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「ゾフルーザ」ほか、患者が必要とする新薬を作り続ける塩野義の手代木マジック

2019-2-13 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

1月24日放送のカンブリア宮殿『新薬でインフルエンザと戦う』の回、ご覧になられましたか?
インフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり,1月下旬から2月上旬にピークを迎え,3月頃まで続きます。そうですよね。ニュースで報じられている通り、今が流行ピークの季節!?

 

これまた度々ニュースで報じられているインフルエンザ新薬「ゾフルーザ」。そんな新薬を開発したのが、今回の主役、大阪に本社を構える創業140年の老舗塩野義製薬さん。私は「イソジン」で怪しい時には、欠かさずお世話になっていますかねぇ…。

 

創業家からではない生え抜きのサラリーマンから立ち上がった社長の手代木さんは、業界大手が注力しなかった感染症分野に力を注ぎ、「鳴かず飛ばず」といわれ、業績不振で「終わった会社」と揶揄されていた塩野義を劇的に復活させました。いつしか、「手代木マジック」と言われるようになった経営手腕について今回は特集されていました。

 

インフルエンザが流行っていると聞くと、急にマスクをつける人が目立つ気がしますが、感染者が早いか、予防対策者が早いか…いずれにしても満員電車の中で咳ごまれたりすると、「しまった!乗る位置を誤った…ついてねぇ・・・」と思ってしまうもの。先日、どこぞの番組でやっていましたが、家庭にインフルエンザを持ち込む率が最も高いのが、サラリーマンであるお父さんなんだとか・・・。

 

クリニックの先生は「感染は仕方ない。でも、他にうつさないことが大事」と言いますが、「顔を見せないのは失礼」なんて馬鹿げた事を言う人がいるものだから、感染症にかかっていてもマスクをしない人がいたりして困ったものです。

 

話題となっている「ゾフルーザ」は、インフルエンザと診断された患者に、わずか1回の服用で対策が取れるインフルエンザの新薬です。お馴染みの薬「タミフル」が5日間飲むのに対し、「ゾフルーザ」は1回だけ。ウイルスが急減するので、人にうつさないことが期待されています。

 

もともと塩野義は、1990年代他社の開発した薬の販売で実績がありました。その為か、営業は強くても、創薬力は弱かったといいます。研究者は論文ばかり書き、薬を開発しませんでした。2004年に研究開発部門トップとなった手代木さんは、「創薬型企業」を目指すことを決意します。

 

「薬を作るのが製薬会社本来の仕事だ!研究だけしたいなら大学に戻れ!」そして、25あった研究分野から「感染症」など3分野に絞り込んでいきます。抗がん剤の研究チームも解体。現場は猛反発しましたが「人数が圧倒的に多い大手に勝てるのか!嫌なら代案を出してくれ」と理詰めで現場を納得させたそうです。そうして2008年、48歳という若さで社長になったのです。

 

今、世界の製薬業界は、メガファーマと言われる巨大製薬企業が資金と人材を投入し、新薬の開発競争を繰り広げているらしいのですが、そんな中で、塩野義は国内でも10位。到底メガファーマには規模で及びません。(ちなみに国内トップは武田製薬工業さん。)

 

しかし、大手でも開発が難しい“新薬”が、手代木リードで14年間に7つも生まれ、営業利益率は業界1位とのこと。それは、自社開発率7割という凄さだから、自ずと利益率が高いという訳です。余談になりますが、番組の中で語られていましたが創薬の開発には1,500億円から1,700億円かかり、早くて9年遅くて16年の開発期間。薬になるのは30,000分の1から最近でも25,000分の1なんだそうです。

 

そんな中で、塩野義を作り変えてきた手代木マジックとは、こうでした。

 

・その1 選択と集中
資源を競争力の有るところに集中させる
・その2 
患者さんが必要とする新薬を作り続ける
(製薬会社としての原点に回帰)

 

昨シーズン全米では、インフルエンザが大流行し、警戒感が強まる中、新薬ゾフルーザがアメリカFDAでも承認されました。手代木社長は「タミフル」を開発販売してきた世界最大のスイスのメガファーマ、製薬大手「ロシュ」のCEOセベリン氏との面談し、日本・台湾以外の世界での販売権を与えたそうです。

 

タミフルを売ってきたロシュだからこそ、ゾフルーザの良いところを見出だせるはずだし、ロシュの販売力で世界のインフルエンザ患者に新薬を届けられると判断したそうです。また、特許切れの危機に瀕した薬に対しては、ロイヤリティを減額することで期間延長となだらかな手数料に切り替え、ゾフルーザ誕生までの時間を産み出したんだとか。いずれも大した判断です。

 

手代木さんはこんな事も話されていました。

 

「何を取って何を捨てるかは経営者が決めること。両方では無茶な要求になるだけ。」と。

 

いつもの社長の金言は、こうでした

 

「勝つときは51対49で勝つ」

 

実際に取られてきた行動力からは想像もできない優しい表情の持ち主でしたが、「腰は低く 理想は高く」・・・1本の柱がしっかり立っている感じの、頼れる社長さんでした。
 

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