカニズム
1S09 9月25日(日) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) Sirtuin研究の最前線:活性制御の分子基盤から疾患研究まで
1S10 9月25日(日) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) 癌研究と免疫研究の接点:リン酸化制御研究の新たな展開と新規治療への応用
1S11 9月25日(日) 第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200) オルガネロスタシスの原点
1S12 9月25日(日) 第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201) モチーフから蛋白質複合体機能及び蛋白質間ネットワーク構造を捉える
1S13 9月25日(日) 第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202) 分子認識と環境応答における分子機構解明を目指す電子顕微鏡学
1S14 9月25日(日) 第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203) 膜動態を介した細胞間・細胞外環境との相互作用の制御
1S15 9月25日(日) 第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204) 疾患における細胞核・クロマチンの動態変動
1S16 9月25日(日) 第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101) 心血管系を生み出す幹・前駆細胞の多様性、微小環境と疾患
1S17 9月25日(日) 第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102) 単一分子、細胞レベルの血小板フィブリン血栓形成とその溶解過程を目撃しよう!
1S18 9月25日(日) 第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103) 温度生物学の新展開
1S19 9月25日(日) 第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104) 発現制御中心装置としてのリボソーム
2S01 9月26日(月) 第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール) 細胞外環境を転写とエピゲノムへ統合する分子機構
2S02 9月26日(月) 第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘) 病気と生化学:個体レベルでの糖代謝調節機構と糖尿病
2S03 9月26日(月) 第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩) ゲノム解析と生化学
2S05 9月26日(月) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) 慢性炎症の生物学
2S06 9月26日(月) 第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1) オルガネラ環境を制御するレドックスシグナル
2S07 9月26日(月) 第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2) ベノミクス研究による’おもしろ'毒関連生物の生化学研究の新展開
2S08 9月26日(月) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) 造血と環境
2S09 9月26日(月) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) Hypoxia and Disease 
2S10 9月26日(月) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) プロテオスタシスと老化関連疾患
2S11 9月26日(月) 第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200) 細胞小器官の恒常性維持機構とその破綻: オルガネラストレス応答とそのクロストーク
2S12 9月26日(月) 第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201) 細胞のロバストネスを規定するタンパク質複合体のダイナミクス
2S13 9月26日(月) 第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202) Arfファミリー低分子量Gタンパク質群が介在する多彩な生理機能と関連疾患
2S14 9月26日(月) 第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203) 膜タンパク分子作動原理解明の新基軸
2S15 9月26日(月) 第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204) ゲノムの維持と継承を制御するタンパク質と核酸の相互作用
2S16 9月26日(月) 第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101) 脈管の動的恒常性が解き明かす生命現象
2S17 9月26日(月) 第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102) バクテリアの環境応答:見え始めた2成分系リン酸化シグナル分子の新たな側面
2S18 9月26日(月) 第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103) 神経細胞生物学におけるイメージング技術の最前線
2S19 9月26日(月) 第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104) 抗体はどこまで可能性を秘めているのか?:潜在的能力を引き出す最新の試み
3S01 9月27日(火) 第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール) オートファジーのマシナリーと機能
3S02 9月27日(火) 第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘) 鉄代謝異常:疾患と病態
3S03 9月27日(火) 第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩) 加齢にともなう幹細胞変化と疾患の分子基盤
3S04 9月27日(火) 第4会場(仙台国際センター 会議棟 桜1) 最先端イメージング技術が切り拓く新たな酸素生物学
3S05 9月27日(火) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) 異分野融合によるがん分子標的薬開発
3S06 9月27日(火) 第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1) 生命科学研究の必要条件としての構造生物学
3S07 9月27日(火) 第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2) 多様な微生物のユニークな酵素・代謝・機能とその応用
3S08 9月27日(火) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) 細胞社会の理解が照らし出す組織構築原理
3S09 9月27日(火) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) プロテオーム大規模解析が切り開く新たな生化学研究
3S10 9月27日(火) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) マクロファージの多様性が織りなす生命現象と疾病
3S11 9月27日(火) 第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200) オルガネラ局域の生物学
3S12 9月27日(火) 第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201) 生化学の基盤戦略:試験管内再構成
3S13 9月27日(火) 第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202) 生体膜脂質の動態制御と生理機能
3S14 9月27日(火) 第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203) 膜輸送体学の「温故知新」 ~長年の謎の解明をめざして
3S15 9月27日(火) 第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204) チオールバイオロジーの新たな展開
3S16 9月27日(火) 第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101) 環境ストレス応答と内部環境のサーカディアンリズム
3S17 9月27日(火) 第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102) CCR4-NOT複合体の多様なRNA制御機能と遺伝子発現制御の新たなパラダイム
3S18 9月27日(火) 第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103) 酵母から学ぶ遺伝子発現制御システム
3S19 9月27日(火) 第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104) エクソソームバイオロジーのフロントライン:糖鎖関連分子の機能に迫る

シンポジウム概要

セッション番号No.について
開催日+シンポジウム(S)+会場
(例)1S02:第1日目・シンポジウム・第2会場

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第1日目(9月25日)
1S01
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール)

“酸素リモデリング“の破綻と疾患

オーガナイザー:赤池 孝章(東北大学)、伊東 健(弘前大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究 「酸素生物学」
講演者・概要▼
講演者:Sue Goo Rhee(Yonsei Univ. Coll. of Medicine, Korea)、森 泰生(京都大学)、赤池 孝章(東北大学)、伊東 健(弘前大学)、熊谷 嘉人(筑波大学)、西田 基宏(自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター)
概 要:酸素及び酸素を起源とする活性酸素種(ROS)は進化の古い時期から存在しエネルギー代謝等に重要な役割を果たすとともに、シグナル分子として働いて現在に至っていると考えられる。このシグナル感知にはタンパク質のシステイン(チオール)が中心的な役割を果たし、このセンサー機構は近年シグナル分子として注目を集めている多くの親電子性分子種とも共通する。細胞はこれらのシグナル伝達を可能にするための適切なレドックス環境(酸素濃度環境も含む)を組織・環境特異的あるいは細胞内小器官特異的に能動的に構築するものと考えられ、低酸素応答も考慮にいれた上で私たちはこれを「酸素リモデリング(remodeling)」という独自の概念で提唱している。本シンポジウムでは、酸素リモデリングとその破綻としての疾患について議論する。
1S02
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘)

ゲノム編集技術を用いた生化学の新展望

オーガナイザー:高橋 智(筑波大学)、伊川 正人(大阪大学)、山本 卓(広島大学)
共 催:後援:日本実験動物学会
講演者・概要▼
講演者:山本 卓(広島大学)、西増 弘志(東京大学)、佐藤 守俊(東京大学)、水野 聖哉(筑波大学)、伊川 正人(大阪大学)、佐藤 俊朗(慶應義塾大学)、堀田 秋津(京都大学)
概 要:ゲノム編集技術は、更なる技術的な改変が行われているが、既に生化学の様々な解析に応用されている。ゲノム編集技術の応用による新たな生化学的解析の実例を紹介したい。
1S03
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩)

生物活性と創薬のケミカルバイオロジー

オーガナイザー:萩原 正敏(京都大学)、上田 実(東北大学)
共 催:日本ケミカルバイオロジー学会
講演者・概要▼
講演者:萩原 正敏(京都大学)、上田 実(東北大学)、北 将樹(筑波大学)、関水 和久(東京大学)、長田 裕之(理化学研究所)
概 要:生物活性物質をツールとして用いるケミカルバイオロジーは、医農薬の開発につながる重要な研究課題である。生物活性物質は、古くから生化学研究において重要な地位を占めてきたが、近年、ケミカルバイオロジー的手法との融合により、生物学研究を切り開く新たなツール分子としての役割を期待されている。本シンポジウムでは、哺乳類、植物、昆虫、微生物と様々な生物を対象として、生物活性物質を用いるケミカルバイオロジー研究の実例を紹介する。聴衆の研究に、生物活性物質を利用する良い切っ掛けとなることを期待したい。
1S04
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第4会場(仙台国際センター 会議棟 桜1)

アカデミア発創薬探索研究

オーガナイザー:青木 淳賢(東北大学)、小島 宏建(東京大学)
協 賛:創薬支援技術基盤プラットフォーム
講演者・概要▼
講演者:有田 峰太郎(国立感染症研究所)、竹田 浩之(愛媛大学)、圓谷 奈保美(東京大学)、小松 徹(東京大学)、寺島 裕也(東京大学)、井上 飛鳥(東北大学)、金子 寛(東北大学)
概 要:2000年以降新薬の開発のスピードが鈍化し、また、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の台頭もあり、製薬企業による新薬開発は大きな転換期を迎えようとしている。このような状況でアカデミア創薬に対する期待は大きい。米国と比較し、従来に本邦におけるアカデミア創薬の比重は必ずしも大きくなかった。しかし、化合物ライブラリー、ハイスループットスクリーニング(HTS)機器がアカデミアに整備されアカデミア創薬の土台が整ってきた。また、アカデミアが従来開発してきたいくつかの技術基盤は創薬において極めて有用であり、これら基盤を活用することで製薬企業だけでは達成し得ない創薬が可能である。本シンポジウムでは本邦のアカデミア発の創薬探索研究の現状を紹介すべく、創薬探索研究の実例を、特に、実際手を動かしている若手研究者に紹介していただく。
1S05
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

マルチオミクスが解き明かす疾患生物学

オーガナイザー:曽我 朋義(慶應義塾大学)、小柴 生造(東北大学)
講演者・概要▼
講演者:曽我 朋義(慶應義塾大学)、小柴 生造(東北大学)、黒田 真也(東京大学)、大澤 毅(東京大学)、植田 幸嗣(がん研究会)
概 要:オミクス解析、いわゆるゲノム、トランスクリプトーム(遺伝子発現)、プロテオーム(タンパク質総体)やメタボローム(代謝物総体)などの各階層の生体分子の網羅的な解析技術に加えて、近年、DNAメチル化やヒストン修飾を解明するエピゲノム解析技術が確立された。これらのオミクスで得られた膨大なデータから情報科学や統計数学的な解析を駆使して、各階層の分子間ネットワークを明らかにし、その制御機構を解明する研究を行うことができる時代が到来した。本シンポジウムでは、このマルチオミクスともトランスオミクスとも言われる手法を用いて、各種の疾患やがんの発症の分子メカニズムの探索を行っている研究者やマルチオミクスを用いたコホート研究を行い要因と疾病発生の関連を解明している研究者を招き、最新の知見を議論したい。
1S06
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1)

多様な細胞死の制御機構と生理病理的意義 ~細胞死研究の新展開~

オーガナイザー:田中 正人(東京薬科大学)、田中 稔(国際医療研究センター)
共 催:文部科学省新学術領域研究 「ダイイングコード」
講演者・概要▼
講演者:田中 正人(東京薬科大学)、田中 稔(国立国際医療研究センター)、中野 裕康(東邦大学)、今井 浩孝(北里大学)、澤本 和延 (名古屋市立大学)、佐藤 伸一(東京工業大学)
概 要:細胞死とは元来、細胞の一生の最終過程と捉えられてきた。しかし近年、この死細胞から発信されるシグナルが、積極的に周囲に作用することで、免疫応答、再生、疾患といった様々な生体応答の惹起に重要な役割を果たすことが明らかとなってきている。また、従来より知られるアポトーシスに加え、ネクロプトーシスやフェロトーシスなどの計画的ネクローシスと呼ばれる新しい細胞死様式も次々と見つかってきている。このような背景のもと、細胞死の生物学は死の制御機構の解明に留まらず、細胞死に伴う生命現象の包括的な理解という新たな局面を迎えている。本シンポジウム企画では 細胞死に関わる研究を様々なアプローチから展開されている研究者の方々に最新の知見を紹介していただき、多様な細胞死様式の制御機構および“生命情報発信体としての死細胞”の生理的病理的意義について議論したい。
1S07
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2)

