
カンブリア宮殿、昨年12月11日 放送の"あったらいいな"を実現する発明型企業(マーナ株式会社)の回、ご覧になられましたか?
2020年のレジ袋有料化で注目され、いまや持ち歩くのが当たり前になってきているエコバッグですが、意外に畳むのが面倒だと感じる方も多いかと思います。そんな不便を解決してくれるエコバッグが、いま日本人のみならず、外国人からも注目され、シリーズ累計1700万個を売り上げる大ヒットになっているとのこと。"シュッと一気に畳むことができる"...その名も「シュパット」。これは便利だとSNSなどで火がつき、いまや34か国で販売しているそうです。私も放送後購入してしまいました・・・。
この便利なエコバッグを開発したのが、墨田区の生活雑貨メーカー「マーナ」さん。創業150年以上の老舗企業で、累計3600万個を売り上げた『おさかなの形をしたスポンジ』や、砂糖などが湿度の変化で固まることを防ぐ『調味料ポット』など、ヒットを連発。従業員は76名ですが、今期は80億円を売り上げる見込みだとのこと。老舗企業が、なぜ一見地味な生活用品の分野で次々とヒット商品を生み出すことができるのか?その裏にある、代々受け継がれてきた思いと、若き5代目社長の改革に迫る回でした。
開発者はたった11名のデザイナー!“もやもや解消”で暮らしを進化させています。マーナの商品の特徴は、デザイン性もさることながら、お客の商品に対するちょっとした困りごとを解決してくれること。傘を閉じてベルトで留めるときに手が濡れるのを解消した、“閉じるだけで一気に畳める、ベルトがない傘”や、「ネックピローが持ち運びにかさばる」というお悩みを解決した、“コンパクトに一息で膨らむネックピロー”など、お客目線で小さな悩みを解決してきました。こうした商品を企画開発しているのは、11名のデザイナーたち。みんな自ら生活の中で“もやもや”を感じると、それを解消すべく、すぐに3Dプリンターを駆使して商品開発にとりかかります。
実は、こうした使用者目線での細かい工夫や改良は、ブラシの製造販売を行っていた2代目の時代から脈々と続く考え方だそうです。さらにマーナではヒット商品が生まれると、開発者にもボーナスなどで還元する仕組みがあります。あの「シュパット」の開発者は、それを頭金に「シュパット御殿」まで手に入れたとのこと…羨ましいですね。社員をやる気にさせる“マーナ流”のヒット商品誕生の舞台裏には、年収の数倍のご褒美という支えもあって、シュパットエコバッグの開発者は、それで家を建て出産金まで手に入れたとのこと。成功報酬がとにかく”どでかい‼️”のです。
現在の社長である名児耶剛は、老舗の5代目。4代目である父親が家庭用品に大きく舵を切ると、その後ヒットを連発し、“家庭用品のマーナ”を定着させていました。しかし、2011年に剛が入社して以降、どんなに数多くの商品を開発し投入してもなぜか売れないという状態が続きます。バイヤーからは「面白い商品がない」と言われ、9割の商品が廃版に追い込まれたそうです。売り上げも2割減り、社員も毎月のようにやめていったとのこと。
この状況を打破したのが5代目の行った社内改革でした。開発が止まった時期…低迷期を招いたのは開発商品を急いで時間をかけられなかったこと。原因は、創る為の時間の確保が不足していたことでした。既存製品の改良にも着手した5代目社長は、42歳の改革断行の優秀な方でした。
ブタの落とし蓋、立つシャモジ、シュパットアンブレラ、シュパットエコバッグ、ドアストッパー、動かないまな板、こぼれない水筒、お魚の汚れや茶渋が取れる食器洗いスポンジ…社長は、お困りポイントを見つけて開発につなげて行くことが大切と話されていました。開発しても他社がマネをしてしまうけれど、弊社は、常にその先の開発をしているから、何の問題もないと自信をもって話されていた社長さん。この人に付いていけば良い…そんな印象の方でした。
村上龍の編集後記
創業1872年だが、明治維新が、1868年だ。「名児耶」さんに、そのことを聞きたいと思ったが、詳細はわからないという返事だった。初代がブラシ、刷毛の製造を始めたが、ほとんどの人は洋装など知らなかっただろう。そういうやり方は、今も生きている。誰も見たことがないものを、作って、売っている。「魚の形」をしたスポンジや、豚の形をした「落としぶた」、それに、とても小さく折りたためるバッグなど。社長は、大学生まで野球をやっていて、連携が必要な内野手だった。すべてを担うポジションにいたのだ。
村上龍の「すべてを担う」という1言が印象的てした。
2026.3.1 16:58