ふりかえれば あの頃の私
大きな夢を描いていた あの頃
友情も愛も 永遠に続くものだと信じていた あの頃
立ち止まって うつむいている 今
あの頃の私は 子供だった?
ふりかえれば あの頃の私
現実を遠ざけて 大人を嫌った あの頃
物もお金も そんなものを必要としなかった あの頃
立ち止まって なげいている 今
気がつけば大きくなっている私は 大人?
大人って何? 子供って何?
そんなこと どうでもいい
ただ これだけは 大切にしたい
大きな夢 深い友情 そして 豊かな愛
どんなに大きくなっても これだけは決して・・・
命ある限り 失ってはいけないものだから
そうでなければ あまりに悲しい人生だから
ふりかえれば あの頃の私
あの頃の私の中に 今ある私
立ち止まって うつむいても
明日の私のために 私は生きる
詩集『道しるべ』より
私は ふりかえり 足跡をみた
私の足跡は ひどく乱れていた
薄くて 軽くて 汚れていた
私は もどって
足跡をつけなおしたかった
だが それが
不可能なことを 知っていた
私は 足跡など
気にしたことがなかった
なぜ 突然
ふりかえったりしたのだろう
私は また 足をすすめる
だが 今度は
今までとは ちがう
一歩 一歩
正しく 歩みをすすめる
その足跡が
厚く 重く 美しくあるように
詩集『道しるべ』より