タンパク質の構造破綻とその関連疾患 ~物性化学から臨床まで~

オーガナイザー:八谷 如美(東京都立産業技術研究センター)、藤原 範子(兵庫医科大学)
講演者・概要▼
講演者:八谷 如美(東京都立産業技術研究センター)、藤原 範子(兵庫医科大学)、裏出 令子(京都大学)、森本 大智(京都大学)、矢崎 正英(信州大学バイオメディカル研究所)、山口 圭一(岐阜大学)、藤井 智彦(帝京大学中央RI教育・研究施設)、堂浦 克美(東北大学)
概 要:細胞内で合成されたタンパク質は、分子シャペロンなどの助けを借りながら正しい立体構造を形成して機能する分子となる。一方で、構造が破綻したタンパク質は、ユビキチン-プロテアソーム系などにより随時監視され速やかに分解されていく。アミロイドーシスなどの難治性のタンパク質凝集病は、これらの機能不全によるタンパク質の構造破綻によるもので、その重要性はいうまでもない。ところが、タンパク質の構造変化機構やアミロイドーシスなどのタンパク質凝集病について、これまで数多くの研究が行われてきたものの、我々は依然としてこれらの疾患の真の病態解明はおろか、予防法も治療法も獲得してはいない。そこで本シンポジウムでは、タンパク質構造破綻と関連疾患について、物理化学・細胞生物学の基礎研究者と臨床医学の研究者がそれぞれに異なる視点で討論することで、新たな気づきから疾患解明への新しい糸口を見つけたい。
1S08
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

最新の幹細胞研究が解き明かす組織再生・疾患のメカニズム

オーガナイザー:山本 雄介(国立がん研究センター研究所)、寺井 崇二(新潟大学)
講演者・概要▼
講演者:仁科 博史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)、谷水 直樹(札幌医科大学)、山本 雄介(国立がん研究センター研究所)、幸谷 愛(東海大学)、岡本 隆一(東京医科歯科大学)、寺井 崇二(新潟大学)
概 要:成人の体は270種類 以上の細胞に よって構成されている。皮膚や腸管上皮のように代謝の早い組織に対し、骨や神経の組織はゆっくりとターンオーバーをするなどの差はあるものの、各組織にそれぞれの幹細胞が存在し一生にわたりその機能・構造の維持に寄与し続けている。 成体の幹細胞のマーカー遺伝子の発見などにより組織内での局在の同定や微小環境を含めたステムネスの維持機構が明らかにされつつある。また、in vitroでの幹細胞の三次元培養方法の確立によって、新しい疾患モデルの樹立も進められている。最近の研究成果より、老化等 に伴う幹細胞の異常が、悪性腫瘍などの疾患を引き起こすことも報告されており、幹細胞研究は再生医学分野のみならず、疾患生物学への応用の期待が高まっている。
1S09
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

Sirtuin研究の最前線:活性制御の分子基盤から疾患研究まで

オーガナイザー:山縣 和也(熊本大学)、北村 忠弘(群馬大学生体調節研究所)
講演者・概要▼
講演者:佐々木 努(群馬大学)、岩井 佳子(産業医科大学)、脇野 修(慶応義塾大学)、中川 崇(富山大学先端ライフサイエンス拠点)、泉家康宏(熊本大学)、吉澤達也(熊本大学)
概 要:NAD+依存性の脱アセチル(アシル)化酵素であるsirtuinは、細胞内のエネルギー状態に応じて標的タンパク質の翻訳後修飾を変化させることで、代謝、炎症、DNA修復、発癌、寿命などの制御を担う。哺乳類においては、SIRT1からSIRT7の7種類が存在しており、肥満・糖尿病、心血管腎臓病、神経変性疾患、癌など種々の老化関連疾患との関連や、疾患に対するsirtuin活性制御化合物の有用性について精力的に研究がなされている。また、sirtuinがNAD+を要求することから、古典的な補酵素であるNAD+の代謝系にも新たな注目が集まっている。Sirtuinは、その広範囲にわたる作用のため、専門分野を超えて議論する機会がこれまでほとんどなかった。本シンポジウムでは、sirtuinに関する基礎的な研究から疾患との関連まで幅広く最先端のトピックスを取り上げ、最新の知見を交えて議論することで今後の方向性を探りたい。
1S10
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

癌研究と免疫研究の接点:リン酸化制御研究の新たな展開と新規治療への応用

オーガナイザー:島 礼(宮城県立がんセンター研究所)、的崎 尚(神戸大学)
講演者・概要▼
講演者:村上 正晃(北海道大学遺伝子病制御研究所)、岡崎 拓(徳島大学疾患ゲノム研究センター)、的崎 尚(神戸大学)、畠山 昌則(東京大学)、上條 岳彦(埼玉県立がんセンター研究所)、島 礼(宮城県立がんセンター研究所)
概 要:癌は遺伝子変異が蓄積した結果生じることから「遺伝子病」といわれる。一方で癌は「免疫疾患」の側面もある。遺伝子変異をもつ細胞が免疫監視機構から逃避された場合に癌になると考えられるからである。従って長年免疫応答を癌治療に応用する試みがなされてきたが、必ずしも期待どおりではなかった。しかし近年の免疫チェックポイント阻害剤の登場で状況は一変した。癌免疫療法は、多様な癌種に対して劇的な腫瘍縮小効果を示すことが示され、癌治療を大きく変える治療法となりつつある。今後より効果的で副作用の少ない治療開発のためには、癌研究と免疫研究を統合的に行うことが重要と考える。癌化および免疫、いずれにおいてもリン酸化制御が重要であることから、本シンポジウムは、キナーゼ・ホスファターゼの制御破綻による癌・免疫疾患発生機構の解明、さらにこの機構を標的とした治療開発を目的として企画した。癌研究と免疫研究の接点の場としたい。
1S11
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200)

オルガネロスタシスの原点

オーガナイザー:田村 康(山形大学)、奥本 寛治(九州大学)
講演者・概要▼
講演者:田村 康(山形大学)、田村 茂彦(九州大学)、西村 幹夫(基礎生物学研究所)、Richard Rachubinski(Univ. of Alberta, Canada)、Hiromi Sesaki(Johns Hopkins Univ., USA)、久下 理(九州大学)
概 要:真核細胞内には高度に発達したオルガネラと呼ばれる膜構造が存在し,各々が固有の機能を発揮することで細胞活動が維持されている。オルガネラがその特徴的な構造・形態と機能を維持するためには,オルガネラ固有のタンパク質や脂質(オルガネラコンテンツ)が各オルガネラの固有の区画に正しく輸送されなければならない。さらにオルガネラは,細胞がおかれた環境に応じてその体積を劇的に増減させたり,オルガネラコンテンツやオルガネラ内の膜構造を変化させたりすることで,オルガネラレベルの恒常性(オルガネロスタシス)を維持し,最適化された機能の発現を実現する。 本シンポジウムでは,細胞内代謝に中心的な役割を果たすミトコンドリアとペルオキシソームのオルガネロスタシスについて最新知見を紹介し,オルガネラの生合成と品質管理機構,さらにはオルガネラが細胞機能や個体恒常性に果たす役割について議論したい。
1S12
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201)

モチーフから蛋白質複合体機能及び蛋白質間ネットワーク構造を捉える

オーガナイザー:関 政幸(東北薬科大学)、堀越 正美(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:関 政幸(東北薬科大学)、堀越 正美(東京大学)、安達 成彦(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所)、太田 元規(名古屋大学)、川上 英良(理化学研究所)、中林 悠(東北薬科大学)
概 要:生化学は、生体構成要素の特性や要素間の相互作用及び化学反応の解析を通し、生体反応の分子機構を明らかにすることを主目的とする。代表的な生体構成要素である蛋白質は、近年の様々な網羅的解析により、多数の構成的及び制御的蛋白質複合体が同定され、蛋白質間ネットワーク構造の特性が部分的に明らかにされてきた。一方、個々の相互作用や化学反応の特異性に関わるモチーフ及びネットワーク構造を支えるネットワークモチーフ研究が思いのほか進んでいる状況にはない。本シンポジウムにおいて、両モチーフの特性に立脚した、蛋白質複合体の特性や生体反応の役割に関する創造的研究、更にはネットワーク構造に関する新しい知見を紹介する。本シンポジウムへの参加者が、前近代的イメージが強く残る生化学から現代的イメージを生み出す生化学に発展させられるかがかかっている現状を俯瞰されることを願っている。
1S13
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202)

分子認識と環境応答における分子機構解明を目指す電子顕微鏡学

オーガナイザー:佐藤 主税(産業技術総合研究所)、安永 卓生(九州工業大学)
講演者・概要▼
講演者:アンドレアス エンゲル(Delft Univ. of Technology, Netherlands)、村田 和義(生理学研究所)、安永 卓生(九州工業大学)、真柳 浩太(九州大学生体防御医学研究所)、佐藤 主税(産業技術総合研究所)、光岡 薫(大阪大学超高圧電子顕微鏡センター)、成田 哲博(名古屋大学構造生物学研究センター)
概 要:近年進展の著しい透過電顕を使った単粒子解析法(単粒子3次元再構成法)を中心として、タンパク質分子や複合体の高分解能顕微鏡法を、その基礎的理論から応用、さらには導入の勘どころまで詳細に議論する。単粒子解析法は、電子顕微鏡を用いて水溶液中の精製タンパク質を瞬間凍結して、分子の投影像から3次元構造を決定(再構成)する。そのため、律速段階である結晶作製を必要としない。必要とされるサンプル量も、用いる投影像は数えられる程度であるため極めて少量である。近年、装置と画像再構築アルゴリズムの発達により原子分解能に達した。そのため、複合体の解析や膜タンパク質の解析に広範に用いられ始めている。本シンポジウムでは、タンパク質、膜タンパク質とその複合体、細胞骨格、ウィルス構造などを広く対象とする。さらに、単粒子解析法と他のタンパク質の構造決定法との違いを、利点と欠点を含めて詳細比較し、さらにはその現状での限界などを論じる。
1S14
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203)

膜動態を介した細胞間・細胞外環境との相互作用の制御

オーガナイザー:川内 健史(先端医療センター研究所)、福田 光則(東北大学)
講演者・概要▼
講演者:川内 健史(先端医療センター研究所)、山口 英樹(国立がん研究センター研究所)、戸島 拓郎(理化学研究所 脳科学総合研究センター)、福原 茂朋(国立循環器病研究センター研究所)、華山 力成(金沢大学)、福田 光則(東北大学)
概 要:多細胞生物において、個々の細胞は、隣接した細胞や細胞外基質などの細胞外環境と密接な相互作用を行うことにより、多様な形態と機能をもつ組織を形成する。また、細胞外環境との相互作用の破綻は、がんなどの重篤な疾患を引き起こす。細胞と細胞外環境との相互作用には、細胞骨格の再編成を介した細胞接着の制御が必要であることが知られているが、近年、メンブレントラフィックを含む膜動態が細胞接着の制御に重要な役割を果たすことが明らかとなりつつある。さらに、エクソソームのように、膜小胞そのものが細胞間コミュニケーションを担うことも分かってきた。本シンポジウムでは、膜動態を介した細胞-細胞間および細胞-細胞外基質間の相互作用の制御機構に焦点を当て、上皮や脳神経系の形態形成・血管新生・がんの浸潤転移・神経変性など、多彩な生命現象および疾患との関わりについて最新の成果をご紹介いただき、細胞外環境との相互作用を新たな視点から捉え直すことを目指す。
1S15
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204)

疾患における細胞核・クロマチンの動態変動

オーガナイザー:胡桃坂 仁志(早稲田大学)、斉藤 典子(熊本大学)
講演者・概要▼
講演者:胡桃坂 仁志(早稲田大学)、斉藤 典子(熊本大学発生医学研究所)、岸 雄介 (東京大学)、廣瀬 哲郎(北海道大学遺伝子病制御研究所)、広田 享 (がん研究会がん研究所)、秋光 信佳(東京大学アイソトープ総合センター)、原口 徳子(情報通信研究機構 未来ICT研究所)
概 要:細胞核は、遺伝情報の本体であるゲノムDNAを収納する場で、転写や複製、DNA損傷修復などが適切に行われるためのしくみを備えている。クロマチンは、DNAとヒストンタンパク質からなるヌクレオソームを基盤とした高次構造で、核内では、核膜、核小体などの核内構造体と相互作用して制御される。核・クロマチン構造は、細胞の種類や状態に特徴的で、臨床病理においては、がんを含む疾患の確定診断の際に核形態の異常がよい指標とされてきた。近年、生化学と分子生物学、医化学などとの融合研究により、クロマチンと核構造を構成する因子の変異や、核内非コードRNAが、がん、不妊症、早老症、神経変性疾患などに深く関わることが見いだされてきた。本シンポジウムでは、疾患に関わる細胞核・クロマチンの動態変動の研究について討議し、生化学研究を通した病態解明や創薬の基盤作りへの理解を深める機会を提供したい。
1S16
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101)

心血管系を生み出す幹・前駆細胞の多様性、微小環境と疾患

オーガナイザー:依馬 正次(滋賀医科大学)、竹内 純(東京大学分子細胞生物学研究所)
講演者・概要▼
講演者:依馬 正次(滋賀医科大学)、森田 唯加(東京大学分子細胞生物学研究所)、木村 航(筑波大学TARAセンター)、野村 征太郎(東京大学医学部附属病院)、久保田 義顕(慶応義塾大学)、水谷 健一(同志社大学)、向山 洋介(アメリカ国立衛生研究所)
概 要:心血管系は発生の最初期に形成される器官であり、酸素・栄養物を全身に供給するだけでなく、組織の発生誘導にも関与している。近年心血管系を生み出す幹・前駆細胞について新しい起源が見出されるとともに、その幹細胞性の維持に低酸素環境が重要であることが見出されている。また血管内皮細胞や心筋細胞は神経と相互依存的に発生し、その破綻がヒト疾患に至ることが明らかになりつつ有る。本シンポジウムでは、心血管系を構成する前駆・幹細胞の起源・挙動・役割および低酸素などの環境との関わり、神経細胞などの他細胞との相互依存性発生について精力的に研究を展開する研究者、若手研究者をお招きし、心血管系を生み出す幹・前駆細胞の多様性と微小環境、疾患について議論したい。
1S17
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102)

単一分子、細胞レベルの血小板フィブリン血栓形成とその溶解過程を目撃しよう!

オーガナイザー:一瀬 白帝(山形大学)、武谷 浩之(崇城大学)
講演者・概要▼
講演者:プロトポポーバ アンナ(モスクワ 物理化学医学研究所 )、谷下 一夫(早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構)、西村 智(自治医科大学)、伊藤 隆史(鹿児島大学病院救命救急センター)、鈴木 優子(浜松医科大学)
概 要:生体にとって重要な血小板・フィブリン血栓の形成と溶解反応が如何にして起こるか、これまでは想像するしか方法がなかった。しかし、この数年間で血栓止血分野に新時代が訪れた。例えば、Protopoporva博士は原子間力顕微鏡を用いて単一フィブリン分子からフィブリン網が形成される過程を超高解像度で可視化した。谷下博士も、原子間力顕微鏡を用いてvon Willebrand因子と血小板糖タンパク質Ibαとの接着力を単一結合レベルで測定した。西村博士は多フォトン顕微鏡を用いて単一血小板が血栓形成する過程を可視化し、伊藤博士はコラーゲンや組織因子を塗布したマイクロチップ流動システムを用いて総合的血栓形成能を顕微鏡下で評価することに成功した。最後に、鈴木博士は、組織プラスミノゲンアクチベーターを含む血管内皮細胞の単一顆粒の放出動態や多血小板微小血栓にプラスミノゲンが結合して溶解する過程を観察可能にした。本シンポジウムでは、血栓形成から溶解までの一連の過程を目撃して議論しよう!
1S18
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103)

温度生物学の新展開

オーガナイザー:梅田 真郷(京都大学)、岡部 弘基(東京大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究「温度生物学」
講演者・概要▼
講演者:岡部 弘基(東京大学)、富永 真琴(自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター)、小瀬 真吾(理化学研究所)、中村 和弘(名古屋大学)、柴崎 貢志(群馬大学)、梅田 真郷(京都大学)
概 要:温度は、細胞内の生化学反応を司るだけでなく、代謝やリズムといった主要生理機能に大きく影響を与えている。これまで温度と細胞機能との関わりは、ヒートショック応答や膜上の温度感受性TRPチャネル、ミトコンドリアを始めとするエネルギー代謝機構等に着目した温度センシング機構を中心に探究されてきた。さらに近年、細胞内部の局所的な温度が時空間的に変動するとのユニークな発見を契機として、温度を基軸とした生物学の新たな領域が開拓されようとしている。この細胞の局所的な温度変動は古典的生化学における緩慢な温度変化とは本質的に異なり、ダイナミックな生命現象におけるシグナリングに貢献している可能性がある。本シンポジウムでは、細胞内における温度変動の計測研究とそれと協調した温度センシングと応答の機構解明を目指す最新の温度生物学研究を紹介し、最も根本的な物理因子の温度がいかに生命現象を司るかを議論する。
1S19
日 時:9月25日(日)16:00-18:30   会 場:第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104)

発現制御中心装置としてのリボソーム

オーガナイザー:稲田 利文(東北大学)、田口 英樹(東京工業大学)
講演者・概要▼
講演者:稲田 利文(東北大学)、田口 英樹(東京工業大学)、鈴木 勉(東京大学)、岩崎 信太郎(Univ. of California, Berkeley, USA)、田中 元雅(理化学研究所)
概 要:リボソームは単なるタンパク質合成装置ではなく、正確な遺伝子発現に必須な機能を果たす発現制御装置である。正確なタンパク質のフォールディングやオルガネラへの輸送における、翻訳伸長の厳密な速度調節の重要性が解明されつつある。さらに、様々な異常翻訳に依存してリボソームの特異的な修飾がおこり、合成途中の新生ポリペプチド鎖や異常mRNAが迅速に分解される品質管理機構の分子基盤が解明されつつある。本シンポジウムでは、様々な新規手法により翻訳制御機能を解明している講演者の最新の研究成果を紹介し、発現制御の中心装置としてのリボソームの機能に迫る。
第2日目(9月26日)
2S01
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール)

細胞外環境を転写とエピゲノムへ統合する分子機構

オーガナイザー:深水 昭吉(筑波大学)、牛島 俊和(国立がんセンター)
講演者・概要▼
講演者:牛島 俊和(国立がんセンター)、五十嵐 和彦(東北大学)、深水 昭吉(筑波大学)、鈴木 淳史(九州大学)、山田 泰広(京都大学)
概 要:転写はエピゲノムを形作り、エピゲノムは転写を制御する。転写・エピゲノムのループは、発生・分化ではもともとの状態と細胞外環境とにより綿密に制御され、細胞の記憶を形成していく。同時に強力な転写はエピゲノムを激変させ、記憶を消去しうる。恒常的状態にあっても、ストレスなどの細胞外環境に応じてループは変化し、非可逆的な変化の蓄積は疾患発症へとつながる。このループを形成している転写因子、ヒストン修飾、DNAメチル化などの詳細のみならず、その制御に関わる分子群が、ゲノムワイドな解析、少数・単一細胞の解析により明らかになってきた。また、どのような細胞外環境がどのような分子機構により転写やエピゲノムに影響するのかも明らかになってきた。本シンポジウムでは、様々な生命の局面での転写・エピゲノムのループの形成と変化を俯瞰することで、細胞外環境が転写とエピゲノムに組み込まれ、時には変質させる共通原理を明らかにしたい。
2S02
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘)

病気と生化学:個体レベルでの糖代謝調節機構と糖尿病

オーガナイザー:片桐 秀樹(東北大学)、浅野 知一郎(広島大学)
共 催:日本糖尿病学会
講演者・概要▼
講演者:西村 智(自治医科大学)、松本 道宏(国立国際医療研究センター)、宇留野 晃(東北大学)、中津 祐介(広島大学)、片桐 秀樹(東北大学)
概 要:糖代謝など代謝恒常性は、各臓器での代謝の総和としの維持されているものであり、これら各臓器の代謝の連関を通じた個体レベルでの調節機構の解明が進んでいる。それには、これまでのインスリンシグナルのみならず、種々のメカニズムが関与していることが明らかとなってきた。さらに、この代謝恒常性の乱れが、糖尿病や肥満・メタボリックシンドロームといった病態に直結することから、この領域は、まさに生化学と病態医学とのコラボレーションが必要な分野である。本シンポジウムでは、日本医学会・日本糖尿病学会との共催により、個体レベルでの代謝恒常性の維持機構における最先端の研究成果を発表していただき、病態との関連まで含め、議論したい。
2S03
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩)

ゲノム解析と生化学

オーガナイザー:安田 純(東北大学)、木下 賢吾(東北大学)
講演者・概要▼
講演者:渡邊 豊(イルミナ株式会社)、ジョナス コーラック(パシフィックバイオサイエンス)、谷口 正輝(大阪大学)、二階堂 愛(理化学研究所)、平塚 真弘(東北大学)、安田 純(東北大学)
概 要:次世代シークエンサーの発達は医学生物学に大きな変革をもたらした。個別化医療などかつては夢物語だったことが現実化しつつある。しかし、これらのテクノロジーの発達や膨大なゲノム情報の解釈においては、伝統的な生化学的技術の進歩や知見の蓄積によっても支えられている。たとえば、核酸誘導体合成の技術や、鎖置換型DNAポリメラーゼの活用などがこれら最先端のゲノム解析機器では応用されている。また、膨大なゲノム変異情報の意義づけにおいては進化学的保存性のみならず、伝統的な生化学的知見が威力を発揮している。本シンポジウムでは次世代シークエンサー技術の生化学的な観点からの解説と、ゲノム情報の意義づけにおける生化学的知見の意義について紹介し、情報科学と伝統的な実験科学の融合を目指す。
2S05
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

慢性炎症の生物学

オーガナイザー:横溝 岳彦(順天堂大学)、吉村 昭彦(慶應義塾大学)
協 賛:革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)
「炎症の慢性化機構の解明と制御に向けた基盤技術の創出」研究開発領域
講演者・概要▼
講演者:村上 誠(東京都医学総合研究所)、有田 誠(理化学研究所)、七田 崇(慶應義塾大学)、中江 進(東京大学)、新 幸二(慶應義塾大学)
概 要:炎症とは、免疫細胞の組織内浸潤を基盤とした反応で、感染や組織傷害に対して生体が発動する生体防御機構と考えられてきた。ところが近年,がん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患に慢性的な炎症が関与することが強く示唆されている。しかしその分子、細胞レベルでの機序は未解明のままである。具体的にどのような因子が慢性炎症をひきおこし、その遷延化を誘導するのか?また炎症の終息はどのようにもたらされるのか?本シンポジウムでは新進気鋭の若手研究者を中心に、生理活性脂質、腸内細菌、組織傷害と炎症/アレルギーについて分子細胞レベルでの最新の情報を提供していただく。
2S06
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1)

オルガネラ環境を制御するレドックスシグナル

オーガナイザー:西田 基宏(岡崎統合バイオサイエンスセンター 生理学研究所)、熊谷 嘉人(筑波大学)
講演者・概要▼
講演者:上原 孝(岡山大学)、富澤 一仁(熊本大学)、住本 英樹(九州大学)、内田 浩二(名古屋大学)、新開 泰弘(筑波大学)
概 要:細胞の恒常性は、細胞内小器官(オルガネラ)のコミュニケーションによって的確に制御されている。最近、細胞内に存在する酸素由来の活性種や環境化学物質など親電子性の高い物質(親電子物質)が特定の細胞内小器官(オルガネラ)の機能構造変化を誘発したり、毒性発現リスクを高めたりする要因となることが明らかになってきた。本シンポジウムでは、親電子物質をオルガネラネットワークを仲介するメディエーターと捉え、その化学生物学的特性や主要なオルガネラ(ミトコンドリア、小胞体、核など)における機能応答、さらにはオルガネラ毒性の発現機構など、最先端の研究を推進される5人の先生に独自の研究成果を紹介していただく。各オルガネラの親電子シグナルとその病態生理、ならびに親電子物質により仲介されるオルガネラネットワークを統合的に理解することにより、ヒトでの毒性発現や未病のリスク予測・診断につながる新しい概念の提唱を目指す。
2S07
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2)

ベノミクス研究による’おもしろ'毒関連生物の生化学研究の新展開

オーガナイザー:小川 智久(東北大学)、柴田 弘紀(九州大学生体防御医学研究所)
講演者・概要▼
講演者:小川 智久(東北大学)、柴田 弘紀(九州大学生体防御医学研究所)、將口 栄一(沖縄科学技術大学院大学)、新里 宙也(沖縄科学技術大学院大学)、Jun Wang(Beijing Genomics Inst., China)、岡野 桂樹(秋田県立大学)
概 要:多種多様な生物の中でも、獲物を捕らえるために多様な毒(生理活性)成分を産生、保有しているユニークな毒生物。その毒成分は、捕食される側のターゲット分子に極めて高い特異性で働く。そのため毒成分は、古くから様々な生体システムの構造や機能を明らかにするツールとしてや創薬シーズとして利用されてきた。また、有毒生物の中には共生関係により毒成分をうまく活用しているものもいる。近年毒(ベノム)生物のゲノムをはじめとしたオーミクス研究(ベノミクス研究)が進みつつあり、新規な毒成分の発見、毒成分遺伝子の発現調節機構や多様な毒をつくりだす加速進化の機構解明などに有用な情報が得られつつある。本シンポジウムでは、有毒動物を中心としたユニークな毒関連生物のゲノム、トランスクリプトーム研究を中心とした講演と議論により、毒生物がどのように進化してきたのかなど、毒生物の謎に迫りたい。
2S08
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

造血と環境

オーガナイザー:加藤 尚志(早稲田大学)、布村 渉(秋田大学)
講演者・概要▼
講演者:布村 渉(秋田大学)、杉山 大介(九州大学)、清水 律子(東北大学)、三原田 賢一(ルンド大学)、田久保 圭誉(国立国際医療研究センター研究所)、加藤 尚志(早稲田大学)
概 要:造血は,脊椎動物の基幹系のひとつである。生物の進化では,生存環境の変化は造血システムの進化に大きな影響を与えたと考えられる。各演者は多様な解析例を持ち寄り,環境と造血の連鎖,さらに関連する造血の「場」について考察を加えていく。まず脊椎動物に共通の細胞の一つ,酸素運搬を担う赤血球に注目し,哺乳類赤血球の脱核の生物学的意味(布村)や,赤血球分化における時空間的転写制御(清水)から切り込む。次に造血発生において,造血幹細胞から成熟血球を産み出す造血環境の分子基盤(杉山)や,新たに見出された胆汁酸の胎生期造血における役割(三原田),そして成体造血へ遷移後のストレス応答(田久保)を論じ,内外環境に応答する造血の姿を把握する。さらに様々な環境を生き抜く両生類造血解析からのアプローチも紹介する(加藤)。本シンポジウムを造血制御・血球機能の新たな課題の発掘に繋げたい。
2S09
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

Hypoxia and Disease

オーガナイザー:鈴木 教郎(東北大学)、南学 正臣(東京大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究 「酸素生物学」
講演者・概要▼
講演者:鈴木 教郎(東北大学)、南学 正臣(東京大学)、南嶋 洋司(慶應義塾大学)、合田 亘人(早稲田大学)、Randall S. Johnson(Univ. of Cambridge, England)
概 要:Reduced oxygen supply (hypoxia) to cells causes dramatic changes in gene expression profiles through activation of hypoxia-inducible transcription factors (HIFs) for cellular adaptation to hypoxic conditions. Recent studies on regulatory mechanisms of HIFs have revealed that the hypoxia-response systems regulate various cellular events beyond adaptation to hypoxia. Indeed, altered regulation of the hypoxia-response systems is closely related to onset and/or progression of human diseases including inflammation and cancer. Here we discuss over the recent findings in the hypoxia-response systems and their regulatory networks cooperating with other cellular pathways in order to deeply understand pathophysiology of hypoxia-response systems.
2S10
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

プロテオスタシスと老化関連疾患

オーガナイザー:中井 彰(山口大学)、永井 義隆(大阪大学)
講演者・概要▼
講演者:武内 敏秀(大阪大学)、養王田 正文(東京農工大学)、伊藤 英晃(秋田大学)、八代田 英樹(東京大学)、徳永 文稔(大阪市立大学)、中井 彰(山口大学)
概 要:細胞は様々なタンパク質の働きにより正しく機能する。新しく合成されたタンパク質はシャペロンの介助により正しくフォールディングされ、一部のミスフォールディングされたものはプロテアソーム等で分解される。これら合成、フォールディング、分解を調節することでプロテオスタシス、つまりプロテオームのバランスのとれた状態が維持されている。外的環境および代謝変化に伴うストレスによるプロテオスタシスネットワークの破壊は老化、老化と関連する神経変性疾患群、さらにがんと密接に関連する。本シンポジウムでは、このプロテオスタシス制御の分子機構に関する最先端の研究を紹介する。シャペロンによるタンパク質フォールディング機構、プロテアソームを介するタンパク質分解機構、遺伝子発現によるネットワークの調節機構などの新規の知見を基に、細胞内プロテオスタシスネットワークの全体像を俯瞰し、老化と関連する難治性疾病群の病態を議論したい。
2S11
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200)

細胞小器官の恒常性維持機構とその破綻: オルガネラストレス応答とそのクロストーク

オーガナイザー:潮田 亮(京都産業大学)、吉田 秀郎(兵庫県立大学)
講演者・概要▼
講演者:潮田 亮(京都産業大学)、吉田 秀郎(兵庫県立大学)、西頭 英起(宮崎大学)、Claudio Hetz(Univ. of Chile, Chile)、小谷野 史香(東京都医学総合研究所)、中戸川 仁(東京工業大学)、新崎 恒平(東京薬科大学)、齊藤 達哉(徳島大学)
概 要:細胞を構成する各オルガネラにはそれぞれ独自のストレス感知とその応答機構が存在し、そのシグナルはオルガネラを越えて伝播する。それぞれのオルガネラ恒常性維持機構は、これらストレス応答によって担保され、その破綻は細胞機能に深刻な影響を与え、多くの疾患に繋がることは言うまでもない。さらに近年、オルガネラ間の物質輸送またはコンタクトサイトが続々と明らかにされ、オルガネラ間の情報伝達“オルガネラクロストーク"は恒常性維持機構を理解する上で重要な概念とされつつある。本シンポジウムでは各オルガネラ独自のストレス応答とシグナル伝播に加え、オルガネラを越えた情報伝達とそれに伴う恒常性維持機構、またはその破綻が引き起こすオルガネラ障害の波及に幅広く焦点を当て、オルガネラの恒常性維持に関して理解を深めたいと考えている。
2S12
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201)

細胞のロバストネスを規定するタンパク質複合体のダイナミクス

オーガナイザー:井倉 毅(京都大学放射線生物研究センター)、古谷 寛治(京都大学放射線生物研究センター)
講演者・概要▼
講演者:井倉 毅(京都大学放射線生物研究センター)、本橋 ほづみ(東北大学加齢医学研究所)、古谷 寛治(京都大学放射線生物研究センター)、白木 琢磨(近畿大学)、田代 聡(広島大学原爆放射線医科学研究所)
概 要:細胞は、様々な外的刺激によって引き起こされるゲノムストレス応答、細胞分化、老化、あるいは細胞死など、細胞内での変化に対して頑強性(ロバストネス)を保つことが知られている。そのロバストネスは、細胞内のタンパク質や代謝ネットワークのダイナミックな変化によってもたらされると推測されるが、その実体は、未だ明らかにされていない。 タンパク質ネットワークは、様々なタンパク質複合体が一つの機能単位になり、互いに連携することによって成り立っていると考えられており、複合体自身のダイナミックな変化が、ネットワークのダイナミクスを規定していると推測できる。このような観点から、様々な外的変化に適応する細胞のロバストネスを司るタンパク質ネットワークの動的変化の仕組みの理解に対して、タンパク質複合体の生化学的解析を中心とした構成的なアプローチでどこまで迫れるのか、本シンポジウムでは議論したい。
2S13
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202)

Arfファミリー低分子量Gタンパク質群が介在する多彩な生理機能と関連疾患

オーガナイザー:渡邊 利雄(奈良女子大学)、紺谷 圏二(明治薬科大学)
講演者・概要▼
講演者:金保 安則(筑波大学)、山内 庸平(筑波大学)、松本 真司(大阪大学)、渡邊 利雄(奈良女子大学)、加藤 洋平(京都大学)、橋本 圭介(東京大学)
概 要:Arfファミリー低分子量Gタンパク質群は、細胞内物流輸送の重要な基本単位である輸送小胞形成に関与することがよく知られている。その一方で、個体におけるそれらの生理的役割や疾患に関する知見は驚くほど少ない。しかし最近、それらが発生現象、神経機能、腫瘍形成、がん浸潤・転移に重要な役割を果たしていること次々と解明され、従来考えられていたよりもArfファミリー低分子量Gタンパク質群が多彩な生理機能を発揮していることが明らかになりつつある。さらにこれらの成果をもとに抗癌剤や疾患治療薬を目指した新規の治療戦略も展開されようとしている。このような背景をもとに、本シンポジウムでは、本研究分野で第一線を走っている金保(筑波大)、菊池(阪大)、堅田(東大)、中山(京大)、渡邊(奈良女子大)の各研究室の若手・女性研究者を中心として、新たに解明されつつあるArfファミリー低分子量Gタンパク質群の生理機能、さらに疾患との関わりや臨床応用への取り組みに関して、最新の知見と将来への展望についてご紹介いただく。
2S14
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203)

膜タンパク分子作動原理解明の新基軸

オーガナイザー:小嶋 誠司(名古屋大学)、鈴木 裕(旭川医科大学)
講演者・概要▼
講演者:小嶋 誠司(名古屋大学)、小川 治夫(東京大学分子細胞生物学研究所)、鈴木 裕(旭川医科大学)、阿部 一啓(名古屋大学細胞生理学研究センター)、小林 千草(理化学研究所 計算科学研究機構)、西坂 崇之(学習院大学)、山口 明人(大阪大学)
概 要:蛋白質は如何にしてその構造を用い機能を完遂させるか?この生命科学における本質的課題を解き明かすには、化学反応、原子レベルの立体構造、そして構造がどのように変化し動くことで各素過程反応と共役するのか、の3つの階層情報の統合が、最も基本的なアプローチと言えよう。しかしながら、膜タンパク質においては、高分解能構造解析、作動時の1分子構造・機能の動的解析は技術的にも極めて困難なため、未だ各素過程反応の解析が進んでいない。本シンポジウムでは、こうした膜タンパク質が抱える課題を乗り越え、その作動原理の解明に向けた取り組みを紹介する。膜タンパク質の生化学・分子解剖学による反応素過程の生化学的知見を基盤とした高解像度の立体構造解析や1分子解析から、膜タンパク質が機能する姿を議論したい。
2S15
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204)

ゲノムの維持と継承を制御するタンパク質と核酸の相互作用

オーガナイザー:正井 久雄(東京都医学総合研究所)、片山 勉(九州大学)
講演者・概要▼
講演者:石野 良純(九州大学)、菅澤 薫(神戸大学バイオシグナル研究センター)、岩崎 博史(東京工業大学)、鐘巻 将人(国立遺伝学研究所)、片山 勉(九州大学)、荒木 弘之(国立遺伝学研究所)、正井 久雄(東京都医学総合研究所)、平野達也(理化学研究所)
概 要:ゲノムの安定な維持と継承は、複製、組換え、修復そして娘細胞の分配の一連の過程が、密接に連動して進行する過程に依存する。この複雑な過程を理解するためには、最終的には、ゲノムDNAや、転写されるRNA、そしてそれらと相互作用するタンパク質間の相互作用の分子機構の詳細を解明する必要がある。そのためには二つの生化学的アプローチがある。一つは、複雑系を試験管内で再現し、さらにこれらを解体してゆく方法、もう一つは、遺伝学的に同定された因子による生化学的素反応を明らかにし最終的に複雑系を構築する方法である。本シンポジウムではこれら二つのアプローチによりゲノムの維持・継承のメカニズムを解明する研究を紹介し、ゲノム制御機構解明に向けた生化学研究の方向性を議論したい。
2S16
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101)

脈管の動的恒常性が解き明かす生命現象

オーガナイザー:渡部 徹郎(東京医科歯科大学)、高倉 伸幸(大阪大学微生物病研究所)
講演者・概要▼
講演者:渡部 徹郎(東京医科歯科大学)、高倉 伸幸(大阪大学微生物病研究所)、佐藤 靖史(東北大学加齢医学研究所)、南 敬(熊本大学 生命資源研究・支援センター)、植村 明嘉(名古屋市立大学)、Injune Kim(KAIST, Korea)
概 要:血管とリンパ管(脈管)は全身に分布し、外界から取り込んだ栄養分や酸素を組織に供給することで生体の恒常性を維持しており、その機能不全は様々な病態を引き起こす。また、脈管は成体においても、微小環境の影響により刻々とその形態を変化させる可塑性を有している。つまり脈管は動的恒常性を有しつつ、様々な生命現象を司っているが、従来の血管生物学ではその全容を解明できなかった。本シンポジウムにおいては「脈管の動的恒常性」という新たなテーマでイメージング技術などを駆使した新時代の血管生物学を紹介する。この「脈管動的恒常性」においては、血管生物学を様々な分野と融合させることで、血管を新たな角度から捉えることを試みる。この脈管の動的恒常性を可視化することで、その分子基盤を解明するとともに、この破綻により生じる疾患の病因解明に応用可能な、恒常性維持を司る生命現象を明らかにすることを目指す。
2S17
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102)

バクテリアの環境応答:見え始めた2成分系リン酸化シグナル分子の新たな側面

オーガナイザー:木下 英司(広島大学)、江口 陽子(近畿大学)
講演者・概要▼
講演者:江口 陽子(近畿大学)、木下 恵美子(広島大学)、水谷 泰久(大阪大学)、北西 健一(理化学研究所 放射光科学総合研究センター)、山本 兼由(法政大学)、内海 龍太郎(近畿大学)
概 要:バクテリアの細胞内情報伝達の手段にタンパク質のHis残基とAsp残基のリン酸化を介した2成分システムがある。しかし,これらの残基に結合したリン酸基は化学的に不安定であるため,2成分システムにおけるリン酸化研究の手法は限られていた。最近,タンパク質リン酸化研究への新たなアプローチとしてPhos-tag技術が,様々な生命科学分野において使用され始めている。2成分システムの研究においてもこの技術は応用され,分子内および分子間のリン酸基転移反応や自己リン酸化反応に関わる酵素や基質の速度論的性質など,このシステムにおけるリン酸化シグナル分子の新たな側面が見え始めてきた。本シンポジウムでは,「バクテリアの環境応答」といった古典的な研究テーマでありながら近年大きな展開が見られた2成分系リン酸化シグナル分子の制御機構に焦点をあてプログラムを企画した。最新の応用法に加え,最先端の構造解析研究や創薬研究の成果を議論し,この2成分系シグナル研究がもたらすインパクトを示したい。
2S18
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103)

神経細胞生物学におけるイメージング技術の最前線

オーガナイザー:生沼 泉(兵庫県立大学)、松田 孝彦(京都大学ウイルス研究所)
講演者・概要▼
講演者:王 丹(京都大学 物質―細胞統合システム拠点)、松田 孝彦(京都大学ウイルス研究所)、生沼 泉(兵庫県立大学)、柴田 幹大(金沢大学)、坂本 雅行(東京大学)、Douglas Kim(HHMI Janelia Research Campus, USA)
概 要:神経細胞研究分野における最近のイメージング技術、特に「生きたまま」の細胞を対象にした標識・可視化技術の進展を、若手研究者を中心とした国内外で活躍するシンポジストを集めて総合的に討論する。イメージングの対象は、内在性RNAの動態、内在性蛋白質の動態、細胞の微細構造動態、膜電位動態、カルシウム動態、と多岐にわたるものを予定している。神経細胞を対象にしたセッションではあるが、取り上げる技術は他の研究分野においても十分活用できる可能性があり、幅広い研究分野から聴衆を歓迎する。
2S19
日 時:9月26日(月)16:00-18:30   会 場:第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104)

抗体はどこまで可能性を秘めているのか?:潜在的能力を引き出す最新の試み

オーガナイザー:伊東 祐二(鹿児島大学)、梅津 光央(東北大学)
協 賛:AMED「革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業」
講演者・概要▼
講演者:小出 昌平(シカゴ大学/ニューヨーク大学)、Junho Chung(Seoul National Univ., Korea)、加藤 幸成(東北大学)、村上 明一(琉球大学)、坂本 健作(理化学研究所 生命分子システム基盤研究領域)、伊東 祐二(鹿児島大学)
概 要:抗体はその標的特異的な分子認識機能により、研究用試薬として、また近年では分子標的医薬品として使用されてきた。しかし、抗体の潜在的な機能を考えると、抗体は、さらに多くの可能性を秘めている。抗体の適用分野を広める場合、目的に応じ抗体に要求される機能や特性の問題をクリアする必要がある。本シンポジウムでは、新しい抗体の利用と、そこで求められる機能・特性を持つ抗体を得るための技術戦略を中心に、この分野で卓越した研究実績をもつ演者を集め、今後の展開を含めて議論したい。 前半では、新しい抗体の適用分野として、細胞内、特に核内タンパク質を可視化する抗体、がん治療抗体、がん特異的糖鎖構造の違いを認識できる抗体を取り上げる。後半では、意図する機能抗体を創る手法として、進化した抗体ライブラリー技術、非天然型アミノ酸導入による高機能化、化学修飾による機能改良の手法を取り上げ、抗体の潜在的能力を引き出す最新の試みについて考えてみたい。
第3日目(9月27日)
3S01
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第1会場(仙台国際センター 会議棟 大ホール)

オートファジーのマシナリーと機能

オーガナイザー:水島 昇(東京大学)、小松 雅明(新潟大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究 「オートファジー集学的研究:分子基盤から疾患まで」
講演者・概要▼
講演者:大隅 良典(東京工業大学)、水島 昇(東京大学)、吉森 保(大阪大学)、小松 雅明(新潟大学)、佐藤 美由紀(群馬大学)、山野 晃史(東京都医学総合研究所)
概 要:オートファジーは、細胞質成分をリソソームへ輸送し、分解するシステムである。1990年代の出芽酵母オートファジー必須遺伝子ATGの発見を契機に、我々はオートファジーを解析できる手段を獲得した。現在、基本的なオートファジーの分子機構のみならずその生理機能も明らかになりつつある。その反面、一般に非選択的と考えられてきたオートファジーに、不要、異常細胞小器官などを狙って分解する選択的オートファジーの存在が明らかになるなど、オートファジーの複雑さは増している。さらに、オートファジーの異常ががん、神経変性疾患といった重篤なヒト疾患発症に直接関与することが判明し、基礎のみならず臨床研究者の関心をも集めている。本シンポジウムでは、最新の研究成果とともに現在のオートファジー研究の到達点を討論したい。
3S02
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第2会場(仙台国際センター 会議棟 橘)

鉄代謝異常:疾患と病態

オーガナイザー:豊國 伸哉(名古屋大学)、張替 秀郎(東北大学)
共 催:日本血液学会
講演者・概要▼
講演者:Des Richardson(The Univ. of Sydney, Australia)、豊國 伸哉(名古屋大学)、藤原 亨(東北大学)、小船 正義(札幌医科大学)、川端 浩(京都大学)
概 要:鉄は生体にとって酸素運搬、細胞の分裂・増殖やエネルギー産生、薬物代謝など生命維持に必須の元素である。一方で、活性酸素種を産生する危険な元素でもあり、以前より、鉄過剰が臓器障害や発がんにかかわることが示されてきたが、その分子メカニズムについては全貌が明らかとなってはいない。近年、動物モデルの解析や次世代シークエンサーによる希少疾患の原因遺伝子の同定により、生体内の鉄代謝の分子機構が急速に解明されてきた。これに伴い、鉄代謝異常によるヒト疾患の病態や発症メカニズムがより詳細に理解できるようになってきた。本シンポジウムでは、造血・発がんを中心に、鉄代謝異常により引き起こされる疾患の病態及び発症メカニズムについて最新の知見を紹介いただき、基礎・臨床の両面から鉄研究の今後について議論する予定である。
3S03
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第3会場(仙台国際センター 会議棟 萩)

加齢にともなう幹細胞変化と疾患の分子基盤

オーガナイザー:岩間 厚志(千葉大学)、大谷 直子(東京理科大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究「ステムセルエイジングから解明する疾患原理」
講演者・概要▼
講演者:岩間 厚志(千葉大学)、湯浅 慎介(慶應義塾大学)、大谷 直子(東京理科大学)、真鍋 一郎(東京大学)、眞田 昌(名古屋医療センター)
概 要:この超高齢社会において、加齢に伴う臓器の機能変化や疾患の研究の重要性を認識されつつある。このような中、加齢に伴う幹細胞の変化が徐々に明らかにされるとともに、加齢関連疾患の分子基盤の理解も進んでいる。加齢と幹細胞・疾患研究の最新の動向を紹介したい。
3S04
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第4会場(仙台国際センター 会議棟 桜1)

最先端イメージング技術が切り拓く新たな酸素生物学

オーガナイザー:浦野 泰照(東京大学)、森 泰生(京都大学)
共 催:文部科学省新学術領域研究 「酸素生物学」
講演者・概要▼
講演者:平川 陽亮(東京大学)、船戸 洋佑(大阪大学)、杉浦 悠毅(慶應義塾大学)、大久保 光修(慶應義塾大学)、坂口 怜子(京都大学)、梅澤 啓太郎(東京大学)
概 要:分子状酸素(O2)は好気性生物の生命維持に必須の、文字通り生命線となる物質であるが、近年従来とは異なる新たな観点から、酸素の生命機能に果たす役割を明らかにする研究が盛んとなっている。それらの研究の多くは、生細胞、臓器、動物個体を対象とするものであり、高次生命システムの精確な観察・解析を可能とする、画期的な各種イメージング技術の開発が大きな役割を果たしている。本シンポジウムでは、酸素濃度、温度、レドックス関連分子などの局所における計測・定量や細胞応答事象の可視化を、in vivo、in celluroあるいは組織切片で時空間分解能高く実現する各種イメージング手法の開発と、その活用による新たな生命機能解析研究を遂行している三十代の若手研究者を中心に、最新の研究成果を報告してもらう。新たなイメージング技術の観点からも、酸素の関わる生物学の観点からも、丁々発止の議論が出来る自由な場を提供したい。
3S05
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

異分野融合によるがん分子標的薬開発

オーガナイザー:野田 哲生(がん研究所)、吉田 稔(理化学研究所)
協 賛:次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム
講演者・概要▼
講演者:清木 元治(金沢大学)、永瀬 浩喜(千葉県がんセンター)、大野 茂男(横浜市立大学)、鈴木 聡(九州大学)、近藤 豊(名古屋市立大学)、ステファン ナップ(オックスフォード大学)
概 要:がんは我が国の死亡原因の1 位であり、優れたがん医療の創生が強く求められている。こうした社会的要請に応えるべく、基礎的なフェーズから実用化への展開を促進する研究開発事業として、平成23年度から「文科省/AMED次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」、また、平成28年度からは「AMED次世代がん医療創生研究事業」が実施されている。本シンポジウムでは、こうしたアカデミア発のがん創薬について実例を紹介いただくとともに、海外のアカデミア創薬活動の事例として、Structural Genomics Consortium(SGC)について紹介いただく。
3S06
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第6会場(仙台国際センター 会議棟 白橿1)

生命科学研究の必要条件としての構造生物学

オーガナイザー:高木 淳一(大阪大学蛋白質研究所)、濡木 理(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:高木 淳一(大阪大学)、菅 裕明(東京大学)、濡木 理(東京大学)、青木 淳賢(東北大学)、岩田 想(京都大学)、デイビッド・ドリュー(ストックホルム大学)
概 要:構造生物学は生命科学研究の一分野である時代をすでに終え、あらゆるライフサイエンス分野に水や空気の様に浸透してきている。代表的な生化学の教科書を開いてみれば、多くのページにおいてタンパク質の立体構造図が使われていることでもそれは明らかである。研究開発の対象となる生体分子について原子分解能の立体構造情報を利用することは、今や特殊なことではなく必要条件とさえ言える。医薬品開発においても標的となる分子が未知なものはもう審査の俎上にすらのらず、しばしばその開発過程において立体構造情報取得が必須条件となる。このように構造生物学が「あたりまえ」になった時代を踏まえ、本シンポジウムでは3つのトピックを選び、それぞれについて構造生物学者と構造学的知見を利用する非構造生物学研究者がペアを組んで、精緻で明快な生物学的ストーリーを共同で創出していくプロセスをご紹介したい。
3S07
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第7会場(仙台国際センター 会議棟 白橿2)

多様な微生物のユニークな酵素・代謝・機能とその応用

オーガナイザー:高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)、小林 達彦(筑波大学)
講演者・概要▼
講演者:高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)、小林 達彦(筑波大学)、伊東 信(九州大学)、中山 亨(東北大学)、三原 久明(立命館大学)、邊見 久(名古屋大学)
概 要:微生物は、生物分類上の全てのドメイン(真正細菌・アーキア・真核生物)を含み、動植物よりも多様な生物種から構成され、生息環境や機能も多様である。我が国には、歴史的に発酵・醸造学を中心とした「応用微生物学」の強い研究背景があり、世界をリードしてきた。2015年「ノーベル生理学・医学賞」では、微生物探索にフォーカスが当てられたが、微生物研究は理学、農学、工学、医学、薬学の幅広い学問分野に含まれる。 一方、生体内では、核酸以外にもアミノ酸や脂質、ビタミンなどの各種生理活性物質が生命活動に関わっている。微生物におけるこれらの代謝制御やそれに関わる酵素機能を解明し、高度に活用することは基礎科学・応用研究の両面で重要な課題である。 本シンポジウムでは、微生物の多様性と特異性を基盤に、主に生化学的手法を用いて独自のアプローチで研究を進め、農学・工学・理学の第一線で活躍する研究者が微生物機能(酵素、代謝など)における最新・最先端の研究成果を紹介する。また、3つのドメインを含め幅広い観点からの領域横断型の話題を提供することで、微生物新機能開発の今後の方向性や産業への利用についても議論したい。
3S08
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

細胞社会の理解が照らし出す組織構築原理

オーガナイザー:田久保 圭誉(国立国際医療研究センター研究所)、佐藤 俊朗(慶應義塾大学)
共催:文部科学省新学術領域研究「ステムセルエイジングから解明する疾患原理」
講演者・概要▼
講演者:原 健士朗(東北大学)、佐々木 伸雄(慶應義塾大学)、小林 央(国立国際医療研究センター研究所)、高里 実(マードック小児研究所)、倉永 英里奈(理化学研究所 多細胞システム形成研究センター)
概 要:ヒトでは約37兆個の細胞からなる細胞社会は、各臓器の組織幹細胞システムによって構築され、維持される。こうした細胞社会の形成メカニズムや恒常性制御機構の解明によって各種の組織の発生過程や老化・病態の理解が深まると考えられる。各素過程の理解には幹細胞や組織のイメージングやオルガイド培養、オミックス解析などを総動員する必要がある。そこで本シンポジウムではこうした集学的な手法に基づいて各組織の構築原理を明らかにしてきた若手演者たちが集まり最新の知見を共有する。まず精巣(原)や腸管(佐々木)の幹細胞動態を明らかにし、造血幹細胞と間葉系幹細胞による骨髄維持機構(小林)について紹介する。さらに、腎臓の新規オルガノイド培養(高里)や、組織形成過程のライブイメージング(倉永)から得られた知見を通じて複雑な組織が構築される素過程を明らかにする。これらを通じて組織ごとの構築原理の普遍性と特異性を議論したい。
3S09
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

プロテオーム大規模解析が切り開く新たな生化学研究

オーガナイザー:梶 裕之(産業技術総合研究所)、植田 幸嗣(がん研究会)
講演者・概要▼
講演者:中山 敬一(九州大学)、大槻 純男(熊本大学)、澤崎 逹也(愛媛大学)、新間 秀一(大阪大学)、岡田 眞理子(理化学研究所)、石濱 泰(京都大学)、梶 裕之(産業技術総合研究所)
概 要:生命現象の機構解明を目指した研究を進めるに当たって多くの場合、細胞や生物個体に摂動、例えば、化学物質やタンパク質因子、あるいは物理的な刺激を与えたり、特定の遺伝子を変異、ノックアウト、ノックダウン、あるいはノックインしたりして、その変化を追跡する。どの様な変化が生じたかは、仮説に基づいて注目した特定のタンパク質分子をウェスタン分析するなどして、量的あるいは質的変化を検出する。この変化は確かに生じたであろうが、その変化が注目する生命現象の主要因であるのか、原因か結果か、その判別は難しい。こういった観点から、非仮説主導的に、また網羅的に変化を捉えることによって、包括的にその変化を理解することを目指したオミクス研究が興隆することとなった。タンパク質の大規模解析を旨とするプロテオミクスはその提唱から20年を迎えた。この間の技術的進展はめざましく、またいつの間にかその考え方は常識となりつつある。本シンポジウムでは、生化学研究を切り開いていく上でのプロテオミクスの最新技術と応用について紹介していただく。
3S10
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

マクロファージの多様性が織りなす生命現象と疾病

オーガナイザー:真鍋 一郎(千葉大学)、大石 由美子(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
講演者・概要▼
講演者:佐藤 荘(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)、大石 由美子(東京医科歯科大学難治疾患研究所)、山中 宏二(名古屋大学環境医学研究所)、大島 正伸(金沢大学)、岡部 圭介(慶応義塾大学)、上羽 悟史(東京大学)
概 要:マクロファージは、19世紀末にイリヤ・メチニコフによって異物を貪食する食細胞として発見された。メチニコフは一連の研究の中で、マクロファージが貪食による生体防御に加えて創傷治癒や発生、老化にも寄与することを既に示唆していたが、最近の研究からこれらの仮説が証明されつつある。すなわち、マクロファージは、実に多彩な機能を持ち、発生や器官形成、組織や個体の恒常性の維持に重要な役割を果たす。また、生活習慣病や癌をはじめとした慢性炎症においても主要な働きを担い、病態形成に重要である。また、微小環境のシグナルを受けて機能的に変化することから、マクロファージ機能の多様性が新しい治療標的としても期待されている。本シンポジウムでは、発生・器官形成、組織の負荷応答、血管新生、生活習慣病・癌・神経疾患などの病態形成におけるマクロファージの機能と分子機構についての最新の知見を紹介し、その生理的・病態生理学的意義についての議論を深めたい。
3S11
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第11会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B200)

オルガネラ局域の生物学

オーガナイザー:花田 賢太郎(国立感染症研究所)、森 和俊(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:森 和俊(京都大学)、花田 賢太郎(国立感染症研究所)、後藤 聡(立教大学)、原田 彰宏(大阪大学)、加藤 薫(産業技術総合研究所)、下嶋 美恵(東京工業大学)
概 要:オルガネラは多岐にわたるプロセスを混線することもなく、同時並行的に整然と処理している。一つの連続した膜で囲まれたオルガネラ内は均質であると長らく考えられてきたが、最近では、単一のオルガネラ内部にも構造的・機能的に異なる領域(局域)が存在すること、そして、どの局域に移行するかによって同一の生体分子であってもその役割や運命は左右されると考えられ始めている。本シンポジウムでは、小胞体とゴルジ体を中心にした局域の形成や機能及びそれらの調節機構を翻訳後修飾・品質管理・小胞輸送・オルガネラ接触部位といった複数の角度から紹介する。オルガネラ局域の生物学は、医学や農学はもちろん、オミックスやシステム生物学といった新興の生命科学分野にも新しい展開をもたらす潜在能力があり、今後は、様々な専門領域の研究者によって多面的なアプローチをすることで統合的に解明されていく必要がある。
3S12
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第12会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B201)

生化学の基盤戦略:試験管内再構成

オーガナイザー:今高 寛晃(兵庫県立大学)、上田 卓也(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:末次 正幸(立教大学)、梅原 崇史(理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター)、富田(竹内) 野乃(東京大学)、町田 幸大(兵庫県立大学)、千葉 志信(京都産業大学)、池ノ内 順一(九州大学)
概 要:細胞内で起こっている現象を精製された因子で再構成し、そのメカニズムを解明するという手法は生化学の基本であり、いわば王道とも言える。様々な酵素機能の試験管内再構成やリボソームの再構成など、匠の技による研究が生命科学にもたらした功績は計り知れない。ところがタンパク質などを細胞から精製するのは大変な労を要するため、分子生物学の勃興と共に再構成という手法は特に若い研究者から敬遠されてきてきた。しかし近年になり、最先端の分子生物学的手法や分子工学的手法をうまく取り入れることにより、以前に比べ遥かに効率的に構成因子を用意できるようになり、試験管内再構成は再び強力な手段として脚光を浴びつつある。本シンポジウムではDNA複製、転写、翻訳といったセントラルドグマに加え新生鎖の膜挿入、膜の構造という重要な個所に焦点を当て、それぞれの領域で再構成系を立ち上げ活躍している若手研究者に最近の進展を語っていただく。
3S13
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第13会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B202)

生体膜脂質の動態制御と生理機能

オーガナイザー:申 惠媛(京都大学)、鈴木 淳(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)
講演者・概要▼
講演者:原 雄二(京都大学)、植田 和光(京都大学)、田中 一馬(北海道大学遺伝子病制御研究所)、小原 圭介(北海道大学)、鈴木 淳(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)、申 惠媛(京都大学)
概 要:真核生物において生体膜は脂質二重層からなり、細胞膜外側(内腔側)と内側において脂質組成の非対称性が存在する。脂質分布の調節は、血液凝固、アポトーシス細胞の貪食、分泌顆粒の放出、細胞分裂などの生理機能に重要であることが示されているが、その調節メカニズムは不明であった。近年、脂質二重層間の脂質を移動させるスクランブラーゼ、フリッパーゼ、フロップパーゼの目覚ましい研究の発展により、ダイナミックな脂質組成変化のメカニズムおよびその生理的意義が明らかになりつつある。本シンポジウムでは、真核生物の種間を越えた生体膜脂質の動態制御およびその生理機能について最新の知見を共有し、今後の研究のトレンドについて議論したい。
3S14
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第14会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B203)

膜輸送体学の「温故知新」 ~長年の謎の解明をめざして

オーガナイザー:表 弘志(岡山大学)、高田 龍平(東京大学医学部附属病院)
講演者・概要▼
講演者:永森 收志(大阪大学)、宮地 孝明(岡山大学自然生命科学研究支援センター)、小段 篤史(京都大学 物質―細胞統合システム拠点)、高田 龍平(東京大学医学部附属病院)、大嶋 篤典(名古屋大学細胞生理学研究センター)、井上 圭一(名古屋工業大学)
概 要:膜輸送体は物質輸送を通して生命を維持するとともに、それぞれの細胞に特異的な機能の発現に深く関わっている。それゆえ、生命科学の初期からその機能が注目され教科書に記載されてきた。例えばフリーズフラクチャー法でのギャップジャンクションの電子顕微鏡写真、膜輸送体疾患であるシスチン尿症、交互アクセス輸送モデルやバクテリオロドプシンは多くの生化学や細胞生物学の教科書で紹介されている。しかし、当時の膜輸送体解析は端緒についたところであり、多くの間違いや謎を残したまま記載されていた。近年の生化学、生物物理学や遺伝学の進展は、膜輸送体に関する長年のナゾを解き明かしつつある。このシンポジウムでは古くから生化学、生理学の教科書に記述されて来た膜輸送体の機能が現在どのように説明され、展開しているか、精選して紹介する。
3S15
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第15会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B204)

チオールバイオロジーの新たな展開

オーガナイザー:居原 秀(大阪府立大学)、澤 智裕(熊本大学)
講演者・概要▼
講演者:居原 秀(大阪府立大学)、澤 智裕(熊本大学)、柴田 貴広(名古屋大学)、中嶋 秀満(大阪府立大学)、渡邊 泰男(昭和薬科大学)、鈴木 隆史(東北大学)
概 要:チオール(-SH)基は、グルタチオン、システインなどに含まれ細胞内レッドクス調節に関与している。またタンパク質中のシステインチオール基は、酵素やホルモンの活性に重要な役割を持っている。古典的なチオールバイオロジーにおいて、チオール基は酸化型であるジスルフィド(S-S)との相互変換により生理・病理的機能を調節していると理解されてきた。しかし、最近の研究では、チオール基のニトロシル化(-SNO)などの修飾や、過剰にイオウが付加したパースルフィド(-SSH)の存在が明らかとなってきている。これらのチオール修飾体は、ユニークな化学的特性を有しており、多彩な生理・病理的機能に関与している。本シンポジウムでは、目覚ましい勢いで解明されつつあるチオールバイオロジーの新たな展開を紹介し、今後の生理・病態解明への展望について討論したい。
3S16
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第16会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B101)

環境ストレス応答と内部環境のサーカディアンリズム

オーガナイザー:八木田 和弘(京都府立医科大学)、深田 吉孝(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:八木田 和弘(京都府立医科大学)、中西 周次(大阪大学太陽エネルギー化学研究センター)、下條 博美(京都大学ウイルス研究所)、真田 佳門(東京大学アイソトープ総合センター)、Qing Jun Meng(Univ. Manchester, UK)、中村 渉(大阪大学)、清水 貴美子(東京大学)
概 要:生物は地球のダイナミックな環境変動の中で生存する戦略として、自らの内部環境を外部環境にうまく適応させ、さらにはその変動サイクルを遺伝子プログラムに取り込む事により、次の一日のサイクルを予測できる体内時計を完成させた。これにより、睡眠覚醒やホルモン変動といった生理機能の概日リズムを生み出すことで健康を維持している。近年、環境の人工的な変化をはじめとする環境ストレスが体内時計の失調を導き、その結果として多くの疾患の引き金となることや発がんのリスクを高めることが分かってきた。体内時計は生物の多くの細胞に備わっており、その基盤は時計遺伝子の転写制御を中心とする分子ネットワークである。本シンポジウムでは、外部環境因子や環境ストレスが体内時計に及ぼす分子的効果、あるいは内部環境としての新しい変動メカニズム、さらにはそれらの破綻に基づく病態発症の分子的なメカニズムについて、最新の知見を基に今後の展望を議論し、外部環境と体内時計の連関に基づく概日リズム形成の原理と、異なる周期のリズムとの関連性を含め、生物の時間情報活用戦略の解明にせまりたい。
3S17
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第17会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B102)

CCR4-NOT複合体の多様なRNA制御機能と遺伝子発現制御の新たなパラダイム

オーガナイザー:久場 敬司(秋田大学)、千葉 由佳子(北海道大学)
講演者・概要▼
講演者:山本 雅(沖縄科学技術大学院大学)、藤原 俊伸(近畿大学)、三嶋 雄一郎(東京大学分子細胞生物学研究所)、Collart Martine(ジェネヴァ大学)、Reese Joseph(ペンシルバニア州立大学)、千葉 由佳子(北海道大学)、久場 敬司(秋田大学)
概 要:CCR4-NOT蛋白質複合体は、酵母において転写の調節因子として同定されたが、その後RNA分解因子をもつことが発見され、高等生物のRNA代謝においてCCR4-NOTが多様な役割を担うことが確立されてきた。一方、転写や翻訳といった遺伝子発現調節のプロセスは個々の事象として研究が進められてきたが、近年これらの遺伝子発現の調節は蛋白質レベルで相互に連関して制御されていることが解明されつつある。たとえば、CCR4-NOT複合体のRNA分解因子による転写や翻訳の制御やRNA 合成酵素のRbp4による翻訳制御などが報告され、一連のRNA合成、翻訳、RNA分解が相互に連環したシステムとしてとらえる新たな視点が注目されている。本シンポジウムでは、幅広い生物種と多様なRNA制御活性の2つの観点からCCR4-NOT複合体の生理機能を俯瞰することで、遺伝子発現制御の新しい視点を提示し活発な議論を展開したい。
3S18
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第18会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B103)

酵母から学ぶ遺伝子発現制御システム

オーガナイザー:清水 光弘(明星大学)、向 由起夫(長浜バイオ大学)
講演者・概要▼
講演者:清水 光弘(明星大学)、加藤 太陽(島根大学)、中山 潤一(名古屋市立大学)、原田 昌彦(東北大学)、田中 克典(関西学院大学)、沖 昌也(福井大学)、亀井 優香(長浜バイオ大学)
概 要:これまで、真核細胞の基本的なしくみを有する酵母は、生命科学研究において多くのランドマークを残してきた。それは今なお色褪せることはなく、生化学、分子生物学、遺伝学、ゲノム科学を駆使できる酵母ならではの研究が展開されている。本会では、酵母を対象として、独自の視点から展開している幅広い分野の研究者によるシンポジウムを企画した。生命現象の根幹をなす遺伝子発現制御システムを中心に据えて、転写制御因子、ヌクレオソームとクロマチンの機能制御、エピジェネティクス、細胞周期、細胞老化の分子機構に関する最新の成果を取り上げる。また、酵母から学ぶことができる生命科学の普遍性と応用性についても議論する。
3S19
日 時:9月27日(火)9:00-11:30   会 場:第19会場(川内キャンパス 講義棟B棟 B104)

エクソソームバイオロジーのフロントライン:糖鎖関連分子の機能に迫る

オーガナイザー:佐藤 ちひろ(名古屋大学)、原田 陽一郎(鹿児島大学)
講演者・概要▼
講演者:佐藤 ちひろ(名古屋大学)、原田 陽一郎(鹿児島大学)、大島 健司(名古屋大学)、山下 竜幸(高知大学)、大西 なおみ(がん研究会)、星野 歩子(Weill Medical College of Cornell University, USA)
概 要:様々な細胞から分泌されるエクソソームは、分泌細胞とその近傍または遠隔細胞との間の情報伝達を担うメディエーターである。エクソソームに内包される情報伝達物質としては核酸が有名であるが、エクソソーム表面は糖鎖関連分子(糖タンパク質、糖脂質、糖加水分解酵素など)が機能を発揮する場であり、これらの分子はエクソソーム機能のフロントラインを担う。本シンポジウムのねらいは、エクソソーム表面分子としての糖鎖関連分子が醸し出す生体調節反応の統合的な理解を深めることであり、これまで注目されてこなかったエクソソーム研究と糖鎖研究の融合的研究を紹介し、そこから医学領域への応用を目指している。がん、免疫、神経、受精、乳腺といった研究分野から新進気鋭の6名のエクソソーム研究者を招き、エクソソーム糖鎖生物学の最近の話題を議論して今後を展望する。

 

フォーラム

フォーラム一覧

セッションNo. 日にち 会場 タイトル
1F05 9月25日(日) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) グローバルヘルスを支える生化学
1F08 9月25日(日) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) ペプチド機能設計と生化学のインタープレイ:分子相互作用制御と生体応答
1F09 9月25日(日) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) 計算科学、有機化学と生化学の融合による脂質膜の形態形成の理解
1F10 9月25日(日) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) 生体材料・人工臓器の現状と未来
2F05 9月26日(月) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) イオウ原子が生み出す多彩な生体反応と含硫化合物の生理機能に関する最新知見
2F08 9月26日(月) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) デザイナーペプチド・蛋白質が創成する新しい生化学
2F09 9月26日(月) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) 都市と地方 ~これからの研究環境選びを考える~
2F10 9月26日(月) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) 生命システム原材料の起源と進化:現在の生化学反応に生命初期進化の痕跡は残っているか
3F05 9月27日(火) 第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2) 加齢性疾患とスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
3F08 9月27日(火) 第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2) 超解像度顕微鏡による生化学の近未来的視点
3F09 9月27日(火) 第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3) 構造生物学の新たな潮流:PDBj15年の歩みと今後の展望
3F10 9月27日(火) 第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4) In vivo結晶化 ― 細胞内環境変動に対する応答解析と応用 ―

フォーラム概要

セッション番号No.について
開催日+フォーラム(F)+会場
(例)1F02:第1日目・フォーラム・第2会場

 

第1日目(9月25日)
1F05
日 時:9月25日(日)13:30-15:30   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

グローバルヘルスを支える生化学

オーガナイザー:北 潔(東京大学)、坪井 敬文(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)
講演者・概要▼
講演者:原田 繁春(京都工芸繊維大学)、坪井 敬文(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)、金子 聡(長崎大学熱帯病研究所)、福田 真嗣(慶應義塾大学先端生命科学研究所)、高田 礼人(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター)
概 要:2013年末にギニア南部で始まったエボラ出血熱の死者は11,000名を越え、日本では70年間発生のなかったデング熱の患者が報告され、また隣の韓国で中東の風土病であったMERS(中東呼吸器症候群)が発生し、少なからぬ死者を出した。3大感染症であるマラリア、エイズ、結核の状況は改善せず、むしろ薬剤に耐性を持つ病原体の出現が常に我々を脅かしている。そしてエボラ出血熱を含む「新興・再興感染症」 や「顧みられない熱帯病(NTDs)」など様々な感染症が地球レベルで拡大している。この様に「グルーバルヘルス」を考える時、感染症は最も重要課題の一つであり、2015年のノーベル生理学・医学賞が大村智博士をはじめとする抗寄生虫薬開発に授与された事はその成果ばかりではなく、今後の貢献に対する期待を示している。迅速で精確な診断法の確立、治療のための創薬、予防のためのワクチン開発は一時も休む事はできない。そしてこれを支えるのが「生化学」である。本シンポジウムではこの感染症との闘いを支える「診断・創薬・予防」に関する最先端研究を、その世界的な潮流の解説も含め紹介したい。
1F08
日 時:9月25日(日)13:30-15:30   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

ペプチド機能設計と生化学のインタープレイ:分子相互作用制御と生体応答

オーガナイザー:二木 史朗(京都大学化学研究所)、坂口 和靖(北海道大学)
講演者・概要▼
講演者:松島 綾美(九州大学)、中馬 吉郎(新潟大学)、今西 未来(京都大学)、野水 基義(東京薬科大学)、中瀬 生彦(大阪府立大学)、相馬 洋平(東京大学/科学技術振興機構・ERATO)、後藤 佑樹(東京大学)、吉田 将人(東北大学)、鎌田 瑠泉(北海道大学)
概 要:構造生物学、細胞生物学、分子生物学をはじめとする近年の生化学関連領域の急速な発展に伴い、生体内ではたらくタンパク質の分子像が次々に明らかにされつつある。また、これらをブループリントとしたペプチドの機能設計も急速に発展している。タンパク質の構造モチーフを模倣・再構築できるだけでなく、非天然のアミノ酸や種々の化学修飾の導入も可能であるペプチドの特長を活かすことにより、分子生物学的手法によるものとは異なる切り口による生体分子相互作用の制御・調節が可能である。一方では、化学的・生化学的手法を利用したペプチドの合成法も近年長足の進歩を遂げ、生体分子相互作用制御に新たなアプローチを築きつつある。本シンポジウムでは、ペプチドの機能設計による生化学分野への最新のアプローチ(新規の合成手法の開発を含む)・生体内分子相互作用や生体応答の解析制御に関する話題を取り上げ、聴衆とのディスカッションを通して、生化学における新たな研究分野の開拓を模索する。シンポジストには第一線で活躍する若手、女性を積極的に起用した。
1F09
日 時:9月25日(日)13:30-15:30   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

計算科学、有機化学と生化学の融合による脂質膜の形態形成の理解

オーガナイザー:末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)、北尾 彰朗(東京大学分子細胞生物学研究所)
講演者・概要▼
講演者:北尾 彰朗(東京大学分子細胞生物学研究所)、辻田 和也(神戸大学バイオシグナル研究センター)、安原 主馬(奈良先端科学技術大学院大学)、野口 博司(東京大学物性研究所)、立川 正志(理化学研究所)、末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)
概 要:脂質膜の形態形成はすべてのオルガネラ形成の基礎である。これまでに、脂質膜の形、すなわちオルガネラの形を制御する、BARドメインや様々なタンパク質が見出されてきた。BARドメインを含むこれらのタンパク質は、脂質膜の形状をタンパク質の集合とその結果形成される多量体の立体構造に基づいて決定すると考えられるが、その制御機構は、大部分不明である。このことは従来の生化学的なアプローチのみでは解明不可能であることを示唆する。本シンポジウムでは、脂質膜の形態形成について、生化学以外のアプローチを行っている研究者にご参画をいただき、脂質膜形態形成機構の解明のブレークスルーのきっかけを探る。
1F10
日 時:9月25日(日)13:30-15:30   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

生体材料・人工臓器の現状と未来

オーガナイザー:堀内 久徳(東北大学 加齢医学研究所)、小亀 浩市(国立循環器病研究センター)
講演者・概要▼
講演者:堀内 久徳(東北大学加齢医学研究所)、小笠原 康悦(東北大学加齢医学研究所)、山岡 哲二(国立循環器病研究センター研究所)、鈴木 治(東北大学)、藤里 俊哉(大阪工業大学)、井上 祐貴(東京大学)
概 要:近年、医療で用いられる人工臓器の発展はめざましいが、そこには金属やポリマー等、本来の生体には無い物質からなる材料が用いられる。それらは生体にとって異物であるため、免疫系や血栓止血系等における異常反応を招くことがある。一方、生体物質の特性を利用した人工材料やそれを利用した再生医療、ドラッグデリバリーの研究開発は、一部、臨床応用まで進んでいる。本シンポジウムでは生体材料および人工臓器にフォーカスし、生化学的側面より、人工心臓内の過度のずり応力が引き起こす出血性疾患(後天性フォンウィルブランド症候群)、金属に対するアレルギー反応、生体由来スキャホールド開発と組織再生、人工材料を用いた骨再生や筋肉再生、ポリマー界面のタンパク質吸着と細胞接着の制御等に関して、現状を紹介するとともに、今後、どのような未来像が描けるかを議論したい。
第2日目(9月26日)
2F05
日 時:9月26日(月)13:30-15:30   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

イオウ原子が生み出す多彩な生体反応と含硫化合物の生理機能に関する最新知見

オーガナイザー:榊原 陽一(宮崎大学)、和田 啓(宮崎大学テニュアトラック推進機構)
講演者・概要▼
講演者:榊原 陽一(宮崎大学)、丸山 明子(九州大学)、角田 佳充(九州大学)、藤井 重元(東北大学)、和田 啓(宮崎大学テニュアトラック推進機構)
概 要:「イオウ(S)」は、周期表では酸素と同じ第16原子族に属するにもかかわらず、酸素と似て非なる挙動を示す。これは、酸素より巧みに軌道電子を利用できることを意味し、必須元素として生体内で高い反応性を生み出している。細胞内での含イオウ合物として知られるグルタチオンや活性硫酸PAPSの他に、ビオチン、鉄硫黄クラスターなど生体分子中で多彩な機能を担う。さらに、硫酸化はタンパク質などの生体分子の修飾だけなく、生体維持に不可欠な代謝経路としても関与する。また、気体分子である硫化水素がシグナル分子として機能することも広く知られるようになった。本シンポジウムではイオウ原子が担う生体内反応とその動態研究に関して活躍する研究者から、最新知見や今後の展開に関しての話題を生化学、分子生物学、構造生物学などの複合的な視点から提供する。イオウを中心として、分野横断的に研究者が集うことにより情報交換が期待される。
2F08
日 時:9月26日(月)13:30-15:30   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

デザイナーペプチド・蛋白質が創成する新しい生化学

オーガナイザー:河原 正浩(東京大学)、今中 洋行(岡山大学)
講演者・概要▼
講演者:河原 正浩(東京大学)、今中 洋行(岡山大学)、兒島 孝明(名古屋大学)、松浦 友亮(大阪大学)、梅津 光央(東北大学)、吉野 知子(東京農工大学)、蟹江 慧(名古屋大学)
概 要:生化学の進展に伴い、細胞内で働くペプチドや蛋白質に対する理解が急速に進んできた。一方、これまでに得られた知見を利用してそれらを新規にデザインし、従来とは異なる視点からの生化学的解析技術を創薬・医療分野等へと展開する研究に注目が集まりつつある。特に、各種機能性ペプチド・蛋白質ライブラリーを扱うin vitroあるいはin vivoでの新たな方法論の開発・発展は近年著しく、これらを活用した研究としては、相互作用検出の高感度化、細胞運命制御機構の解明、機能分子の高効率スクリーニング法の開発や疾患診断・治療への応用など、基盤技術から応用技術に至る幅広いテーマが挙げられる。本シンポジウムでは、デザイナーペプチド・蛋白質に関する研究を意欲的に進めている新進気鋭の若手研究者による最新の研究成果を紹介し、本分野が創成する新しい生化学の展開について議論したい。
2F09
日 時:9月26日(月)13:30-15:30   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

都市と地方 ~これからの研究環境選びを考える~

オーガナイザー:松原 由幸(名古屋大学)、西村 亮祐(東北大学)
講演者・概要▼
講演者:
概 要:「都市と地方の研究格差」というトピックをよく耳にする。実際に、都市部と地方それぞれの大学に所属する若手研究者が顔を合わせると、交通の便や入ってくる情報量、周辺の研究施設等の地域ごとの違いが話題に挙がる。また近年、文部科学省主導で、都市部の旧帝大のグローバル化を促進し、一方地方大学は地域活性化(ローカル)への寄与を推し進める政策が取られている。これからますます都市部と地方の間で、大学の方向性が明確に2極化していくと予想される。そんな中、これから私達若手研究者は、自身のサイエンスを追求する研究環境をどう選んでいけば良いのか?本フォーラムでは、有識者の先生方にご登壇いただくと共に、日本生化学会後援の若手団体「生化学若い研究者の会」の全国規模のネットワークを生かして実施したアンケートを基に、現場の生の声を反映させた議論を展開する。
2F10
日 時:9月26日(月)13:30-15:30   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

生命システム原材料の起源と進化:現在の生化学反応に生命初期進化の痕跡は残っているか

オーガナイザー:河合 剛太(千葉工業大学)、別所 義隆(台湾中央研究院)
講演者・概要▼
講演者:河合 剛太(千葉工業大学)、別所 義隆(台湾中央研究院)、大島 泰郎(共和化工株式会社)、西山 真(東京大学生物生産工学研究センター)、岩崎 俊雄(日本医科大学)、武藤 愛(奈良先端科学技術大学院大学)
概 要:基本的な代謝経路およびそこで機能する酵素の生化学については、生化学研究が隆盛をなした20世紀後半にその大半が明らかになっている。その後、20世紀末になると構造生物学が隆盛となり、これらの経路の大半の酵素の立体構造が明らかにされた。立体構造およびそれに基づいた酵素反応のメカニズムの議論がほとんどの酵素で可能となり、これに伴い、これまで推定の域を出なかった代謝経路と生命システム原材料の起源あるいは進化との関連が、科学的に実証できる可能性が見えてきている。本シンポジウムでは、集積されている生化学および構造生物学の研究成果を新しい視点から解析し、生命の初期進化の過程と関係について議論したい。
第3日目(9月27日)
3F05
日 時:9月27日(火)14:25-16:25   会 場:第5会場(仙台国際センター 会議棟 桜2)

加齢性疾患とスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)

オーガナイザー:石神 昭人(東京都健康長寿医療センター研究所)、清水 孝彦(千葉大学)
講演者・概要▼
講演者:清水 孝彦(千葉大学)、神谷 哲朗(岐阜薬科大学)、村戸 ドール(慶応義塾大学)、近藤 嘉高(東京都健康長寿医療センター研究所)
概 要:スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオンを2段階の1電子酸化還元を経て、酸素と過酸化水素へ不均化する酸化還元酵素である。ほ乳類にはSOD1(Cu, Zn-SOD)、SOD2(Mn-SOD)、SOD3(EC-SOD)の3種類のSODが存在する。SODの遺伝子欠損や変異は、寿命に影響を与えると共に様々な病態を引き起こす。例えば、SOD1遺伝子欠損マウスは、骨粗鬆症や加齢黄斑変性症、アルツハイマー病の増悪など様々な加齢様症状を呈する。本シンポジウムでは、SODの欠損やそれに伴うレドックスバランスの異常が老化や加齢性疾患に及ぼす影響についてSOD研究のトップランナーに最新の知見を紹介していただき、SODの本質に迫っていきたい。
3F08
日 時:9月27日(火)14:25-16:25   会 場:第8会場(仙台国際センター 展示棟 会議室2)

超解像度顕微鏡による生化学の近未来的視点

オーガナイザー:五十嵐 道弘(新潟大学)、石崎 泰樹(群馬大学)
講演者・概要▼
講演者:野住 素広(新潟大学)、福井 希一(大阪大学)、根本 知己(北海道大学電子科学研究所)、辰巳 仁史(金沢工業大学)、並木 繁行(東京大学)、高橋 哲也(広島大学)
概 要:生化学の近未来は、「細胞内でどの部位で、その分子がどのような相互作用を行って、どのような相互作用の変化に基づいて細胞の機能に変化をもたらすのか」を理解することにある。この目的を達成するための、細胞内の分子動態を精密に追跡するのに必須の研究技術が、超解像度技術である。日本の中でこれらの技術を駆使した研究はまだ限られており、今回はその技術を駆使して各分野で生化学の知見を革新しつつある6名の先生方の研究を紹介して討論を行い、超解像度技術の未来を生化学会会員と共有する。
3F09
日 時:9月27日(火)14:25-16:25   会 場:第9会場(仙台国際センター 展示棟 会議室3)

構造生物学の新たな潮流:PDBj15年の歩みと今後の展望

オーガナイザー:由良 敬(お茶の水女子大学)、木下 賢吾(東北大学)
講演者・概要▼
講演者:中村 春木(大阪大学)、由良 敬(お茶の水女子大学)、岩崎 憲治(大阪大学)、菅瀬 謙治(京都大学)、浴本 亨(横浜市立大学)
概 要:日本の構造生物学を支えてきたタンパク質立体構造データベースの日本支部であるPDBjは今年15年を迎える。また、創薬等基盤プラットフォーム推進事業として行われてきた構造生命科学研究にもとづく支援も本年度で最終年度を迎える。この節目の年に、生化学的研究に大きなインパクトをもってきた構造生物学の果たしてきた役割を再考すると共に、今後の展望について議論する。2015年には電子顕微鏡で原子分解能を達成したように、構造生物学は今なお発展を続けている分野である。このセッションでは、単に過去へのオマージュとするだけでなく、最新のトピックスとして、電子顕微鏡とX線結晶構造解析を融合した超分子複合体の構造解析や天然変性領域の最近の成果、計算科学的手法と実験の融合の可能性などの最新の研究成果の講演を交え、改めて構造生物学の果たすべき役割と今後の可能性を議論したい。
3F10
日 時:9月27日(火)14:25-16:25   会 場:第10会場(仙台国際センター 展示棟 会議室4)

In vivo結晶化 ― 細胞内環境変動に対する応答解析と応用 ―

オーガナイザー:伊藤 孝司(徳島大学)、湯本 史明(高エネルギー加速器研究機構)
講演者・概要▼
講演者:シャパス レオナルド(シンクロトロン・ソレイユ、フランス)、ハセガワ ハルキ(アムジエン社、アメリカ)、筒井 秀和(北陸先端科学技術大学院大学)、湯本 史明(高エネルギー加速器研究機構)、伊藤 孝司(徳島大学)
概 要:近年、生物や外来タンパク遺伝子を培養細胞株内で大量発現させる際に、タンパク質の結晶(様構造)が形成される現象(in vivo crystallization)が見出されている。in vivo結晶の形成部位と分子機構は、タンパク分子種、生物種および細胞株タイプにより異なるが、タンパク結晶化という細胞内環境の変化に対する細胞応答が起こっていると考えられる。実際、細胞質で形成されるin vivo結晶はオートファゴゾーム内に、また小胞内輸送される糖タンパクは、粗面小胞体内腔での結晶化が観察されている。一方、X線自由電子レーザー(XFEL)や放射光X線を用い、細胞内で形成される微小なタンパク結晶からもX線回折像が取得されつつある。本シンポジウムでは、細胞内in vivo結晶の形成メカニズムと細胞応答解析、および回折法を用いた微小結晶の構造解明に取り組むシンポジストが、最新の進捗について紹介する。

 

一般演題(一般口頭発表、ポスター発表)

プログラムの日程や発表演題等、詳細はプログラム検索・要旨閲覧システムまたはプログラム検索・要旨閲覧アプリをご覧ください。

 

【口頭発表閲覧のご注意】

一般演題として応募された演題の中から一般口頭発表に採択された演題は、口頭発表とポスターの両方の発表を行っていただきます。
そのため、一般口頭発表(T)とポスター発表(P)の両方の演題番号が記載されています。
 例:『2T01-01(2P-123)』
 一般口頭発表:第2日目、第1会場のセッション、1題目/ポスター発表:第2日目、123番のパネル

 

 

Late-breaking Abstracts

Late-breaking Abstractsで応募された演題は、プログラム検索・要旨閲覧システムおよびプログラム検索・閲覧アプリにて閲覧できます。※プログラム集には掲載されていません
また、プログラムはどなたでも閲覧できますが、要旨を閲覧するにはパスワードが必要となります。
パスワードは、日本生化学会よりメールにて送付されております。
非会員の方でプログラム集の購入および要旨の閲覧を希望される方は学会本部へお問い合わせください。

 

日本生化学会事務局
TEL: 03-3815-1913  E-mail: jbs-ho@jbsoc.or.jp

 

バイオインダストリーセミナー

各セミナーの概要や講演者情報等は、プログラム検索・要旨閲覧システムまたはプログラム検索・要旨閲覧アプリあるいはプログラム集をご覧ください。

 

 

 

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